内向的な人をナメた会社の末路。
私は内向的な性格。
世の中ではなぜか、外交的な人のほうが評価されがちな気がする。
私は日本に住んでいたとき、法律関係の会社で働いていた。手続きや書類作成が主な業務なのだが、それには法律の知識が必要になる。だから、勉強や情報収集することは大切で、私も仕事が終わると資格取得のため、学校に通っていた。
勤めていた会社は、法律事務所というよりもアウトソーシング企業という感じ。会社は短期間で急成長したこともあり、とにかく人手不足だった。ゆえに、無資格で未経験でも、どんどん採用をして人を増やしていった。
いわゆるベンチャー企業やつだ。
一方、教育体制は追いついておらず、現場の善意に依存している状態だった。新しく入社した人は、自分から聞きに行かないと教えてもらえない状況で、内向的で受け身な人にとって、すごくつらい環境だったと思う。
実務をやってきた身として、この仕事で一番大切な能力は、正確性と勤勉さだと思う。内向的な人は、じっくりと考えることが得意で、衝動的なミスが少ないから、この仕事には向いていると思う。
でも、教育体制が追いついていないせいで、そういった人から耐えられなくなり、退職していってしまうのだ。

また、これもベンチャー企業ではよくあることなのかもしれないが、離職率がすごく高い。入ってくる人が多い分、辞めていく人も多い。
しかも新しい人だけでなく、それなりの古株も大量に辞めていくので、教育する側がいなくなることも、体制が確立できないことの原因だった。
そんな離職率が高い状態を食い止めるため、上層部が考えた渾身の案が、
「社内レクリエーション」
レクリエーションと通してコミュニケーションを取ることで、社員の絆を深めよう!そうしたら退職も減るだろう!ってことらしい。
頭が悪すぎる発想だ。
それからは、社内レクリエーションを行うための施策チームまで作られた。施策チームの主な活動はこんな感じ。
★★施策チームの活動内容★★
・定期的な懇親会の計画
・月に一回以上の社内レクリエーション
・インスタグラムの更新
・お菓子やジュースの設置(有料)
・季節ごとの装飾(クリスマスツリーを出したりw)
・毎月の生活目標を掲げて、注意喚起を促す。
・風紀を保つため、服装や髪色、机の上のチェック。
こんなことをやっても離職率が下るわけがない。
「月に一回以上の社内レクリエーション」が一番うっとうしくて、ただでさえ業務過多で神経がすり減っているというのに、さらにそこに燃料を投下してイラつかせてくる厄介なイベントだ。
なかでも、群を抜いて香ばしいのが、不定期でやってくる「色レク」。
施策チームが「明日は色レクの日です。テーマカラーは黄色です。」と言えば、翌日のコーディネートのどこかに黄色を入れて出勤しなければならない。どうやら、社内の一体感を高めて頑張ろうという算段らしい。
いや、何その意味不明な士気の上げ方。もはや新手のスピリチュアルのようだ。
ビジネスとスピリチュアルは対極にあるものだと思っていたけど、まさか融合するとは。ちなみに、私は心の中で「社畜ドレスコードの日」と名付けていた。

確かに、退職理由で上位にランクインするものとして「上司や同僚との人間関係」がある。レクリエーションをすることで心の距離が近づき、業務でも円滑なコミュニケーションが取れるようになるといったメリットはあると思う。
でもまずは、教育体制の確立やそれによる業務負担の偏りを改善することが優先なのではないか。必死に仕事を裁いている現場からしたら「そんなくだらない企画を考えている時間と予算があるなら、早くマニュアルを作って、業務改善してよ」と思うのは当たり前の話だ。
しかも、所長(その支店でトップの人)は、こういったレクリエーションを率先してやる外交的な人間が好きで、露骨に贔屓する。それは、所長自身も「自分の支店ではこんな取り組みをしています」と社長にアピールしやすいからだろう。
そういったズレている価値観や会社の評価基準に嫌気が刺した私は「この会社は根本的な課題を解決する気がゼロなんだな、もうどれだけ言っても無駄だな」と見切りをつけ、退職することを選択した。

私が退職して5年経つが、おかげさまで企業の口コミサイトでは散々な書かれようだ。グーグルマップのレビューも★1で、クライアントの従業員様から「星一つも付けたくないです」と何件も書き込みがあり、思わず爆笑してしまった。

口コミはリセットされたはずなのに、このありさま。
外交的な人は、一見わかりやすく、アピールも上手い。だから評価されやすいだろう。
だが、会社という組織はそれだけで回っているわけではない。スポットライトを浴びる人の裏では、じっくりと深く考え、ミスなく正確に実務を積み上げている「内向的な人たち」がいることを忘れてはならない。
本当の意味で仕事の成果やクオリティを担保しているのは、誰なのか。パフォーマンスは下手かもしれないが、真面目に泥臭く頑張っている人こそが、正当に評価されるべき世界であってほしいと思う。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次の記事もお楽しみに( :ᘌ ꇤ )Э

