【決定版】予備校比較
予備校を選ぼうとして検索すると、比較記事が大量に出てきます。ただ、そのほとんどは申込リンクから報酬が発生する形で作られていて、順位が何で決まっているのかが読み取れません。
この記事は、各社の公式サイトだけを見て、書いてある数字をそのまま並べたものです。申込リンクは貼っていませんし、どこからも報酬を受け取っていません。
最初に、一つだけ数字を出します。2025年(令和7年)の司法試験に合格したのは1,581人です。一方、各社が公表している「自社の講座を受けた合格者数」を足すと、こうなります。
伊藤塾:1,432人
アガルートアカデミー:618人
加藤ゼミナール:446人
合計2,496人。合格者数1,581人の1.58倍です。
これは誰かが嘘をついているのではありません。同じ合格者が複数の予備校に数えられているだけです。ここを理解しないまま数字を比べても、意味のある比較にはなりません。この記事は、まずそこから始めます。
1. 合格実績の数字は、そのままでは比較できない
ここがこの記事で一番伝えたい部分です。
各社が出している数字は、そもそも種類が違う
冒頭の3社の数字は、実はそれぞれ意味が違います。公式サイトの注記どおりに書き出します。
伊藤塾:「合格占有率90.6%」
注記の原文はこうです。
2025年司法試験合格占有率90.6%(1,581名中1,432名)講座内訳:入門講座640名、講座・答練321名、模試471名
分母はその年の合格者全員(1,581人)です。伊藤塾の受講生が何人いて、そのうち何人受かったか、という数字ではありません。「合格者のうち、伊藤塾の講座を使った人が何割いたか」です。
伊藤塾はこれを「合格占有率」と正しく呼んでいます。用語としては正確です。
そして注目すべきは内訳です。1,432人のうち471人は「模試」です。つまり、模試だけを受けた人も分子に入っています。入門講座を受けた人は640人で、全体の4割ほどです。
アガルートアカデミー:「合格率39.1%」
注記の原文はこうです。
令和7年司法試験合格者数1,581名中618名がアガルートアカデミーの有料講座受講生
分母は伊藤塾とまったく同じ、その年の合格者全員(1,581人)です。構造は伊藤塾の「占有率」と同じものです。
にもかかわらず、アガルートはこれを「合格率」と呼んでいます。「アガルート受講生の合格率が39.1%」という意味ではありません。もしそういう意味なら、分母は受講生の人数でなければならないからです。
ここは、言葉の選び方が結果の見え方を変えている箇所です。「率」と書いてあっても、分母が何かを必ず確認してください。
加藤ゼミナール:「令和7年446名」
公式サイトの表記は「司法試験合格者(加藤ゼミナール有料講座受講生)令和7年446名 開校4年1124名」です。
加藤ゼミナールは率を出していません。合格者の実数だけです。開校からの推移も「110名(令和4年)→212名(令和5年)→356名(令和6年)→446名(令和7年)」と実数で示しています(合計1,124名で、公表の累計と一致します)。
率を出さない理由は、おそらく分母を公表していないからです。これはむしろ誠実な出し方とも言えます。率を作るには分母が要り、分母をどう定義するかで数字は動くからです。
だから合計すると人数を超える
3社の数字を足すと2,496人で、合格者1,581人の1.58倍になります。
これは矛盾ではありません。受験生は複数の予備校を併用するからです。入門講座は伊藤塾、答練はアガルート、直前の模試は辰已、というような使い方は普通にあります。その人は3社すべての実績に数えられます。
したがって、各社の合格者数を並べて「A社の方が多いから優れている」と読むことはできません。分かるのは「その社の講座に触れた合格者がどれくらいいたか」という接触率であって、教育の効果ではありません。
「合格率」を出している社の数字も、分母を見る
資格スクエアは、次の数字を出しています。
受験者全体の合格率3.6%に対し、資格スクエア受講生の合格率は21.7%で、全体合格率の6.03倍。
注記はこうです。
※1 法務省発表の令和4年~7年度の司法試験予備試験の平均最終合格率 ※2 資格スクエア予備試験講座受講生のうち令和4年~7年の平均最終合格率 ※受講生アンケートによる
最後の一行が重要です。「受講生アンケートによる」。つまり、この21.7%はアンケートに回答した人をもとにした数字です。回収率も回答者数も公表されていません。
