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映画『Ghost Punisher SAKURA』感想|POVホラーのカオスがクセになる

作品リンク

以降ネタバレ有り


「新感覚POVホラー」という紹介から

映画『Ghost Punisher SAKURA』は、加藤小夏演じる主人公「サクラ」が呪われた者の除霊に挑む心霊ホラー作品であり、POV(主観映像)形式の映像で進行する新感覚ホラーとして作られている
ホラーものとしての固定概念を少しだけ逸脱した演出が特徴であった。

こうした「映像そのものから物語を膨らませていくタイプ」の映画は、「カメラを止めるな」などを始め いくつか存在するが、怖さだけを押し出すのではなく、撮影者の視点という不安感を大きく利用している点が本作の個性だと思った。
というか僕は これはホラーではないと思う。

ホラー?それとも別の味付け?

『Ghost Punisher SAKURA』は、飛び出す音やいわゆるジャンプスケア的な要素がところどころに差し込まれる。
しかし直球の恐怖演出でタイミングもわかりやすいため、怖いものが苦手な人でも身構えることができ、それほど強烈な恐怖を感じることはないだろう。個人的にはこれはこれで良いバランスだった。

登場人物が分かりにくいという混沌

作品を観ていて少し困ったのは、登場人物の名前や関係性がわかりにくい点である。
キャストとしては加藤小夏が「サクラ」役で出演していることが分かっているが、その他の登場人物の名前が覚えづらい。

ただ、それは作品の構造の一部でもある。
POV映像や手持ちカメラ映像中心という映像設計は、観る側に「自分もそこにいる」感覚を与えるものだからだ。
観客を混乱させる演出は、恐怖演出と同じくこの映画の一つの味であるとも言える。

サクラというキャラクター像

サクラが恋する先輩の設定は、物語の中でも重要な個人ドラマ的要素だ。
彼女はその先輩から帽子をもらい、嬉しそうにする。それを見て正直にショックを受けた自分がいた。
恋愛の感情はホラーというジャンルとも相まって、妙に生々しく感じられる瞬間だった。

加藤小夏の演技について

加藤小夏の演技はかわいらしさが全面に出ていて、彼女の強みである表情の豊かさが役にはまっている。
ただ、作品が2019年製作であることもあって、今とは違って演技にザラつきがあり、表情の切り替えがまだはっきりしていないと感じる部分もあった。
正直、コントラストの弱い表情管理は初々しくもあり、それゆえ独特の空気を生んでいた。

一方で、観ていて盛り上がったのが、感情を爆発させるシーンだ。
先輩に隠されていた彼女がいたことを知ったサクラが感情をぶつける場面は、演技としてかなり良かった。
正直、この映画で一番印象に残ったシーンの一つだ。

“唐突なダンス”

作品の流れの中で、唐突に加藤小夏がTikTokであるようなダンスをするシーンがある。
それがダンスサークルの設定によるものなのか、あるいは物語上の象徴的な意味合いなのかは分からないが、いきなり濃すぎて笑えるほどインパクトがあった。時間としては上映から27分前後であるのでぜひ見てほしい。
その後、ドロドロの関係性が明らかになる瞬間は、ホラーともギャグともつかない混沌とした味わいだった。

物語のおかしさと楽しさ

映画の展開自体も、恐怖を軸にしながらどこか奇妙な方向へ進んでいく。
霊術の扱いの唐突さ、除霊師が「結界を貼る」と言って一般人のはずのサクラも手伝う謎展開、そしてお化け退治の方法がダンスやシャベルという不可思議さ。
観ているうちに「もうわけが分からない。でも楽しい」という感覚に変わっていた。

これは、怖い映画を見るというよりも、「友達の映像研究部の作品を見に来た」ような気持ちで観るべき作品なのだろう。
ツッコミどころが多く、そこが逆に面白さにつながるタイプの映画だ。

クライマックスと“成長したサクラ”

クライマックスでは、精神世界やらビジュアル系バンドやらといった異様な展開が続く。
そして最後、サクラがシャベルでお化けを殴って倒し、「謝れ」と言う一言を放つ場面がある。成長したなぁ(白目)
もう何を書いているのかわからないが、実際にあったシーンのことなのだ。

正面からThe ホラーを取るのではなく、どこかズレた視点で物語を描くことで、かえっておもしろおかしく、味のある作品になっていた。

総括:怖さよりも“映像遊び”の面白さ

正直に言えば、この映画は純粋なホラー映画とは言い難い。
映像の粗さやキャラ名が分かりにくい点、物語の説明の飛躍は否めない。
だがそれこそが、この『Ghost Punisher SAKURA』の魅力でもある。

怖さを追求するというより、映像表現とツッコミどころを楽しむホラー寄りのエンターテインメント映画として観るのが正解だろう。
そして最後に「つづく」とあるので、次回作もどんな混沌が待っているのか、少しだけ見てみたいと思わせる作品だった。

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