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【無縛自縛(むじょうじばく)】という教え

現代社会において、私たちは知らず知らずのうちに「世間の目」や「過去の失敗」といった見えない縄で自分を縛りがちです。

縛る縄など最初から存在しないのに、自分の思い込みや迷いによって、まるで縄で縛られているかのように身動きが取れなくなっている状態のことを、無縛自縛といいます。

もし今、あなたが「どうして自分ばかり上手くいかないんだろう」「もうやり直せないのかもしれない」と、暗闇の中で身を縮めているとしたら。

少しだけ、私の声に耳を傾けてみてください。

この記事は、他の誰でもない、今これを読んでいるあなたのために書いています。


暗闇の中で見つめる、幻の縄

私たちは生きていると、いつの間にか「~でなければならない」という思い込みの糸を自分自身に巻き付けてしまいます。

「良い父親(母親)でいなければならない」

「一度失敗した人間は、二度と浮き上がれない」

「人に迷惑をかけてはいけないから、助けを求めてはいけない」

最初は一本の細い糸だったかもしれません。

けれど、夜眠れない時に反省を繰り返したり、誰かのふとした言葉を何度も心の中で再生したりするうちに、その糸は太くなり、やがて太い縄となって全身を固く縛りつけます。


息が苦しくて、前に一歩も進めない。

「誰かこの縄を解いてくれ」と心の中で叫んでいる。

でも、一度だけ、深呼吸をして、その縄をよく見てみてください。

誰がその縄をあなたに巻き付けたのでしょうか。

上司でしょうか、パートナーでしょうか、それとも過去のあなたでしょうか。


実は、仏教の「無縛自縛(むじょうじばく)」という教えが伝える真実は、とてもシンプルで、そしてどこまでも優しいものです。

「あなたを縛っている縄は、最初からどこにも存在しない」


鳥かごの扉は、ずっと開いていた

ここで、ひとつのお話をさせてください。

あるところに、一羽の小さな鳥がいました。

鳥は小さな金網のかごの中にいて、外の世界に憧れながらも、いつも下を向いてじっと耐えていました。

「私の羽は傷ついているから飛べない」

「かごの外には怖い天敵がいっぱいいるに違いない」

「この狭い場所から出る資格なんて、私にはないんだ」

鳥はそう思い込み、自ら羽を折りたたんで、かごの隅で震えていました。

ところがある日、一筋の強い風が吹き抜けて、かごの扉がカタリと音を立てました。

鳥が驚いて顔を上げると、驚いたことにその鳥かごには、最初から鍵などかかっていなかったのです。

それどころか、入口の扉はずっと大きく開いたままでした。

鳥をかごの中に閉じ込めていたのは、強固な鉄格子でも、いじわるな飼い主でもありませんでした。

「自分は飛べない」「出る資格がない」という、鳥自身の思い込みだけだったのです。

鳥は恐る恐る翼を広げました。

長年畳んでいた羽は少し痛んだけど、外の空気を吸い込んだ瞬間、一筋の涙がその頬を伝いました。

そして一羽の鳥は、青空に向かって高く、高く飛び立っていきました。


あなたが自分を許す日

今、この記事を読んでいるあなたも、あの鳥と同じなのかもしれません。

「もう遅すぎる」と諦めていませんか?

「あの時こうしていれば」と、過去の自分を責め続けていませんか?

あなたが「もうダメだ」と自分を固く縛りつけているその縄は、実はあなたの優しさや責任感が形を変えた「幻」です。

あなたはそれほどまでに、誠実に、一生懸命に生きてきたんですよね。

誰も褒めてくれなかったかもしれないけれど、あなたは今日まで、本当に一人でよく頑張ってきました。

だけど、もう十分です。自分を罰する時間は、今日で終わりにしませんか。

あなたを縛っている縄は、誰かに解いてもらう必要はありません。

あなたが「あ、本当は何も縛られていなかったんだ」と気づき、そっと両手を広げるだけで、はらりと解けて消えていくものなのです。


新しい朝を迎えるあなたへ

手をとめて、少しだけ目を閉じてみてください。

過去の失敗も、他人の心ない言葉も、あなたが勝手に背負い込んでしまった重荷も、すべて一度床に置いてみましょう。

あなたには、どこへ行く自由もあります。

誰かをもう一度愛する自由も、新しいことに挑戦する自由もあります。

そして何より、幸せになっていい自由が、最初からずっと手の中にあったのです。

縛るもののないあなたの心は、どこまでも軽やかで、温かいはずです。

涙で視界がにじんだら、それはあなたの心が「やっと気づいてくれたね」と喜んでいる証拠です。

その涙は、あなたの心をきれいに洗い流してくれる恵みの雨です。

思い切って、深く息を吸い込んでみてください。
ほら、扉は開いています。

今日から、新しいあなたの時間が始まります。


どんな場所へでも、あなたの好きな空へ、飛んでいってくださいね。

追記

この記事は、私の過去に向けた記事でもあり、あなたへのメッセージになります。

   Photo & philosophy donchan

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