「分からないまま動き出してよかった」──SIer10年から横断PM、そしてチームリーダーへ。変化を楽しみながら広げたキャリア
本シリーズ「アルファ室のPeople」では、実際に働くメンバーの言葉を通じて、アルファ室での働き方やカルチャーのリアルを紐解いていきます。
今回は、SIerでの10年間を経てアルファ室にジョインし、現在3年目を迎えるプロジェクトマネージャー兼チームリーダーの岩崎翔也さんをご紹介します。
金融系SIerで培ったマネジメントの基盤を持ちながら、全社横断のプロジェクトに挑み、変化の激しい環境の中で仕事の進め方を更新してきた岩崎さん。現在はPMとしての業務に加え、チームリーダーとして組織づくりにも携わっています。
「PMとして成長したい」という思いで飛び込んだアルファ室で、どんな葛藤があり、どのようにキャリアの幅を広げてきたのか。等身大の言葉で語っていただきました。
岩崎 翔也 / アルファ室 プロジェクトマネージャー・チームリーダー
新卒でSIerに入社し、約10年間にわたって金融系、主に生命保険領域のお客様先に常駐。要件定義からリリースまで、開発プロセス全体のマネジメントを経験する。プロジェクトマネージャーとしてさらなる成長機会を求め、アルファ室へ入社。現在はユーザー体験最適化を目的とした横断プロジェクトをはじめ、複数の案件に携わる。チームリーダーとしても、知見共有の仕組みづくりやオンボーディング改善など、組織開発に取り組んでいる。

金融SIerからアルファ室へ──プロジェクトマネージャーとしての転機
──岩崎さん、はじめに現在のミッションと担当領域を教えてください。
岩崎:アルファ室でプロジェクトマネージャーとして業務に当たりながら、チームリーダーとして組織開発にも携わっています。
PMとしては、ユーザー体験の最適化を目的とした横断プロジェクトに長く関わってきました。そのほかにも、新規サービスの立ち上げ支援など、複数の事業や組織を横断しながら、全体最適の視点でプロジェクトを推進する案件に入っています。
チームリーダーとしては、メンバーのマネジメントに加えて、アルファ室の組織開発に関する取り組みを行っています。
具体的には、ボトムアップ文化を醸成するための施策を考えたり、アルファ室の中にあるナレッジをまとめて活用しやすい形を作る取り組みなどを実施しています。
──アルファ室に入ったのは、どんな経緯からですか?
岩崎:前職のSIerには新卒から約10年いて、金融系、特に生命保険領域のお客様先に常駐することが多かったんです。要件定義からリリースまでのプロセス全体をマネジメントする仕事でした。
ただ、SIって基本的にはクローズドで、自分がマネジメントできる領域が限られているんですよね。ある時期から「プロジェクトマネージャーとしての成長の伸び代を感じにくくなってきた」という感覚がありました。
もっと広くて複雑なフィールドで、PMとしての力を試したい。そう思うようになったのが、転職を考えたきっかけです。
──転職先を選ぶ判断軸はどこに置いていましたか?
岩崎:「PMとしてどれだけ成長できる環境か」という一点でした。
アルファ室はPM・PdMに特化した組織で、全社横断でプロジェクトを推進する。全体最適と個別最適を使い分けながらビジネスを加速させるというゴール設定は、PMとしてとてもチャレンジングな環境だと感じました。
ビジネスを加速するために「何をすべきか」を自分たちで考え、柔軟に動いていく必要がある。その自由度と難しさに魅力を感じましたね。
──入社前に懸念していた点はありましたか?
岩崎:2つありました。1つは、企画や要求定義といった上流工程が未経験だったこと。もう1つは、ステークホルダーの数が大幅に増えることへの不安です。
SIerでも関係者は多いのですが、自分がマネジメントできる範囲は限られていました。一方でアルファ室では、全社横断で多くの関係者と動くことになる。求められる役割も抽象度も大きくなるので、自分の意思や働き方次第で成果にも失敗にも振れ幅が大きくなる。そこへの不安はありました。

