【自己紹介】SNSの「極端な育児論」に疲れた夫婦が、大学院での知見を総動員して論文を読み漁った話
はじめまして! このnoteを開いてくださり、本当にありがとうございます。
私は現在、手探りで0歳児の育児に奮闘している一人の親です。
毎日オムツを替えたり、終わりの見えない抱っこで部屋中をぐるぐる歩き回ったりスクワットをしながら、「これで合っているのかな」「ちゃんと育てられているのかな」と、分からないことだらけで迷ってばかりの毎日を送っています。
まずは、私がなぜこのnoteを書き始めたのか、そのきっかけからお話しさせてください。
1. 根拠の分からない「正反対の育児論」に途方に暮れていた日々
私が論文や学術研究のデータを調べるようになったきっかけは、「SNSで根拠がよく分からないまま、真っ二つに分かれる育児論」にものすごく悩んでしまったからでした。
夜泣き対応の合間、暗闇の中でスマホを開くと、タイムラインには毎日のように強い言葉が流れてきます。
「赤ちゃんの自立のためにも、絶対に早くからネントレをすべき!」
「泣かせるなんて言語道断! 愛着障害になるから絶対に添い寝すべき!」
「この月齢でこれをやらないと、将来の発達に手遅れになる!」
発信者によって言っていることがまるで正反対で、しかもどれも「これが絶対に正しい」という強い口調で語られている……。
「一体、どっちを信じればいいの?」
「何を根拠に言っているの?」
真面目に子どものことを考えようとすればするほど、矛盾する情報の板挟みになって途方に暮れていました。
「ネットの極端な意見に怯えるくらいなら、世界中の研究者たちが実際に調べた論文のデータを、自分の目で確かめてみよう」
あるときそう思い立ち、海外の文献や教育学・発達心理学の研究データを調べ始めたのが、私のエビデンス探しの始まりでした。
幸いなことに、私はもともと学術論文や調査データを集めて読むことを仕事でしていたため、文献の検索や統計データの解釈といった作業自体には慣れていました。
しかし、いざ我が子の育児となると、客観的になるのは難しく、ネットの強い言葉にすっかり翻弄されてしまっていたのです。
2. 論文を読んで分かった「科学のリアルな限界」
実際に世界中の論文を読み解いていくと、SNSの煽り文句に惑わされずに済む安心感が得られた一方で、もうひとつの、とても大切な事実に気づかされました。
それは、「科学や実験データにも、たくさんの『限界』がある」ということです。
「科学的根拠(エビデンス)がある」と聞くと、誰もが従うべき絶対的なルールのように思えてしまいますよね。しかし、研究の背景を丁寧に見ると、現実の子育てとはかけ離れた難しさがたくさんあります。
① 実験室と、私たちの「日常の暮らし」は全く違う
厳密にコントロールされた実験室の結果が、部屋の広さも家族のリズムもバラバラな「我が家の日常」にそのまま当てはまるとは限りません。
② 赤ちゃんを対象にした実験は、ものすごく難しい
赤ちゃんの機嫌や体調は毎日変わり、過度なストレスを与える実験は倫理的にも不可能です。大人の心理実験のような厳密さを保つこと自体が極めて困難です。
③ 親の「聞き取り報告」は、必ずしも客観的ではない
乳幼児の研究データの多くは、親へのアンケート(自己報告)に基づいています。睡眠不足でヘトヘトな親の記憶や記録には、どうしても主観や偏りが出やすくなります。
3. 科学を盲信せず、自分の暮らしに「都合よく落とし込む」
こうした研究の限界を知ったとき、私は「科学のデータだからといって、100%鵜呑みにして従う必要はないんだ」と、すごく心が軽くなりました。
科学とは、絶対的な真理ではなく、あくまで「現時点で分かっている、ひとつの暫定的な手がかり」にすぎません。
昔は天動説が主流だったけど、それは誤りだとわかって地動説が主流になっていますよね。こんな風に、科学は間違えます。完全な絶対的な真理への到達は難しいのです…
「論文通りにいかないうちの子はおかしいのかな」と思い込んでしまったら、科学さえも親を追い詰めるプレッシャーになってしまいます。
研究の限界も頭の片隅に置きながら、「極端な話を真に受けず、我が家の暮らしに都合よく使わせてもらおう」と肩の力を抜くこと。
科学は、親を縛りつけるルールブックではなく、「肩の力を抜くための便利なお守り」であるはずです。
4. このnoteで大切にしたい3つの約束
私自身、今でも毎日手探りで、SNSの投稿を見ては「えっ、これもダメなの!?」と焦ってしまうことがまだまだあります。
だからこそ、このnoteでは上から目線で正解を教えるのではなく、一人の親として論文に救われた知見を、同じように悩む仲間としてシェアしていきたいと思っています。
専門用語を使わず、日々の生活に使える言葉で翻訳する
研究の「良いところ」も「限界」も、フラットにお話しする
白黒つけず、ご家庭ごとの心地よさを何よりも尊重する
医療的な情報に関するお約束
育児や赤ちゃんの話には、どうしても医学的な要素が含まれることがあります。 このnoteでお話しする内容は、個人的に学術論文や研究知見を読み解いた記録・工夫の共有であり、医学的な正しさや安全性を保証するものではありません。 そのため、赤ちゃんの体重の増え方や発達、体調の異変など、医療的な判断が必要なときは、決してネットやこのnoteの情報だけで自己判断せず、迷わずかかりつけの小児科医や専門機関にご相談ください。
おわりに & 次回予告
育児には、誰にでも当てはまる唯一無二の「正解」は無いと思います。
100点満点を目指さず、科学の知見をお守りにしながら、子どもと一緒に笑える時間を少しでも増やしていけたら嬉しいです。
次回はさっそく、SNSで最も激しく意見が割れている「ネントレ(睡眠トレーニング)の賛否論争」を取り上げます。
「泣かせると愛着障害になる」という噂は本当なのか?
海外の大規模追跡調査は何と報告しているのか?
ネントレをする・しないに関わらず、親が罪悪感を手放すための判断軸とは?
論文データを紐解きながら、極端な言説に惑わされないための見極めポイントを分かりやすくお届けします。
公開予定
8月31日(月)朝
「SNSの情報に振り回されず、納得して育児をしたい」と思ってくださった方は、ぜひ右上の「フォロー」や記事への「スキ」を押して待っていただけると大きな励みになります!
温かいお茶でも飲みながら、ホッと息をつくような気持ちで読んでもらえたら嬉しいです。