一般に、アンケートには合格した人のほうが答えやすい傾向があります。分母が「全受講生」なのか「回答者」なのかで、この数字の意味はまったく変わります。そこがサイト上では確認できません。
なお、比較対象の3.6%(全体の合格率)は法務省発表の全受験者ベースです。予備校に通っていない人、記念受験の人まで含んだ数字です。「6倍」という比較は、母集団の性質が違うもの同士を並べています。
数字を出していない社もある
スタディング(STUDYing)は、司法試験・予備試験講座について合格者数も合格率も公表していません。
同社の全講座横断のページには「35,000名以上の合格者の声」という数字がありますが、これは全講座(宅建士・簿記・中小企業診断士など)の合計です。講座別の累計が並ぶ表にも、司法試験・予備試験だけは数字がありません。注記には「合格者調査にご協力いただけた合格報告者の人数です」とあります。
代わりに出しているのは満足度で、「コスパ満足度97.1%」などです。ただしその注記は「2022年9月13日~9月27日実施のスタディング『司法試験・予備試験講座』受講者アンケート結果に基づく(n=112)」。2022年の調査です。
辰已法律研究所も、合格者数・占有率といった集計数値を公表していません。代わりに公表しているのは「的中情報」で、「本年度も、辰已法律研究所の講座で取り上げたテーマ・論点から、司法試験で同様の内容が出題されました」として科目ごとの出題テーマを並べる形です。
LEC東京リーガルマインドについては、私の側で数字を確認できませんでした。合格実績のページは存在しますが、内容を正しく読み取れていません。未確認として扱います。
まとめると、公表スタイルは5つに分かれる

占有率型(伊藤塾):分母は合格者全員。「占有率」と正しく呼んでいる
占有率だが「率」と呼ぶ型(アガルート):分母は合格者全員。呼び方が実態とずれている
実数型(加藤ゼミナール):合格者数だけを出し、率は出さない
アンケート型(資格スクエア):率を出すが、分母がアンケート回答ベース
非公表型(スタディング、辰已):集計数値を出さない
どれが良い悪いではありません。種類が違うものを並べて比べてはいけない、というだけです。
2. 全体の地図:いま指導をしている事業者
「予備校」と一口に言っても、性格がまったく違うものが混ざっています。5つに分けると整理できます。
① 総合大手(校舎を持ち、全試験を扱う)
伊藤塾(株式会社法学館)
LEC東京リーガルマインド
辰已法律研究所
3社とも予備試験・司法試験・ロー入試のすべてに講座があります。通学の校舎を持ち、模試・答練を単科で売っているのが特徴です。辰已の通学校舎は東京本校・大阪本校の2つのみで、名古屋・京都・札幌・福岡は模試などの「会場」です。
② オンライン専業(校舎を持たない)
アガルートアカデミー(株式会社アガルート)
資格スクエア(株式会社資格スクエア。2026年1月に学研ホールディングスへ参画)
加藤ゼミナール(株式会社加藤ゼミナール)
スタディング(KIYOラーニング株式会社。東証グロース上場)
すべて収録講義のオンデマンド配信です。ライブ講義はありません。価格は総合大手より低く、スタディングは1桁違います。
③ プラットフォーム型
BEXA(ベクサ)(株式会社BEXA)
自社で講師を雇わず、独立した講師が各自の講座を出品する市場です。吉野勲氏の「司法試験道場」、中村充氏の「4S基礎講座」、伊藤たける氏の「憲法の流儀」、藤澤たてひと氏のロー入試講座などが、ここに集まっています。
「司法試験道場」を独立した予備校だと思っている人がいますが、BEXA上の講座です。単科で買えるので、特定の講師の講義だけ欲しいときの受け皿になっています。
④ 個別指導・添削に特化した小規模事業者
ここが近年増えている領域です。
柏谷メソッド(株式会社柏谷メソッド/弁護士 柏谷周希)── 予備試験 応用インプット講座330,000円、応用インプット・アウトプット講座660,000円(税込)。講師本人が直接添削
安田式合格実践塾(講師 安田貴行)── ベーシック(3ヶ月)429,000円、スタンダード100通(12ヶ月)1,333,200円、コンプリート無制限(24ヶ月)3,300,000円(税込)。40〜50代の社会人受験生を明示的な対象にしている
