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Windowsしか使ったことない事務員MacBook Airを渡される


レポート用紙とボールペンの人

うちの会社では、コンサルさんによるAI講習を受けています。会場は2階のミーティングルーム。みんなノートPCを開く中、私だけ持ち物が違いました。

レポート用紙(上にノリがついてて、ピリピリ破れるやつ)と、ボールペン。

私のデスクにあるのはWindowsのデスクトップで、名刺用の古い手差し印刷機につながっています。当然、2階には持っていけません。というわけで私は毎回、AIの講習を紙とペンで受けていました。よく考えたらすごい構図です。

ある日、コンサルさんが言いました。「実際にPCの画面で説明してみてください」

……私の手元には、レポート用紙とボールペンがあります。

それに気づいたコンサルさんは笑い、その場にいた社長に言いました。「豊田さんにノートPCあげたほうがいいですよ。AI界隈のエンジニアはだいたいMacを使ってますから、MacBookがいいんじゃないですか」

顔から火が出そうでした。が、心の中では別の炎が上がっていました。(え、MacBook使わせてもらえるの?)——実は私、ガジェットが好きなんです。ちょうどMacBook Neoが出て、カラフルな新色が話題になっていた頃。「色も選ばせてくれるのかな。ピンクがいいな」と、笑われた5分後にはもう楽しみにしていました。

講習が終わってミーティングルームを出ると、社長が立っていました。手には15インチのMacBook Air。

「これ使う?」

え?もう?

色は黒でした。ピンクの夢は5分で散りましたが、不思議とがっかりしていません。MacBookが嬉しかったから。その日のうちに設定を済ませて、私のMac生活が始まりました。

つまずきは、無限にある

Windows歴しかない事務員がMacを触ると何が起きるか。記録として残しておきます。

controlキーの位置が違う。 これは今でもほぼ間違えます。仕事ではWindowsと並行で使っているので、指が毎回どっちのキーボードか確認せずに走り出す。気づくと画面に大文字が並んでいます。

deleteキーが、deleteの動きをしない。 キーボードには「delete」と刻印されたキーがあります。でも押すと消えるのはカーソルの左側——それ、Windowsで言うBackspaceの仕事です。じゃあカーソルの右側を消したいときは?正解は「fnを押しながらdelete」。1つのキーで2役と言えば聞こえはいいですが、私の指はまだ納得していません。

F7を押すと、Apple Musicが立ち上がる。 カタカナにしたくてF7を押す。カタカナにならない。代わりに、Apple Musicがぬっと立ち上がる。何これ??——MacのF7・F8は、初期設定だと曲送りや再生のボタンなんだそうです。ちなみに私のMacにはAppleアカウントを入れていないので、音楽は流れません。無言でアプリだけが開きます。カタカナにしたいだけなのに。長年の指の癖は、そう簡単には抜けません。

ちなみにこれ、後から解決策を知りました。システム設定のキーボードに「F1、F2などのキーを標準のファンクションキーとして使用」というスイッチがあって、これをオンにすればF7はちゃんとカタカナ変換になります。同じ悩みの方はぜひ。

……なんですが、私はまだオンにしていません。このスイッチ、オンにするとF列がまるごと「ただのファンクションキー」になるので、F10〜F12でワンタッチだった音量調整も道連れになるんです。先日、親睦会としてワールドカップの日本戦を、Macをミーティングルームのモニターにつないでみんなで観戦したとき、盛り上がりに合わせてキーボードですぐ音量をいじれるのが思いのほか便利で。カタカナ変換と音量を天秤にかけて、音量が勝ちました。というわけで私のMacは今日も、たまに無言でApple Musicを開きます。

打ってる途中で勝手に漢字になる。 ライブ変換というらしいです。頭いいなと思う反面、欲しい変換が出てこないまま確定してしまうこと、しばしば。

テンキーがない。 経理もやっている身には地味に辛い。実はMacBookと一緒にアクセサリー一式をもらっていて、その中にワイヤレスのテンキーもあるんですが、「せっかくノートPC一枚でスマートにやってるのに」という謎の意地で、使っていません。じゃあ数字だらけの経理資料はどうしているのかというと——ファイルはGoogleドライブに置いてあるので、昔からデスクにいる元・相棒のWindowsデスクトップから開いて、そっちで作っています。Macのためにテンキーは使わない、でもWindowsには頼る。意地の基準が、自分でもよく分かりません。

ショートカットが全然違う。 最初、スクショの撮り方すら分かりませんでした。Mac歴の長いデザイナーさんに「スクショってどうやるんですか?」と、PC初心者みたいな質問をする事務員(勤続年数はそこそこあります)。今はAIにショートカット一覧表を作ってもらって、表を横目に練習中です。

トラックパッドで指が足りない。 文字を選択しようとすると、パッドの端から端まで指を滑らせて、それでも足りなくて中指——第3の指が出動します。これ絶対、使い方間違ってるやつです。今日も指を攣りそうになりながら、文字を選択しています。

アクセサリー一式にはMagic Mouseも入っていました。表面を指で撫でるだけでカーソルがすーっと動くのには、ちょっと未来を感じます。ただ、総合的な使いやすさで言えば、長年連れ添ったエレコムのマウスには敵いません。ごめんなさい、Apple。

乗り越え方は「慣れ」しかない

じゃあどう乗り越えたのかというと——結論、慣れしかないと思っています。分からないことはClaude(AI)に聞いて、その都度なんとかする日々。Macの設定のことは、本当に何度も聞きました。

幸い、スマホはiPhoneでiPad miniも持っていたので、Apple自体が初めてというわけではなく、ハードルは思ったより高くありませんでした。

今はまだ、格闘中

使い始めて数ヶ月。まだまだ格闘中で、「若干慣れたかな」くらいの現在地です。ExcelもMacで頑張ろうとするんですが、ショートカットが違いすぎて、急いでいる日は結局Windowsに戻ってしまいます。

でも、この苦労、全然苦じゃないんです。

例えるなら昔のモンハンです。操作は複雑だし、お世辞にも親切とは言えない。でも、その不便さ・とっつきにくさも含めて、なんか好きで、気づけば夢中でやっている。あの感じ。今のモンハンはだいぶ快適になったけど、逆にちょっと物足りない——って言うと、分かる人には分かってもらえる気がします。私にとってMacは今、そういう存在です。

目標は、いつかスタバの窓際で、スマートに仕事をすること。今のところ、窓際どころか自分のデスクで指を攣りかけていますが、目標は高いほうがいいと言いますし。

そんな私のMac格闘記でした。ある日突然Macを渡された事務員さんの参考に……はならないかもしれませんが、「分かる」と思ってもらえたら嬉しいです。

会社のDXの本編は、ホームページの「DX奮闘記」に書いています。


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