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カエデと楓の物語2~生きる場所、生かされる場所

前話のあらすじ

 R18、18禁ですので非該当者は必ずご退室ください。
 下町の酒屋の一人娘、高橋楓(たかはしかえで)は、大卒後大手貿易商社に就職。24歳の時、素晴らしい上司井上正樹に職場不倫、その後の2年間のうちに縛られる女の悦びを覚えるが、彼の突然の海外転勤で解消、退職して家に戻る。そのむなしい気持ちをぶつけたのはMMORPG「白い砂漠」だった…

第2章 生きる場所、生かされる場所

 「白い砂漠」…まるで私の心象風景を言い表したような、ゲームには似つかわしくないようなタイトル。そのMMORPG※1に出会ったのは、退職してすぐ、苦しい夜の沼からはい出したくて、何でもいいから夢中になれるものを探していた時でした。

用語解説1 MMORPG
「白い砂漠」にハマる

 プレイする職は、当然のように「くのいち」の一択、それっぽい「カエデ」のネームで、見事にゲームにハマった私は、がむしゃらにその世界でいっぱしのアサシン(暗殺者)として伸していきました。やがて、「無法地帯」と言われていた、PKが許される特別なサーバー※2で、世界を荒らし回っていた殺戮者どもを返り討ちにして鉄槌を下す、そんなプレイに、何かやりがいのようなものを感じていったのです。

用語解説2 PKについて

 そうはいってもやつらも手練れ。仕掛けられて死亡する事も多く、その日も「うわ、やられる、ダメだ」と手元のマウスやキーボードを投げ出そうとした時、急に自分のキャラのHP※3がガンガン回復しだしました。みると私の後ろにかわいいヒーラーがいて、回復魔法をばしばし私にかけてくれていました。俄然優勢になった私は、ヤツを追い払うことができたのでした。いわゆる「辻ヒール」※4をしてくれたプレイヤーがいたのです。

用語解説3 HPとは
用語解説4 辻ヒールとは

 同じ彼女に、その後も何回か助けられた時、
「あ、ちょっと行くの待って!いつもありがとー 助かったよー、お礼が言いたくて」
思い切ってチャットを投げてみると
「あ、いえ、私こそへたくそでハラハラさせてすみませんー」
(お、返事が来た!)
「そんなー、生きてるのはあなたのおかげ。いつもあちこちで辻ヒールしてるの?」
「私、まだかけだしで、とにかくうまくなりたくて…」
(何と殊勝な…かわいい子)

 そんな感じで仲良くなり、もっとおしゃべりしたくなった私たちは、ゲーム世界の中の街にある冒険者酒場で会うことにしました。
 酒場の扉をくぐると、そこはむさくるしい雰囲気の中世のパブみたいなところ。

酒場に入ってみる

 しばらくして彼女、ゲームのネームでAKOちゃんがやってきました。
(アハハ、可愛すぎ。場て完全に浮いてるわ)

やってきたAKO

「こっちこっちー」
「あ、カエデさんだー」
 話を聞いているうちに、AKOはWAW(We Are the World)というギルドに所属し、このゲームのコンテンツのひとつAB(Alliance Battle~同盟戦)※5をメインにやっているとのこと。
「カエデさん、うちのギルド人手不足なんです。良かったら来てくれませんか?ギルド、楽しいよ。ABも面白いんですよ。5人でやるんですけど、メンバーが一人欠けちゃって…」

用語解説5 ABとは

(そこが私が生かされる場所、なのかもしれない)
 ふと、そんな直感がよぎりました。「歓迎される」という久しぶりの体験。私は、ほどなくメンバー入りし、WAWという新しい居心地のよい場所を見つけ、ABというステージを得たのでした。

(第3章に続く)乞うご期待!


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