be a lawyer(株式会社be a lawyer)── 月謝制の個別指導 月33,000〜80,000円、過去問添削 予備試験3,850円/通・司法試験4,620円/通、学習相談11,000円/時間
スクール東京 ── 論文添削のみ5,500円/回、論文個別指導のみ19,000円/回、添削+個別指導24,500円/回(税込)。1回単位で買える
法匠アカデミー(弁護士 泉谷直亨) ── 個別指導専門。料金体系は未確認
STUDY FOR ALL ── 講師マッチング型。講師ごとに価格が違う(例:50分×14回で140,000円)。入会金・月額固定費なし
The Law School Times(LSTimes)(Legal Times, inc) ── ロー入試模試【東大ロー編】9,000円、予備論文の添削 1通3,800円・10通35,000円など
ココナラ ── 合格者個人が答案添削を出品している。予備校を通さない個人添削の主要な流通経路
この層の共通点は、パッケージを買わずに必要な分だけ買えることです。大手のコースが50万〜150万円であるのに対し、添削1通数千円から始められます。
⑤ 大学が内部に持っているもの
中央大学 法職講座/法職茗荷谷研究室 ── 大学が予備校機能を内製している国内最大級の例
中央大学 真法会 ── 1934年設立の学生研究団体(予備校ではありません)。入室試験の倍率は例年10倍超。外部の受験生が現在も答案練習会に参加できるかは確認できませんでした
日本大学法学部 司法科研究室 ── 新規登録無料、継続登録料は在学生3,000円/年、卒業生・他学部生30,000円/年。他大学の学生も有料で登録できる点で開放度が高い
立命館大学 エクステンションセンター 司法講座 ── 基礎講座 憲法9,000円・民法16,000円・刑法9,000円・商法4,000円、答案作成ゼミは無料。学内生限定
明治大学 法制研究所 ── 内容・価格とも未確認
在籍している大学にこの種の組織があるなら、まずそこを確認してください。予備校に何十万円も払う前に、無料または数千円で使えるものがある場合があります。
⑥ 大学生協という買い方
大学生協は講座を作っていませんが、予備校講座を組合員割引で取り次いでいます。
伊藤塾:入塾料(10,000円)免除
辰已法律研究所:入学金免除+授業料5%引き
アガルート(CPA会計学院経由):講座代金5%引き
注意点として、「各スクールのWEBサイトからのオンライン申込には割引が適用されない。申込時に組合員証を提示」と明記されています。先に公式サイトで申し込むと、この割引は使えません。
3. 価格の比較(予備試験の総合コース)

初学者が予備試験を目指す場合の、各社の中心的なコースの価格です。すべて税込、2026年8月16日確認です。
数字だけ並べると次のとおりです。
伊藤塾 予備試験1年合格コース(伊関1年クラス)本科生+ゼミ 1,480,600円/合格プレミアムコース 本科生 1,496,000円/2年合格コース 本科生 1,476,200円
アガルート 予備試験最短合格カリキュラム/フル 1,298,000円/ライト 998,800円(この2つは現在のセールの対象外)
資格スクエア 合格フルパッケージ 877,800円
LEC 予備試験1年スマート入門コース 通学Web 783,300円/通信Web 706,300円(2年入門コース・1.5年入門コースも同額)
加藤ゼミナール 予備試験合格パック2026 選択科目なし 548,000円(セール価格493,200円)/選択科目あり 598,000円(同538,200円)
辰已 基礎講座(原孝至講師)プレミアムプラン一括 496,200円/年間サブスク237,600円/月額25,000円 ※答練は別売り
スタディング 予備試験合格コース(総合)148,000円(8月31日までの特別価格137,000円)
この表を見るときの注意
含まれているものが同じではありません。同じ「総合コース」でも中身が違います。
辰已の基礎講座は、答練が入っていません。論文合格答練(ファースト58,000円+ネクスト114,400円+ファイナル112,500円)を足すと、合計で約78万円になります。答練セットで買うと284,900円(超早割250,200円)です
伊藤塾の入門講座は答練・添削込みです。論文マスター答練 全23回、予備試験過去問添削72問が含まれます
アガルートのフルは添削206通、ライトは174通です
