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防衛費拡大ブームの経済分析(前編)

WEOは最高の教材
毎季恒例のIMF「世界経済見通し(WEO)」の春季版が公表されました:

色々なところでお話しはしていますが、WEOや同時発表される国際金融安定報告(GFSR)は無料で読める経済分析としては最高の教材だと思います。英語も平易な表現で書かれていますし、executive summaryだけでも十分、世界経済の現況を掴めます。実務者としてはexcelバックデータも付いているのも地味に嬉しいところです。「英語の練習にもなる」という部分を求めないのであれば、今の時代、翻訳のコストはゼロに近いですから、和訳だけでも読む価値はあると思います(ただし、図表までは訳せないですが)。

いずれにせよ、国際機関由来の経済・金融分析は無料かつ高質な素材が沢山ありますので、リテラシー向上という意味では読まない手はありません。

とはいえ、相応のボリュームがあるのも事実ですので、春・秋のWEOについては面白そうなトピックを1~2つ選んで掘り下げるということをずっとやってきました(実はこれは欧州委員会時代にそういうことをした方が良いよ、と違うエコノミストから指導された経緯に基づいています)。

今回のWEOの見どころ
今回のWEOでは「紛争の期間と規模が限定的である」との仮定に基づき、「世界全体のインフレ率は2026年に緩やかに上昇した後、2027年には再び低下に転じる」との基本シナリオが提示されました:

片や、「資源価格の高騰、インフレ期待の高まり、金融引き締めが、近年の回復力を試す状況にある」とも付記されており、結局、資源価格やそれに伴うインフレ期待、そして適応する金融政策の在り方が景気の要となっている現状が再確認されたとも言えます。

「結局、資源価格次第である」はつまらない結論ではありますが、WEOは個別章の議論やBOX欄がユニークだったりします。この点、今回は第2章「防衛支出:マクロ経済的影響とトレードオフ」の議論が非常に興味深いものであると私は感じました。中長期的な円相場を見通す上でも示唆に富む内容であったため、今回と次回の2回を使わせて頂き取り上げたいと思います。

※ところで、今月は(また)スタンダードで6本配信していました…サービスということでご笑覧下さい。この記事からマスタープランになります。

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