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『モッツァレラのその先へ。南イタリアが誇る燻製チーズ、プローヴォラ』

日本でも報道されているとおり、猛暑続きの欧州です。このようなときは、できるだけ食事の準備に火を使いたくなく、どうしても冷たいものを食べたくなります。真っ先に思い浮かぶのは、日本でもおなじみのカプレーゼ(モッツァレラチーズ、トマト、バジリコ)、それからフリセッラ(固いパンを水で戻し、トマトとバジルをのせる)。そこにハムやサラミ類、数種類のチーズを出せば、イタリアの夏の食卓はもう完成です。

王道カプレーゼ
フリセッラ

さて、王道のカプレーゼにはモッツアレラチーズがかかせませんが、その親戚にあたるのが『プローヴォラ/Provola』チーズです。
プローヴォラは、約400年前に南イタリア・カンパニア州で生まれた 『パスタ・フィラータ/Pasta filata』 系のチーズのひとつで、高温で練り上げて伸ばし、成形するという特徴的な製法はモッツァレラと共通しています。その後、短期間熟成させて燻製することで保存性を高める方法が修道院や農家で広く行われていたと言われています。現在でも、カンパニア、シチリア、カラブリア、プーリア、モリーゼなど南イタリア全域で作られています。 

左側がプローヴォラ

このチーズが本領を発揮するのは、やはり加熱料理です。
「美味しさが増す」というより、料理そのものの味わいを一段引き上げてくれると言ったほうが正確でしょう。よく溶けて伸びるのが特徴で、ピザ、ラザニア、オーブン料理との相性は抜群です。

パスタ・アル・フォルノ

わが家では、南イタリアの王道料理である 『パスタ・アル・フォルノ/Pasta al forno』『ニョッキ・アッラ・ソレンティーナ/Gnocchi alla sorrentina』 によく使います。もちろんモッツァレラでも作れますが、プローヴォラは少量でも燻製の香りが広がり、凝縮された味わいが料理をぐっと深くしてくれます

ニョッキ・アッラ・ソレンティーナ

モッツァレラを使うと水分が多く、仕上がりがやや軽くなる印象です。
もうひとつ、『モッツァレラ・アッフミカータ/Mozzarella affumicata』という、モッツァレラを軽く燻製したバージョンもあります。 用途や好みに合わせて使い分けるのが、いかにも南イタリアらしいスタイルと言えるでしょう。

モッツアレラ・アッフミカータ

この時期、火を使う調理を避けたいので、紹介したお料理は涼しくなってからですが、モッツアレラチーズより水分が少ないので、カットしてからパンに挟むだけで、海に行く際のお弁当にも便利です。
イタリアの海水浴場では、家族連れがフルーツやパニーノ、フリッタータ(具だくさんの卵焼き)を広げている光景がよく見られますが、まさに夏のイタリアの風景と言えるでしょう。

火を使わない食卓にも、プローヴォラの味わいがあれば、夏の暑さを乗り切る元気につながりそうですね。
 

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