資格スクエアの合格フルパッケージは人による添削275通。内訳も公開されていて、基礎問105通・過去問70通・実務基礎20通・選択科目10通・司法試験攻略70通です
スタディングは人による添削がありません。「論文AI添削1200回」がありますが、これはAIによるもので、しかも「2027年版と2028年版の2年分」の合計です
加藤ゼミナールは、答案添削を標準では提供していません。パックの詳細ページに添削の記載がなく、代わりに「合格者担当の質問制度」があります。講義とテキスト中心の設計です
つまり「安い=お得」ではありません。添削を人がやるのか、AIがやるのか、そもそも無いのか。ここが価格差の大きな部分を占めています。
割引を計算に入れる
各社とも割引が複数あり、定価で買う人はほとんどいません。
アガルート:グループ割10〜20%、他校乗換割、他資格合格者割5〜10%、大学生協割5%、受験経験者割5%、家族割5%、中高生割5%、友人紹介割5%。予備試験合格者は司法試験全講座50%OFF、最短合格カリキュラム受講生は司法試験全講座30%OFF
資格スクエア:全講座15%OFF(クーポン利用)、他校乗換割20%、他資格合格割20%、学割20%、再受講割50%。友人紹介で紹介者に現金7万円
加藤ゼミナール:全講座10%オフ、他校受講割引・他資格合格割引 最大33,000円引き、再受講割引 最大50%引き、友人紹介で紹介者に現金33,000円
伊藤塾:再受講割引 最大40%OFF、友人紹介でAmazonギフト券 最大10,000円分
辰已:代理店価格(大学生協等で約5%オフ)、答練セットの超早割・早割。さらに辰已奨学生制度があり、選抜試験に通ると「辰已講座を30%~100%OFF」
辰已の奨学生制度は、条件が厳しい代わりに割引率が突出しています。選抜試験は無料で、短答60分+論文70分。応募条件に「他の予備校の奨学生でないこと」が入っています。
合格したら返ってくる制度
アガルート:予備試験最短合格カリキュラムフルの合格特典として、税抜価格を全額返金。ただしライトは対象外。条件に「合格者インタビューへのZoom出演」があり、「お顔がはっきりと認識できない場合」は断られることがあると明記されています。なお司法試験の合格者返金制度は2021年度で終了しています
加藤ゼミナール:予備試験合格パック受講者で2年未満で予備試験に最終合格すると現金15万円。また司法試験の合格キャッシュバックキャンペーンを実施中と告知されています(令和8年版の詳細は要確認)
スタディング:合格お祝い金 最大20,000円分(予備試験1万円+司法試験1万円)。ただし現金ではなくデジタルギフトで、条件に「アンケート及び合格体験談の記入」が入っています
最後の点は覚えておいてください。お祝い金の条件が「合格体験談の記入」であることと、各社の合格者数が「合格報告のあった人」で数えられていることは、つながっています。
4. ロー入試(法科大学院入試)はどこが対応しているか
ここが最も情報の少ない領域です。予備試験・司法試験の記事は大量にありますが、ロー入試の対策講座を扱う社は限られます。

フルカリキュラムを持っている5社
伊藤塾 ── 法科大学院別の過去問分析講義、法律科目論文模試、コンプリート論文答練、パーソナル・ステートメント対策講座、小論文対策講義、小論文模試。講座は充実していますが、各講座の価格は私の側で確認できませんでした(未確認)
アガルート ── 法科大学院入試・法曹コース最短合格カリキュラム/スタンダード 998,800円(2029年4月入学目標)/888,800円(2028年4月入学目標)、アドバンス 492,800円、法科大学院入試過去問オプション 173,800円(すべて税込)
辰已 ── 論文答案力養成講義2026(原孝至講師、200問・計66時間)7科目一括 180,200円、科目別 憲法28,700円〜行政法20,300円。ただしこの講義は答案作成・添削がありません。小論文集中特訓講座2026(小柴大輔講師、添削1回)、志望理由書・面接対策講座2026(添削1回+再添削1回)。未修者コース対策パック 59,300円、未修者コースコンプリートパック 530,700円
加藤ゼミナール ── 法科大学院合格パック2026 398,000円(セール価格358,200円)。オンライン専業4社の中で、ロー入試のパックを持っているのはここだけです
LEC ── 法科大学院入試対策のページは存在します。ただし講座名・価格とも私の側では確認できませんでした(未確認)
