わたモテ感想 喪234前編 ネタバレ有り| 終わりの始まりの始まり
相互さんのおすすめで映画「国宝」を見てきました。いやー、素晴らしかったです。
昭和から現代の歌舞伎の世界の光と闇、そこで踊り、翻弄される人間模様、芸の道を選ぶとはどういうことか、を歌舞伎の魅力たっぷりに描ききった傑作でした。金字塔というにふさわしい作品でしょう。
歌舞伎という極めてハイコンテクストかつ熟成の極地にある題材を扱っているにも関わらず、演技・舞台描写も時代描写もチープにならず説得力がありました。さらに直接的な表現を限界まで行間と演技力に任せ削ぎ落としたアスリート体型の脚本で、長編なのにスピード感があって。多分まだ気づけていない描写が山程ありそうなので、また時間が取れたらリピートしたいですね。
劇場映画は自由に見返せないのでなかなか大変ですが、そのうち独立した感想記事も書くかもしれません。
そして、アプリで喪234 モテないし文化祭が終わる(前編) が更新されました。
今週も感想気付きを残していきたいと思います。
以下、ハチャメチャにネタバレしているので未読の方はブラウザバックを。
前回、強い引きのないネタよりのスッキリした終わり方で、内容的にも、ついに長かった文化祭編(一つの文化祭を描いた連載の長さでは最長なのでは……)をたたみにかかっているという様子が強かったですが、今回はもうタイトルからして直球のそれです。
ただ、ショートショート回なのでおそらくこの喪234で完全に終わりということはないでしょうね。ショートショートでも部分的に大型シーンをいれてきたり実質ロング回だった例は珍しくないんですが、今回の話の傾向やペース配分を見る限り中編があっても終わりまでたどり着くことはなさそうな感じ。
表紙が特徴的ですが、本当のフィナーレに入る前に回収しておきたい小ネタを余す所なく拾い上げるための回、そんなところでしょうか。
表紙
というわけで順に見ていきたいと思います。
さっき触れましたがすごく情報量の多い表紙ですね……。
内容見ると必ずしも今回の始まり時点の絵面とは限らないようですが、写真集と言った様相。
左上から右に、
アメド売り中村と頻繁にカットインしてるモブの子たち。
中村、文化祭中の登場はかなり少なかったですが、こんなことしてたんですね。昔からの友だちが傷ついてるからなぐさめてやれ。いややっぱいいや君ノンデリっぽいし。
手前の子たち、他のコマの子もそうですが、こちらも何度か見かけた顔ですね。ちょっと具体的には思い出せないのですが……。昔のインタビューなどを読むと、こういう本筋に絡まないところのモブの子は作画のニコ先生が独自に裏設定与えたりしていたのを拾ったりしているとか?
