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唯縁のゼロ|||シン小説 no.103

私は、死ねない。

死にたくない。
死なない。
ではないの。

『死ねない』

最初に、それに気がついたのは母。

誤って、私に熱湯をこぼしてしまった。

慌てふためく、母。

でも、私の火傷は、あっという間に消えてしまう。

別の意味で、慌てふためく、母。

不死ではあったけど、不老ではなかった。

いろいろあったけど。

ちゃんと成長して、いまはもう、いい大人。

気になるのは、このまま老いていったら、どうなってしまうのか。

不安でしかない。

不死身であることを、ひた隠しにして生きてきた。

そんな私が、恋をした。

そして私は、愛を知る。

心の底から、愛した。

すべてを犠牲にしてもいい。

でも、相手は、違った。

ひどい別れ方でした。

死にたい。

でも、死ねない。

そんなとき、目にした闇サイト。

私は、いつの間にか『死』を軽くみてしまっていて。

恐怖よりも興味を優先できてしまうから。

気がついたら、登録してしまっていた。

『私を殺してください』



まさか、普通に社会生活を送れる日が来るなんて、思ってもみなかった。

なぜなら、僕は殺人鬼だから。

子供の頃から、その兆候があらわれて。

虫からはじまり、動物たちを経て。

申し訳ないという感情は、まったくない。

殺さないと落ち着かなくなる、それだけ。

食欲とか、性欲とか、そういう。

僕は、彼女のことを殺した。

たしかに、殺した。

なのに「おはよう」って。

普通に起きてきた。

元気な声で「おはよう」って。

その日以来、僕は、ちゃんとした社会生活を営めている。

彼女は、今日も元気だ。



最近、激しさを増して、掃除が大変なのよね。

あと、そうそう。

子供ができたの。



彼女は、本当にうれしそうだった。

だからこそ、言えない。

朝のニュース。

発見されたのは、僕の被害者だってことを。




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