高市総理が買春処罰を検討指示〜タイ人少女事件が動かした政治〜
11月8日、私はタイから来日した12歳少女の人身取引事件について書きました。その3日後、予算委員会で動きがありました。
3日後に動いた政治
台所で寝泊まりさせられ、約60人の客を相手にさせられた少女。あの記事で私は「供給側だけでなく、需要側も犯罪者」「利用客全員を特定し、児童買春で立件すべき」と主張しました。
11月11日の衆議院予算委員会。有志の会の緒方林太郎議員が高市総理に問いかけます。
「売春の相手方を罰する可能性について検討するよう、法務大臣に指示を出していただきたい」
高市総理はその場で即答しました。
「買春に係る規制の在り方について、必要な検討を行うことを法務大臣に指示します」
すぐ後ろにいた平口洋法務大臣も応じます。
「売春防止法を所管する法務省において、近時の社会情勢などを踏まえ、売買春に係る規制の在り方について必要な検討を行ってまいります」
総理が委員会の場で大臣に直接指示を出すのは極めて異例です。スピード対応として報じられ、SNS上では驚きと賛否が交錯しました。
世論が後押しした決断
Yahoo!ニュースのコメント欄には、圧倒的な支持が並んでいます。
「共感した」が1万7千、5千、4千。「今まで手をつけられなかった問題にすぐ反応してくれた」「たとえ出来レースでも姿勢を認めるべき」という声が相次ぎました。
タイ人少女の事件への言及が目立ちます。
「12歳の子供にこんなことをさせていると聞いて、本当に気持ち悪いという嫌悪感と日本人として恥ずかしく尊厳をへし折られた気持ちになりました」
「母親に連れてこられたタイの12歳を何人もの日本人が買ったという絶対に許されない事件。この12歳はこんなことはしたくない故郷に帰りたいと苦しんでいた完全な被害者だ」
被害者保護への強い思いが、世論を動かしています。
現行法が抱える矛盾
現在の売春防止法は1956年に制定されました。約70年前の法律です。
売る側は「勧誘」「場所提供」などで処罰されます。一方、買う側は18歳未満の場合を除き、原則として処罰されません。成人間の買春では、「買う側」が罰せられないのです。
定義にも問題があります。「売春」は性交のみを指し、口腔性交や類似行為は含まれていません。児童買春では性交類似行為も含まれるのに、成人間では含まれない。この矛盾をどう説明するのでしょうか。
国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ副理事長の伊藤和子弁護士は、Yahoo!ニュースのコメント欄でこう指摘しています。
「北欧諸国やフランス等では、買う側こそが経済的優位を背景に性暴力・性搾取を行っているととらえ、買春を違法化することで需要を抑制するアプローチを採用しています」
売る側と買う側に対等性がない。権力的関係の本質を見据えるべきだ、と伊藤弁護士は言います。
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