ネモもそういうところから生まれてきたキャラだそうなのでペア作家ならではのキャラの作り込みですが、今もそうしているならこの子達もそういう半昇格組なのかもしれませんね。”いつもの場所”にやってきた智貴
文化祭中いつも誰かに絡まれていた智貴でしたが、前回の記念撮影後、ついに一人になることを選択した様子。が、しかしそこには体育倉庫などで何度か姉の前でいちゃついていたカップルが……。今回本編の通りいつもの取巻きたちはそれぞれクラッシュしたような状態だし、紗弥加もいい加減歩けなくなって朱里も介護に追われてそうなので、その隙をついた格好でしょうかね。こみさんは知らんけど、黒木母に付き添ってそう。
それにしても、智貴が来るのはやはりここなんですよね。姉から相続した場所。
ここ、智貴は必ずしも”一人になりたいから”来ているわけではないはずです。なぜならそこにサチがいても、ほかへ行かずに同席を選んだ。喪199でサチがケーキにろうそく刺していた同じようなところがすぐ近くにあるにも関わらず。”唯一ただそのコンクリベンチ(?)”であることが一人になりたいことよりも優先度が高いのです。彼自身自覚してはいないでしょうが、姉ちゃんに守られている気分になれる場所……なのでしょうね、きっと。体育館で指示出しする涌井さんを見る今江先輩たち。
これは本編見ると明確に”今”ではない様子ですね。ここまでにはこういった状況になれるタイミングがなかったと思われるので、中編以降のどこかになるのでしょう。後夜祭の準備中でしょうね。
しかしこう見ると涌井さん、今江さんに比べるとあんまり自分の手を動かしてるシーンは文化祭中はないんですよね……。表での活躍はあるんですが、指図するだけで裏方にはならないというか。もちろん画面外ではやっている可能性ありますが、やはり意図的な演出をちょっと感じます。……ちょっと色眼鏡で見過ぎかもですが。もっともトップは指示するのが仕事なので、あまり手を動かされても考えものですけれどね。門で談笑するオギーと1年担任
恐らく、あの黒木があんなに文化祭を楽しむようになるなんて思わなかったよ、とかそういったことでも話しているのではないでしょうか。1年担任の先生、EQ高めで謹慎のときでも未だに気にかけていたらしい様子でしたしね。いや、実は付き合ってるとかでも全然アリだと思いますけど!1年のクラスメイト男子
なんと懐かしいキャラでしょうか。智子といっしょにビラを切っていた陰キャめの男子二人。陰のままではあるものの、彼らも彼らなりに文化祭を楽しんでいる様子ですね。
この二人の参加が切欠で智子がケガをし、そして今江さんと出会った……。そう考えると、大きな役割を果たしていたのかもしれません。西川くんの凱旋
どうやら男の娘コンは順当に西川くんが勝ったらしく、ちゃんとした感じのトロフィーに花までもらっています。ピースも忘れないガチ勢っぷり、やはり本物を感じさせますね……。3-4コーヒーカップ
うっちー宮ちゃん楓かよ
凪ナツ
ノリマキ
みんなこっちむいてるし、恐らく定員三名でかよの立ち位置が少し後ろっぽいので、これはおそらく終了後の記念撮影でしょう。
これも時系列的には少しあとの可能性がありそうです。見切れている画面外にひょっとするとサチもいるのかも……?
うっちー、もうちょっと笑おう?安藤(初芝)in漫研の展示
手に持っているのは……かろうじて漫研と読めます。部誌でしょうかね。
やはり画力の向上は目を見張るものがありそうです。初期から出ているモブの子ら。
雨の日髪の毛ボサボサになっちゃう子と、気になる男子アンドお節介系女友だち
もうステレオタイプのトライアングルですよね。(これで男子は女友達の方に惚れてたりしたらそれはもう……)
きっとつきあってるまではまだいってないんじゃないでしょうか。初々しい感じがこの一コマでぎゅっと凝縮されていてグッド。
そしてそこに見切れる我らが智子……。
そんな3人を見ている……ようにも見えますが、この次の話への移動中だとすると、違うのかも……。
モブ、本編中もちょくちょく見切れては彼らのストーリーの断片を見せてくれていましたが、そういう、群像劇のさらに外側にある人生を示唆されると、決して一人の人を中心にまわっているセカイ系ではない世界観が認識されて私は好きです。(セカイ系がダメっていう意味じゃないですよ、念の為……作品哲学に沿った描写、的な意味です)
イタみ
さて本編に入っていきます。
ゆりちゃんに引っ張られてたどり着いたらしき場所、そこは奇しくも”智子の場所”の一つでした。ゆりちゃんとここに来たことは……たしかなかったはずですが、他の人を避けられる場所に智子に案内させた……のかも?