経験が武器にも足かせにも──前職の厳格性とアルファ室のスピード感
──実際に入ってみて、前職の経験はどう活きましたか?
岩崎:金融業界はユーザーへの影響範囲が大きいので、少しのミスも許されない環境なんですよね。その中でプロジェクトマネジメントをしてきたので、ステークホルダーとの丁寧な合意形成、期日と品質の両立、複雑な情報の整理と伝達、リスク管理といった基盤スキルは、アルファ室でもすぐに活きました。
──一方で、前職の経験が邪魔になることもあったとのことですね。
岩崎:はい。「仕様をしっかり固めてから動く」「決まっていないことは動かさない」というやり方が、自然と身についていたんです。
品質担保やリスク管理には強い反面、アルファ室ではスピード感や柔軟性が求められる場面が多い。グレーな部分をあえて置いておいて進める、という感覚が最初はどうしても難しくて、動き出しが遅くなってしまうことがありました。
たとえば、ユーザー体験の最適化を目的とした横断プロジェクトでは、「仮説を立てて、コストを抑えながら素早くPOCを進める」というアプローチが求められます。正解がない状況で、グレーな部分を許容しながら動くことが、当初はとても難しかったですね。
──それまでのやり方を更新していく必要があったんですね。
岩崎:そうですね。ただ、そこに適応できたのは、もともとの自分の性格や考え方も大きかったと思っています。
「宙に浮いているボールは自分で拾う」というスタンスは、前職の頃からずっとそうでした。環境が変わっても、目的を達成するために必要なことを拾っていく。あと、これまでの経験を大事にしすぎないというか(笑)。経験はあくまで手段で、目的が達成できれば方法は何でもいいと思っているタイプなんです。
成果を探り続けた1年──横断PMとしての葛藤と学び
──入ってから一番きつかった時期はいつですか?
岩崎:ユーザー体験の最適化を目的とした横断プロジェクトで、約1年間にわたって仮説検証を繰り返した時期です。多くの試作を重ねたものの、なかなか成果に結びつかない。プロジェクトの方向性に迷いが生じていた頃ですね。
──それに対して、どんなアクションを取りましたか?
岩崎:自分なりに「当初の目的に立ち返りませんか」とプロジェクトオーナーに提案したのですが、当時の自分のスキルでは意図がうまく伝わらなくて。結果的に、チーム内や関係者の間で温度感のばらつきが生まれてしまいました。
前には進めているけれど、成功に向かっているのかどうかわからない。そのもどかしさがいちばんきつかったです。
──どうやって状況を変えましたか?
岩崎:1人ではどうにもならないと感じて、上司に相談しました。何度も壁打ちをして視野を広げてもらいながら、上司経由で経営層も巻き込み、プロジェクト全体の目的と方針を改めて整理する場を設けてもらったんです。
それによって、軌道修正することができました。対立することなく、関係者との関係性を損なわずに前向きな形で着地できたのは、適切に上位レイヤーを巻き込めたからだと思っています。
──2年前の自分にアドバイスするとしたら、何と言いますか?
岩崎:「分からないまま動き出しても、ちゃんと前に進むよ」「グレーな領域を排除しなくても進めることができるよ」と伝えたいですね。
横断PMとして大事なのは、自分なりの仮説を持って対話すること、目的と手段を分けること、そして関係者が同じ目的を見据えながら、より良い意思決定ができる状態をつくることだと感じています。 自分一人の判断や推進力でプロジェクトを動かすのではなく、関係者が納得感を持って自律的に前へ進める状態をつくること。それが横断PMとしての本質だと、最近強く感じています。

