解雇規制緩和について考える!
解雇規制緩和とは
解雇規制緩和とは、簡単に言うと、企業が、従業員を辞めさせやすくするということです。
辞めさせやすくしたら労働市場が活性化し、賃金が上がって、労働生産性も上がり、経済成長もする、という理論です。
現在、この理論が自由社会の常識として、一部でもてはやされています。
ですが、この理論は、かなり強い前提条件に依存しています。
労働市場が完全競争に近い
労働者が十分な交渉力を持つ
企業間で人材獲得競争が激しい
失業してもすぐ次の仕事が見つかる(安全網あり)
この条件がそろえば
「企業が賃金を上げないと人が来ない」
賃金上昇
というロジックになります。
これを見て、あなたは、素晴らし理論だと思うでしょうか?
実は、日本ではこの前提がほぼ成立していないのです。
現実には労働者サイドの交渉力は構造的に弱い!
経営者:
資本を持つ
雇う/切る判断権を持つ
情報・法務・交渉力を持つ
労働者:
生活がかかっている
代替可能性が高い
個人交渉が基本
この力の非対称性がある限り、
雇用の自由化=賃金上昇
にはなりにくく、むしろ
「辞めても代わりはいくらでもいる」
賃金抑制
が起きやすい状態になってます。
非正規雇用が示している「実証結果」
ここで、日本の現実を見てみましょう。
日本では、大きく分けて、正規雇用労働者と非正規雇用労働者という雇用条件で働いています。
非正規雇用のほうは、期間が決められていたり条件が緩くなってたりして、辞めさせられやすくなってます。つまり、雇用流動性が高いといえます。
その非正規雇用の賃金が上がっていないのです!
これは事実上の反証になっています。
非正規雇用は:
解雇・契約終了が容易
職種間移動も比較的自由
労働市場の「流動性」は高い
それでも
時給・年収は正規より低い
長期的な所得成長が弱い
景気回復期でも賃金が上がりにくい
つまり、この事は、流動性だけでは賃金は上がらないことを示しています。
本当の分岐点は「需要の強さ」
賃金が上がるかどうかを決めるのは
雇用制度ではなく、需要の厚み
です。
需要が弱い状態で雇用を自由化すると:
企業:人件費を下げたい
労働者:仕事を失いたくない
価格(賃金)は下に張り付く。
逆に、
需要が強く
稼働率が高く
企業の粗利が増えている
状態ではじめて、
「雇用の流動化」=賃金上昇の余地
が生まれるということです。
まとめ
解雇規制緩和の論点を一文でまとめると:
雇用の自由化は、労働者の交渉力と需要が強い場合にしか賃金上昇をもたらさない。
日本の現実では、むしろ賃金を下げる方向に働く可能性が高い。
そしてその根拠として
非正規雇用の実態がすでに答えを出している。
ということです。
次回から、もう少し、この馬鹿げた解雇規制について詳しく論じてみます!
