鰻には釣られない
皆さん、26日は土用の丑の日でしたね。鰻は食べましたか?
私はもうすぐ食べる予定です。鰻は大好きなんです。
昔、勤めてた会社で毎年富士登山をしていたのですが、しんどいのでイヤでイヤでしょうがありませんでした。唯一、下山後に全員で御殿場の料亭で食べる鰻、あれがなかったら耐えられなかったでしょう。鰻があるから頑張れたのです。
うちは毎月第一日曜日に私の母親と食事会をしているのですが、8月は母の希望で鰻と決まっています。
先日、いつも行く店の前を通ったのでなんとなくお品書きを見たのですが、驚愕を受けました。
去年より1000円くらい値上がりしていたのです。一瞬ランクを間違えたのかなと思いました。いつもうな重の「上」を注文していたのですが、並が今までの上の値段になっており、上は特上に、そして特上は・・・もともと食べることが無いのでチェックもしませんでした。😅
おそるべし物価上昇。それでも年に一回、この時期にしか食べないので、まぁしょうがねぇかと観念しました。そのかわり普段の倍の時間をかけてスローモーションで味わおうと思います。
上記の埋め込み記事の時代の会社を退職する時、結構強めに慰留されました。そのとき先輩3人と私の合計4人で馬喰町の丸文という有名な鰻屋さんに行きました。普段自力ではとても食べられないような高級店なので、私の心は踊りまくりです。
座敷の部屋に通され、大きなテーブルの向こう側に先輩3人、こっち側は私一人という、ほぼほぼ刑事からの尋問に近いようなスタイルで始まりました。
「なんで辞めるんだ」
(鰻早く来ないかな)
「思いとどまれ」
(鰻早く食べたいな)
「俺達と一緒に頑張ろうぜ」
(鰻遅いな)
鰻が食べた過ぎて先輩方の説得が全く頭に入ってきません。
そうこうしてると鰻が運ばれてきました。
うな重と、なんと単品で白焼きもありました。白焼きなんて食べたことが無かったので、もう完全に意識はそっちに行ってしまい、何を言われても右から左に通り抜けていってしまいます。
でも、先輩が3人もわざわざこんな私のために時間を割いて慰留してくれてるのです。そう考えると、鰻のことばかり気にするのは失礼だと思いました。先輩は真剣な表情でイロイロ私の今後について心配してくれています。
でもふと思いました。私はもうその時点で次に行く会社は決まっていたのですが、仮にここで私が翻意し、「やっぱり会社を辞めません」と言った場合、末代まで「コアラは鰻につられて気が変わった」とイジられ続けるのではないかと思いました。
私の意思は固く、たかが鰻くらいで考えを変えることは無い!
だがありがたく食べさせてはいただきます!
私はうな重を食べました。今まで食べてきた鰻はもしかしてうなぎパイだったのかと思うくらい美味しい鰻でした。白焼きも食べました。ワサビを付けて食べるのです。(鰻にワサビだと・・・?しゃれてるじゃねぇか。なんだよ貴族かよ)感動です。
でも普通にうな重のほうが美味しく感じました。若気の至りでしょうか。もちろん白焼きも全部食べましたが。
その後も説得は続きましたが、わたしは鰻のようにのらりくらりとかわし続けました。最後は店の前で解散、私は先輩方に深々と礼をして帰途につきました。
まてよ・・・ここで一度考えをあらためて一旦退職をやめ、1年後にまた辞めると言い出せば、もう一度この店に来れるかもしれないな・・・
そんなことがふと頭をよぎりましたが、もちろんそんなことはしませんでした。蒲焼のタレじゃあるまいし、人生はそんなに甘くは無いのです。
最期に皆さま、ただ鰻を食べただけの話を1500文字も読んでいただき、誠にありがとうございます。感謝申し上げます。
おわり
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