全く悪びれずに開き直るネモのセリフから察するに、あの目撃からすぐに「根元さん、ちょっと……智子もついてきて」という具合で連行した、といったところでしょうか。
智子といっしょにいた明日香が来ていないのが気になるところですが……ネモあたりが「ごめん、ちょっと出てくるね!加藤さんはお客さんの対応をお願い」、とかかな?加藤さんに知れるとガン詰め待ったなしなので、ゆりちゃんの優しさなのかも。ただ文化祭中の引っ張っても剥がれなさそうだった明日香だと、壊れちゃった智ちゃんの面倒をみようと無理にでもついてきそうな気もするんですが……。
冷静というか引き気味のゆりちゃんがシビアに状況を判断しますが、普段ならビシッと言ってくれる智子は崩壊したまま。おかげで珍しくしっかりした感じのゆりちゃんが見られました。映画撮影やなんやかやを通して、ゆりちゃんも徐々に自律性を取り戻してきた様子がありますよね。一時期は5歳児かってくらい依存してましたが……もう置物のほうがマシ、だなんていわせないぞ。特にネモ相手は、自分の家に泊めたことも効いてるんでしょうね。智子を介してのつながりに過ぎなかった二人が、随分”三人一組”という風格が出てきた気がします。いや……三馬鹿の方が正しいか?
ゆりちゃんの想像での吉田さんがひどい。ネモと吉田さんは中庭くらいでほとんど絡みがないですが、こうやって描かれると相性は良さそうなような、ダメそうなような……。そして想像でも見てるだけのゆりちゃん、2年の頃の智子〆に重ねているんでしょうかね。もうあのころの智子と同じくらいダメなヤツ認定したってことか、根元さんのこと。
しれっとクロを共犯として説明する根元さん。この野郎!
ていうかずっと目がキマっちゃっててなんかこわいよ、口角もあがりっぱなしで、話が通じなさそうな人になっちゃってる。頭の中が”アニメみたいな青春”で埋め尽くされて完全に演ることしか考えられなくなっているのが言葉にも如実に現れてますね。これにはゆりちゃんもスン。
そして叩いてくれても、に食い気味のゆりドン。叩いて直そうとしている……。喪200のパウンドの再現とばかりの鉄槌連打ですが、はたから見ると肩叩きみたいでちょっとおもしろい絵面。
でも、”うまく演る”をやってた頃のネモに比べれば、なんていきいきとしていることか。幸せそうで顔はほころんじゃいますね。どっち転んでも”演る”姿に落ち着くのは筋金入りの役者といったところ。
そうはいっても、ネモがそんなことするまでもなく、十分いい思い出は残せてたと思いますけどね。とはいえ、心残りにはなっていたんじゃないかとも思うので、結局のところ、反省さえすればむしろファインプレーだったと言えることでしょう。
……それにしても智子、最後まで崩壊したまま。いやぁ予想以上にショック受けてますね……本人以上か?弟のラブシーンとかNTR以上とか言ってたし。劇のときはピークも尾の引き方もここまでじゃなかったのに。相手か?それともやっぱりベロか?マンガじゃわかりにくいけど実は相当長くキスしてたのか?これはもう王子様のキスがないと目がさめないのでは?
性欲減退
呆然とする吉田さんを嘲笑うサチですが、そうやってより強くダメージを負ってそうな人を探して自分の受けたショックをごまかそうとしてる感がありますねこれは。ネタと割り切れるのはミドルカーストとしての経験値か。一方の吉田さんはほとんど交流を絶って暮らしてきたので、そういう悪ノリみたいなのに関する知識もあまりなさそうです。……それにしてもあのシーンのサチの顔はすごかったよな……何度でも見返したい。
サチがシミュレートするまこっちの満面の笑顔がステキですね。ここまでなるかはともかく、実際見たら彼女は内心喜んじゃうでしょうね。またなにか目がないことを示唆するようなうまいセリフを投げつけて、慰めるように追い打ちすることでしょう。それを思いつけるサチは、解像度が高い、のであっているのかどうなのか……?
