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信仰のはじまり|僕の部屋にやってきた、オレンジ色の本。

ある日、学校から帰ると家の中に「お兄さん」がいた。
近所に住むKさんというお兄さんで、お母さんとお父さんの知り合いなのだと説明を受けた。
「〇〇くんと勉強一緒にしてくれるんだって」というようなことを言われたのを覚えている。
高校3年生だというKさんは、とても優しそうで、かっこよく身長も高かった。
小学2年生の私は一目で好印象を抱いていたように記憶している。

違和感の無い、とても自然な流れで、私の宿題を一緒に見てくれるようになった。
狭い部屋の中、折り畳み机の上で算数の問題を教えてくれた。
当時、近所のそろばん塾に通っていた私は、算数が得意で、どんな計算もクラスでも誰よりも早かった。
そんな私をKさんも褒めてくれて、どんどんと会話も打ち解けていった。
正確な頻度までは思い出せないが、週に何回か遊びにきてくれるようになった。

「自分の相手をしてくれる優しいお兄さん」
一点の曇りもなくそう信じていた。
そのお兄さんが、ある日の宿題の後で鞄から一冊の本を出してくれた。
オレンジ色をした大きな本で、その表紙にはこう書かれていた。

「わたしの聖書物語の本」

 

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