TLという新たな挑戦──PMとしての成長を広げるために
──現在はチームリーダーも兼任されています。TLになったきっかけを教えてください。
岩崎:入社して1年半ほど経ったタイミングで、チームリーダーの打診をいただきました。ただ、すぐに決めたわけではなくて、1か月ぐらい悩みました。
──どんな迷いがあったのでしょうか。
岩崎:一番大きかったのは、リソース面の不安です。もともと自分は、いろいろなボールを拾いにいくタイプで、やることを広げすぎてしまうところがあるんです。PMとしての業務に加えて、チームリーダーとしての役割も担うとなると、負荷に耐えられるのかという不安がありました。
もう1つは、PMとしてまだまだ成長したいという気持ちです。このタイミングで人や組織のマネジメントに手を広げていいのか。もう少しプレイヤーとして実績を積んでからのほうがいいのではないか。そこはかなり悩みました。
──最終的に、やってみようと決めた理由は何だったんですか?
岩崎:自分の成長テーマとして、「視座・視点・視野を広げる」ということがずっとありました。その手段の一つとして、チームリーダーになることがPMとしての成長にもつながると思ったんです。
PMも結局はマネジメントの仕事です。プロジェクトを前に進めるには、人や組織の状況を見ながら、どう場を動かしていくかを考える必要がある。そう考えると、チームリーダーとして高い視座を持つ人たちと対話したり、組織全体の情報に触れたりすることは、自分にとって必要な経験だと思いました。
前職でもリーダー的な役割は経験していて、人や組織のマネジメントに興味もありました。だから「やりたくない」というより、「やりたいけれど、このタイミングで受け止めきれるのか」という迷いだったんです。最終的には、今の自分にとって必要な成長機会だと考えて、引き受けることにしました。
──実際にTLをやってみて、よかったことはありますか?
岩崎:狙い通り、視座・視点・視野の強化には確実につながっていると思います。
リーダーやマネージャーが集まる会議に参加することで、自分よりも高い視座や広い視野を持っている人たちの発言や指摘に触れる機会が増えました。メンバーの頃には得られなかった情報も入ってくるので、自然と組織全体を俯瞰した視点で考えるようになってきた感覚があります。
また、そこで得た視点を、メンバーとの対話や組織開発の活動で実践できることも大きいです。たとえば、知見共有の仕組みづくりやオンボーディング改善のような活動は、アルファ室全体をどう良くしていくかを考える機会でもあります。1つ上の視点で見たときに、この活動は組織にとってどういう意味があるのか。そうした問いを持ちながら動くようになりました。
──PMとしてのキャリアを深めるだけでなく、管理職としてのキャリアにも踏み出した感覚がありますね。
岩崎:そうですね。ただ、自分の中ではPMと管理職が完全に別物というより、つながっている感覚があります。
プロジェクトを前に進めることも、チームを前に進めることも、結局は「人が動ける状態をどうつくるか」だと思っています。もちろん難しさはありますが、TLの経験を通じて、より広い視点で物事を見られるようになってきたことは、PMとしての仕事にも確実に返ってきています。

PMとしても、組織づくりでも価値を生み出したい
──今後アルファ室でどんな仕事をしていきたいですか?
岩崎:PMとしては、求められたことを実現するだけではなく、本質課題を見極めながら、より良い選択肢を提案し、期待以上の価値を生み出せるPMになっていきたいです。まだまだ伸びしろには困らなさそうです(笑)。
もう1つは、組織開発の部分です。アルファ室はPM・PdMの専門組織として多くのメンバーが在籍していますが、同じ職能が集まっているからこそ、一人ひとりの知識や経験をもっと循環させられる余地があると感じています。
個人が得た学びを個人の中だけに閉じず、組織に還元していく。その仕組みをつくることで、個人も組織も加速度的に成長できる状態にしたい。そこにもPM業務と同じくらいのパワーで取り組んでいきたいですね。
これからの仲間へ
──最後に、アルファ室への入社を検討されている方へ一言お願いします。
岩崎:整っていないことや、正解がないことにワクワクできる人だったら、きっと楽しめる環境だと思います。
今のやり方に物足りなさを感じているとか、もっと本質的なものに向き合いたいとか、何かもやっとしているものがあるのであれば、一度飛び込んでみるといいんじゃないかなと思います。
アルファ室では、PMとしてプロジェクトを動かすだけでなく、組織やチームをどう良くしていくかにも関われる機会があります。自分の役割を決めきらず、変化を楽しみながらキャリアを広げていきたい人にとっては、とても面白い環境だと思います。

──岩崎さん、ありがとうございました!
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