んで結局思い出したら気分が高揚してしまうサチ。めちゃくちゃエロい口元のドアップ……。
同性のキスを思って興奮していましたが、親友の登場に鎮火。……なんですけれど……これ口元見てますよねえ。ゼッタイ小陽ちゃんとのキスを想像してると思うんですが……すん、に至るまでの脳内が気になるところですね!
それにしても小陽ちゃんの目はキラキラしてるな。なんでこの環境でそんなに澄んだ目をできるんだ……。やはりガキなのか。
茉咲お姉ちゃん
不良のお姉ちゃんに共感するらしききーちゃん、きーちゃんなのでわかりにくいですが、これ、吉田さんと同じくらい呆然としているのかも?やっぱり彼女なりに衝撃は受けていたようですね。現場のときは真っ赤になってましたもんね。
小学生低学年のようなことを言い出す吉田さん。
それに対しほとんどテレパシーレベルでアイコンタクトする杏奈さんと麗奈。合わせたうえで煽りに行くストロングスタイル。
他方、変な扉が開いてしまった今江先輩。こちらも無茶苦茶なフォローを入れてきやがります。今江さん、まこっちの上位互換みたいな優等生タイプですからね、やはりこういうピュアな不良のギャップは魅力しか無いということか。思えば智子のこともですし、野に咲く花への庇護欲が非常に強い様子。なにかの間違いでホストとかダメンズとかにハマらないように気を付けてほしい。
最後にきーちゃんが謎のフォロー。そのレイヤーでフォロー入れてもしょうがないのよ。というか吉田さん、一つだけ正しい事実のこれには、それは知ってる、って判定いれられるってことは、ほかは何だと思ってるんだ。
吉田さん、いくらなんでも……と思うものの授業サボりまくってるから保体もすっぽかしてそうで、ヤンキーしか情報源がなさそうだけどあの二人もこの反応ならそういう話吉田さんにはあえてはしてなさそうで……あながちガチでもおかしくないのが怖い。さすがに危なっかしいぞ。
と今回はここまで。8Pですね。
本数は3本、実際のページ数もそれほどでもありませんが、表紙を含めると実量以上のボリューミーな印象でしたね。
今回の話は全体的に、喪231,2の事件のクロージング、といった位置づけだったように思います。
ひとまずネモの処刑もこっそりと執行され、加藤さんによる真の処刑は回避されたようで安心。ネモ、わかってないだろうけどゆりちゃんにお礼を言ったほうがいいよ。
伏線も回収し、サチたちも教室へ戻ることが示唆された状況、そして前回の黒木母の動向を踏まえると、やはり後編にかけて最後の映画上映が来る、というのが鉄板予想でしょうか。
ひょっとしたら、いつもの場所がなくなっていた弟も3-5に来て、メインキャラ全員集合、の可能性もあるのかも。ただそこで再開しても中途半端だし、今江さんたちだけは体育館に向かう、ってことかな?
そういえば、結局きーちゃんは二日目雫と遊んでなさそうですね。せっかくクラスメイトと打ち解けてきたところだし、連れて行かないほうが良い、という判断なのかも。(実のところ一緒に周りたいってのはそんなにないでしょうしね……)
ともあれ、強いけど空気としてはおとなしめなネタが続いたことで、逆に後編にかけての盛り上がりの予感です。
打ち上げもあるでしょうしまだしばらくは続きそうに思われますが、とはいってもやっぱり、終わりが来ます。読者としてもやはり寂しいものですが、ネモの暴走は、それに焦ったところもあるんでしょうか。
文化祭が終われば、あとは受験に向けてまっしぐら。そして、その間にあるクリスマスイベントは100%ではなくても消化済み。純粋な日常回というのは、3年になってからはほとんど無いですからね。そうなると、黒木智子の高校生活も、もうゴールが視界に入ってきます。
そして次回は7/10。また少し空きますね。
27巻の発売も近く、特典作業が始まるとのこと。また書店へ行かなければ……!
ではまた次回!

