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幼児期から「医者にさせる教育」は本当に必要なのか

子どもに、毎日数時間以上の勉強。

公文、英会話、プリント、課題。
将来は医師にしたい。
そのために早くから教育を始めたい。

親の気持ちは、わからなくはない。

子どもには苦労してほしくない。
選べる人生を歩んでほしい。
できれば安定した職業についてほしい。

ただ、幼児期から勉強漬けにすることが、本当に子どもの将来につながるのか。
ここは一度、冷静に考えたほうがいい。


幼児に数時間の勉強は、かなり長い

まず、子どもにとって、毎日数時間の勉強は相当長い。

もちろん、集中すれば1時間で終わる量かもしれない。
しかし幼児は、そもそも長時間集中するようにはできていない。

途中で遊ぶ。
飽きる。
機嫌が悪くなる。
親が怒る。
子どもが勉強を嫌いになる。

この流れになってしまうと、かなり危ない。

早期教育で一番怖いのは、学力が伸びないことではなく、勉強そのものを嫌いにしてしまうことだと思う。


医師にしたいのは、親か、子どもか

ここで大事なのは、誰の希望なのかという点である。

子どもが医師になりたいと言っているのか。
親が医師にしたいと思っているのか。

子どもが、自分の職業人生を理解して選ぶことはほぼ不可能である。
つまりこの時期の「医者にさせたい」は、基本的には親の希望である。

親の希望を持つこと自体は悪くない。
しかし、それを子どもに背負わせすぎると、子どもは苦しくなる。

親の夢を、子どもの人生計画にしてはいけない。


幼児期に本当に大事なのは、勉強より土台づくり

幼児期に大事なのは、先取り学習だけではない。

むしろ、

・よく寝る
・よく食べる
・よく遊ぶ
・体を動かす
・本を読む
・親と会話する
・自然や社会に触れる
・自分で考える経験を積む

こうした土台のほうが大切だと思う。

勉強は後からでも伸びる。
しかし、睡眠、体力、情緒の安定、好奇心、自己肯定感は、幼少期の影響が大きい。

幼児期の教育は、知識を詰め込むことではなく、学びたくなる心を育てることだと思う。


公文や英会話が悪いわけではない

もちろん、公文や英会話そのものが悪いわけではない。

楽しんでいるならよい。
短時間で習慣化できているならよい。
親子関係を悪くしない範囲なら、意味はある。

問題は量と目的である。

「医者にするため」
「遅れないため」
「周りに負けないため」

こういう焦りで幼児を追い込むと、教育は子どものためではなく、親の不安解消になってしまう。

習い事は、子どもを伸ばす道具にもなるが、親の焦りを押しつける道具にもなる。


地頭と環境、どちらが大事か

学力には、もともとの能力も大きく関係する。

努力だけで何でも変えられるわけではない。
一方で、環境がまったく関係ないわけでもない。

現実的には、親ができるのは「子どもの上限を無理やり引き上げること」ではなく、子どもが持っている力をきちんと発揮できる環境を整えることだと思う。

落ち着いた家庭。
本がある生活。
親が学ぶ姿勢を見せること。
子どもの疑問に付き合うこと。
失敗しても怒りすぎないこと。

こういう環境が、結果的に学力にもつながる。


子どもを医師にすることが、今も本当に最善なのか

もう一つ考えたいのは、「医師にさせたい」という前提である。

もちろん、医師は今でも社会的意義のある職業であり、専門性も高い。
しかし、今後も絶対に安泰かと言われると、そこまで単純ではない。

働き方改革。
医療費抑制。
地域偏在。
診療報酬の問題。
訴訟リスク。
AIの進歩。
医師の過重労働。

医師という仕事も、これから大きく変わっていく。

だから、親が子どもに与えるべきなのは「医師になる一本道」ではなく、どんな時代でも自分で考えて選べる力だと思う。


私なら、幼児期はこうする

私なら幼児の時期は、勉強を長時間やらせるより、生活の中で知的好奇心を育てる。

絵本を読む。
図鑑を見る。
博物館や水族館に行く。
外で遊ぶ。
料理を手伝わせる。
虫や植物を観察する。
旅行に連れて行く。
ニュースや身近な出来事を親子で話す。

机に向かう勉強は、短時間でよい。
毎日少しだけ、楽しく終われる量にする。

幼児期の勉強は、「もっとやりたい」で終わるくらいがちょうどいい。


最後に

子どもの教育に力を入れることは悪いことではない。

ただし、早く始めれば必ず勝てるわけではない。
長時間やれば必ず伸びるわけでもない。

むしろ幼児期にやりすぎると、勉強嫌い、親子関係の悪化、自己肯定感の低下につながることがある。

必要なのは、医師になるための訓練ではない。

よく遊び、よく眠り、よく笑い、たくさんのことに興味を持つこと。
そのうえで、少しずつ学ぶ習慣を作ること。

子どもを伸ばす教育とは、親の理想に近づけることではなく、子ども自身が自分の力で人生を選べるようにすることだと思う。

まっち

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