「脱原発」に決別を表明したEU<前編>
EU、脱原発方針からの決別表明
先週は文藝春秋plusからイラン攻撃を受けた円相場について解説を配信させて頂いております。内容は極めてオーソドックスなもので、この4年間、ずっと書いたり・話したりしてきたことの要約版みたいな感じになっています。「誰でも取得可能な一次情報を積み上げて何が言えるか?」を大事にしておりますので、こういった内容が沢山視聴して頂けるのは有難い話です:
さて、今回の主題は欧州です。先週3月10日、フォンデアライエン欧州委員長はパリでの国際会議で演説し、原子力発電について「背を向けたのは欧州にとって戦略的に誤りだった」と振り返った上で「私たちは欧州が次世代原子力エネルギーのグローバルハブとなるべく、スピードと規模感をもって動く」と謳いました。今後は再生可能エネルギーとともに次世代原発の導入を推進する方針をはっきりと表明した構図です:
ちなみに原文はこちらです:
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/speech_26_581
文字通り、EUトップによる脱原発方針からの決別表明です。実際のところ、域内の現状を見れば、今回の発言は現状追認です。例えばイタリアのメローニ政権は1987年に表明した脱原発方針を撤回し、2025年2月に原発復活の法案を閣議決定していますし、ベルギーもやはり2025年に脱原発方針を撤回した上で、原発新設の認可禁止を定めていた現行法を撤廃しています(つまり新設可能なステータスになっています)。類似の動きはスウェーデン、リトアニア、スイスでも見られ、ポーランドは今年、初の原発建設に踏み切ります。この辺りはJETROの日本語情報が助かるところです:
理想が現実に敗北しつつあったところ、公式にその事実が認められたというのが今回の動きであり、EUにとっては1つの節目と整理できるでしょう。今回から2回に分け、本件を受けて当面の経済・金融情勢に何が言えそうかを整理します。さすがに日本語報道でも各社が取り上げていたニュースではありますが、追求する雰囲気もなく、ここで掘り下げたいと思います。
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