温泉では苦手な牛乳が飲める
「私は牛乳が苦手」
でも、そんな私が牛乳を愛飲していた時期がある。
1歳〜2歳のあの頃。
歩けるようになり、言葉を話すようになり、毎日が成長だったあの時…
母曰く、私はものすごく牛乳を飲んでいたらしい。ひとりで、1パック。
概ね事実だろうけど、正直ちょっと誇張してないか?と思う。母よ、実際どうですか。笑
ただ、あまりにも飲みすぎで、ドクターストップがかかったのは事実みたい。そんなことある?笑
「飲みすぎて嫌になったんちゃう?」と母は語った。
私はいつから牛乳が苦手になったのだろう?
きっかけは保育園のおやつだったのかもしれない。あれは牛乳では無かったと思う。何の飲み物だったのか、今となっては分からない。ただ、"ミルク"と呼ばれる白い飲み物がおやつと一緒に出されていて、私はそれが苦手だった。
その時の"ミルクは苦手"というイメージが残ってしまったのかな。
白くて、ミルクと呼ばれるあの飲み物。
そして、牛乳=MILK。
私は幼い頃から言葉に興味があった。
給食で牛乳が出始める頃には、牛乳=MILKということを知ってしまっていたのだ。
その頃からか、私は"MILK"にまつわるものがあまり得意ではなかった気がする。
アイスならバニラよりチョコや抹茶。ケーキなら生クリームよりチョコレート。
もちろん、アイスやケーキが嫌いなわけではない。好みの味なら喜んで食べる。ただ、白くて"MILK"感のあるものはなんとなく避けていた。
子どもの頃、温泉上がりに牛乳を飲んだ記憶はない。弟の定番は、牛乳。私の定番は、オロナミンC。
牛乳が飲めなかったからだ。
そんな私が、温泉上がりに牛乳を飲むようになったのは、大人になってから。
友達と一緒に温泉へ行くようになってからだった。
私は、いつも通りオロナミンCを嗜む。
友人は、牛乳を飲む。
腰に手を当てて、グビグビ……プハーッ!
なんか、めちゃくちゃ美味しそうに見えてきた。
めっちゃ美味しそうやん?
友人と過ごす楽しい時間の中で、「私も、久しぶりに牛乳飲んでみよかな」と、ふと思った。
意を決して、いざゴクゴク……プハーッ!
え?温泉上がりの牛乳、うまい。
牛乳、飲めた!
なんか、美味しさが分かった気がする。
だが、日常的に牛乳を飲むようになったわけではない。牛乳を飲むのは温泉上がり限定。
"牛乳を飲む"ために1パック買うには、まだ成功体験が少なかった。
それからの私は、シリアルにかけてみたり、カフェラテを飲んでみたり。
向き合い方を工夫して、"MILKは苦手"というイメージを少しずつ薄め、牛乳との距離を縮めていった。
今では、北海道の濃厚な牛乳飲み比べにテンションが上がるほど、牛乳を飲めるようになった。
男気ジャンケンに参加して、温泉上がりの牛乳を買うようになった。
とはいえ私たちは人間なので、どうしても「無理なもんは無理」ということもあると思う。
私の場合、それは"ピーマン"だ。
牛乳との距離は縮まったけれど、ピーマンとは今のところまだまだ平行線。
苦手なものは、無理に好きになる必要はないのかもしれないと思うようになった。
無理に好きにならなくても、死ぬわけじゃないことのほうが多い。
ただ、ふとした時に、昔は苦手だったけど今なら…と思えるきっかけに出会えたら、試してみるのもいい。
私にとって牛乳は、こんな考えに至るきっかけや時間をくれた飲み物。
そしてやはり──
"温泉上がりの牛乳"が一番、うまい。
