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改善のレベルを底上げしていきたい方へ【読書録】トヨタの問題解決

少し久しぶりになってしまった読書録。「トヨタの問題解決」を読んでの学びを残していきます。
トヨタ自動車とリクルートグループによって設立されたコンサルティング会社「OJTソリューションズ」が出版するトヨタ社員のメソッドが詰まった書籍。他にも「トヨタの片づけ」「トヨタの育て方」などシリーズ化されているうちの1冊です。

Kindle Unlimited対象にもなっており気になっていたのですが、先週の「採用を体系的に学ぶ会」で青田さんがお薦めされていたこともあり、読んでみました。


問題解決が重要な理由

トヨタでは、問題に気づくことや解決することが従業員の基本スキルとして位置付けられているといいます。
自分で問題を設定して解決する力は、決して機械化できない技術だからです。

また、トヨタの「問題解決の8ステップ」を踏んでいくと、何が問題であり、どんな対策をとれば問題が解決するかというプロセスが明確になります。

プロセスが明確になると横展開ができるようになり、相乗効果で改善のレベルを上げていくことができるのです。

「あるべき姿」を設定する

そもそも問題とは何か。
トヨタでは「あるべき姿」と「現状」のギャップと定義しています。

「あるべき姿」とは、目標や基準のこと。
そもそもこの「あるべき姿」を意識していないと問題が見えてこないため、まずは「あるべき姿」を設定することが問題解決において重要なプロセスとなります。

問題解決のレベル

問題解決にもレベルがあり、一つ解決して終わりではなく、新たな「あるべき姿」に向き合い続けることにより成果のレベルを上げ続けていくことができます。
トヨタの問題解決には大きく分けて3つの種類があります。

  • 発生型問題解決

  • 設定型問題解決

  • ビジョン指向型問題解決

発生型問題は、すでに存在している日々発生するような問題。
設定型問題解決は、より高い次元を目指すものです。
現状では「あるべき姿」を満たしていても、より高い次元を目指すために意図的にギャップを作り出していきます。
ビジョン指向型問題解決は中長期的な視野を持って世界情勢など大きな視点から「あるべき姿」を設定していきます。

それぞれの立場によって取り組むべき問題解決の種類は異なってきますが、ノウハウ自体は同じであるため発生型問題解決や設定型問題解決を繰り返し行うことにより、ビジョン指向型問題解決の力も自然と身についていきます。

問題解決の8ステップ

トヨタでは、基本的に8つのステップをベースにして問題を解決していきます。

1.問題を明確にする
2.現状を把握する
3.目標を設定する
4.真因を考え抜く
5.対策計画を立てる
6.対策を実施する
7.効果を確認する
8.成果を定着させる

勘や経験に頼っていると、一見問題がなくなったように見えても根幹は放置されたままになりがちです。
上記のステップに基づき、客観的なデータや数字などに基づいて倫理的に思考や分析をすることにより、効率的に問題を解決することができます。

問題ありきで考えてはいけない

上記8ステップの中でも「問題を明確にする」「現状を把握する」は非常に重要なステップです。
ところが、これらのステップを飛ばして問題ありきで問題解決に取り組んでしまうケースがあります。「問題ありき」で問題解決を進めてしまうと、本当に解決すべき問題ではないことに手をつけてしまい、成果が上がらないことになりかねません。
また、「やりたいこと」ではなく「やるべきこと」に焦点を合わせることも注意しておきたいポイントです。

トヨタで重要視されている「三現主義」の考え方

トヨタでは「現地・現物・現実」の「現場を見ることで真実が見える」という考え方を重要視しており、問題解決の際もこの考え方を徹底しています。

工場の仕事のように作業の工程がはっきりしていないオフィスワークでも、仕事のプロセスを明確にすることにより、問題が見えてくることがあります。問題を見つけるためにはまずは現状を明らかにしていく必要があります。

真因を考え抜く

問題が大きくなるほど、たくさんの要因が出てきます。
その中でも真因を追求し、抜本的な解決を図ることが大事とされています。
そのために「なぜを5回繰り返す」ことがトヨタの文化だといいます。
問題解決に慣れていないと、真因に達していない時点で「これが真因だ」と決めつけてしまうことがあるため、しつこいほどに「なぜ」を繰り返すことを徹底しているそうです。

ただし、単純に繰り返せばいいというものではありません。感覚的なものになっていないか注意が必要で、事実ベースで考える必要があります。
例えば、下記のようなパターンです。

①「他の従業員はショールームを案内したことがない」
↓なぜ
②「誰でも案内できるようになっていない」
↓なぜ
③「案内できる手順書がない」
↓なぜ
④「上長である課長は手順書がなくてもいいと思っている」
↓なぜ
⑤「社長が課長に一任している」
↓なぜ
⑥「社長の経営姿勢が悪い」

上記パターンでいくと③が真因であることにも関わらず、④から先は感覚的なものになってしまっています。
このように考えてしまうと対策として社長を交代しないと解決しないことになってしまいます。

真因を考える上では他にも、「これならできそう」から選ばないこと、他責にしないこと、人の「意識」や「意欲」に結びつけないことなどの注意が必要です。

なお、問題と真因との間にある思考のプロセスを埋めることによって、「この対策をとれば問題が解決する」と腹落ちすることができます。
メンバーから上司への提案や、人事から現場への提案など自分以外の方に協力を得たい際には現在起こっている問題とその真因またどのようなプロセスが必要なのか丁寧に落とし込んでいく必要があると感じました。

失敗という結果も一つの成果になる

問題解決のステップで大事なことは、まずは成果を出すことを考えて能動的に行動することだといいます。
受動的な仕事をしていたら、失敗はしないかもしれませんがなかなか成果も出ません。
失敗は、問題がある証拠と捉えることもでき、「失敗という結果を得られること」も成果だといいます。
失敗しても、結果が出るまでやり抜くことが大事なのです。

目標を達成できても問題が解決しなければ意味がない

掲げた目標を達成することで満足してはいけません。
目標に対する効果を評価することが大事です。
なお、対策の効果が見られなかった場合は真因が間違っていた可能性があるため、真因を見極めることからやり直す必要があります。
それでもうまくいかない場合はデータ不足で問題の絞り込みがうまくいっていない可能性があるため、問題を明確にすること・現状を把握することからやり直す必要があります。

標準化したプロセスは全体の底上げにつながる

結果だけではなく、プロセスも振り返りが必要です。
トヨタでは、必然性と継続性を重要視しており「誰がやっても同じ結果になるか」は高く評価されるポイントになります。

このような成功のプロセスを「しくみ」として定着することをトヨタでは「標準化」と呼んでいます。
標準化したプロセスを他の部署に展開するなど積極的にオープンにすることで会社や組織全体の力を底上げすることができるのです。

本当の正念場は、問題解決が成功し、プロジェクトチームが解散したあとです。普段の業務をしている職場で、その問題解決のプロセスを再現し、横展開ができて、はじめて100点満点と言えるのです

また、一つ問題を解決したところで満足せず、継続的に改善できることも仕組みを作る上で大事なポイント。
「1つの改善の成功は、新たな改善のスタート」。
改善を進めていくことにより、成果のレベルを上げ続けることができ、本書では「問題解決に終わりはない」と語られています。

本書からの学びをもとに、問題の真因を見つけ出し、継続して改善できる仕組みを増やしていけるように日々精進してまいります!

なお、私が所属しているWHOMでは採用に関する問題解決のご支援を行っております。
1人で解決しない場合はプロの力を借りることも手段のひとつ。気軽にお問い合わせください!

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