初めてのアルバイト (番外編研究ノート)
○月☓日
先日、
コンビニで買い物をしていた。
普段はあまり行かないけど、
ちょっと用があった。
レジには、
たぶん高校生くらいかな、
と思う初々しい若者がいた。
夏休みだから、
アルバイトを始めたのかな。
そんなことを勝手に想像しながら、
なんとなく、
自分が初めてアルバイトを
した時のことを思い出した。
自分も高校生の頃、
初めてバイトをした。
たしか、
焼肉屋だったと思う。
なぜ焼肉屋だったのかは、
あまり覚えていない。
時給は
800円だった気がする。
ただ、
部活で
バスケットをやっていた。
それだけの理由で、
店長から、
「君はきっと視野が広い」
という、
今思えば
なかなか不思議な理論を
展開され、
ホール担当になった。
視野が広いから、
ホール。
なるほど…
……当時は、
よく分かっていなかった。
焼肉屋のお皿は、
重い。
そして、
熱い。
特にスープ系と
石焼きビビンバが
熱い。
網交換も熱い。
それを持って、
あっちへ行ったり、
こっちへ行ったり。
「結構、疲れるな」
と思っていた気がする。
一緒に働いている人も、
主婦の方がいたり、
大学生がいたり。
自分よりずっと年上の人もいれば、
少し先を歩いている人もいる。
なんとなく、
「これが社会って
いうものなのかな」
と思った記憶がある。
もちろん、
ミスもたくさんした。
注文を間違えたり、
いろいろ迷惑をかけたと思う。
それでも、
なんとか続けた。
そして、
初めて給料をもらった時は、
単純に嬉しかった。
自分が働いて、
その対価として
お金をもらう。
今思えば、
あれが最初の
「働く」
という感覚だったのかもしれない。
その後、
なぜ辞めたのかは、
もうよく覚えていない。
でも、
その後も
いろいろなバイトを経験した。
今の自分とは、
直接関係のない仕事も多かった。
でも、
あの時の経験が、
どこかで今の自分の
役に立っている気がする。
人と接すること。
時間を守ること。
失敗した時に謝ること。
仕事を頼まれたら、
どう動くか考えること。
いろいろな人と一緒に働くこと。
全部、
その時には分からなかった。
でも、
後から振り返ると、
ちゃんと残っている
気がする。
これは、
あくまで自分の持論だけれど、
若いうちに、
いろいろなバイトを経験するのも、
悪くないんじゃないかと思う。
もちろん、
無理をする必要はない。
でも、
学校の中だけでは出会わない人や、
違う価値観に触れられる。
そういう経験は、
きっと後になって、
どこかで役に立つ。
そんなことを考えながら、
コンビニを出た。
レジにいた若者に、
心の中で、
「頑張れ」
と無言のエールを送った。
……
でも、
今の自分が心配する必要は、
たぶんない。
あの頃の自分だって、
なんだかんだで、
ちゃんと大人になった。
中身は、
ほぼ変わっていなが…
もしかしたら、
自身の知らないところで、
誰かから
エールを
もらっていたのかもしれない。
どうやら、
初めてのアルバイトは、
その後の人生に、
思った以上に残るものらしい。
たぶん。
以上、研究ノートより。