学校別の対策になると、非大手が主力になる
大手のカリキュラムは「ロー入試一般」の対策です。志望校が決まっている場合、次の2つが具体的です。
BEXA(藤澤たてひと講師)── 「決定版 慶應義塾大学法科大学院入試ステートメント講義」(基礎編・実践編)、東大ロー入試の分析、ロー入試日程カレンダーなど。個別の講座価格は未確認
The Law School Times(LSTimes)── ロー入試模試【東大ロー編】9,000円(添削・個別指導費込み、本番と同じ時間割で公法系・民事系・刑事系、即日添削・即日講評)。慶應ロー編もあり。加えて早稲田ロー・中央ロー・慶應ローの解答速報と出題趣旨を無料で公開しています
9,000円で志望校別の模試が受けられるというのは、この領域では突出して安い部類です。
扱っていない社
スタディング ── ロー入試講座なし。「法科大学院生のための司法試験合格コース」はロー在学生向けの司法試験対策で、ロー入試対策ではありません。名前が紛らわしいので注意してください
資格スクエア ── ロー入試講座は確認できませんでした
加藤ゼミナールが公開している学校別参考答案
加藤ゼミナールは、中央大学法科大学院などについて学校別の参考答案を公開しています。講座を買わなくても見られます。志望校が該当するなら、確認する価値があります。
5. 「コースを買う」以外の選択肢
予備校の記事は、たいてい50万〜150万円のコースの比較で終わります。しかし実際には、必要な部分だけ買うという選択肢があります。
模試だけ買う
辰已 予備試験 論文公開模試 全10問、添削あり・総合成績表あり・科目ごとの順位表。会場受験/自宅受験とも 47,500円(代理店価格45,125円)
辰已 予備試験 総合択一模試 Basic 4,400円/Standard 9,900円/Premium 13,200円
辰已 予備試験 短答月イチ模試 全8回・300問 98,000円
辰已 司法試験 CBT全国公開模試 全国のプロメトリックCBTテストセンターで実施。「1点刻みの詳細な配点表」。受験料は申込終了のため未確認
伊藤塾 TKC 司法試験[短答式]全国実力確認テスト(価格未確認)
TKC 司法試験 全国統一模試 ── 株式会社TKCが主催。予備校ではなく法科大学院向けのシステム事業者が実施しています。2024年4月時点で2,138名利用。申込窓口として伊藤塾のページがあります
答練だけ買う
伊藤塾 CBTペースメーカー論文答練(司法試験)全16問 118,800円
伊藤塾 CBTコンプリート論文答練(予備試験)全64問 149,600円
辰已 論文合格答練 ファーストステージ 全7回14問 58,000円/ネクストステージ 全14回28問 114,400円/ファイナルステージ 全11回25問 112,500円
辰已 スタンダード論文答練(司法試験)全12回28問 211,900円、基本編のみ・実践編のみ 各 111,500円
辰已の答練は「基本編のみ」「実践編のみ」で買えます。これは他社にあまりない売り方です。
添削だけ買う
スクール東京 論文添削 5,500円/回
be a lawyer 過去問添削 予備試験 3,850円/通、司法試験 4,620円/通
LSTimes 予備論文・最速添削 1通3,800円(初回限定1,900円)、5通18,000円、10通35,000円。原則2日以内返却、答案に最低10箇所コメント
ココナラ 出品者ごと。最も安い層
「コースは高すぎるが、答案を見てもらう相手がいない」という状況なら、ここが現実的な選択肢です。
個別指導だけ買う
スクール東京 論文個別指導 19,000円/回、添削+個別指導 24,500円/回
be a lawyer 月謝制 月33,000〜80,000円、初回無料面談あり
STUDY FOR ALL 講師を選んで直接契約。入会金・月額固定費なし
安田式合格実践塾 3ヶ月429,000円〜。書き直し前提の添削と1on1
6. すでに終わっているもの
比較記事の中には、もう存在しないサービスを現在形で書いているものがあります。確認できた範囲で整理します。
TAC/Wセミナーの司法試験・予備試験講座
現在のWセミナーのラインナップは「司法書士・国家総合職・外務専門職の3つ」だけです。公式ページにそう書かれており、司法試験・予備試験の記載はありません。TAC本体の講座一覧の「法律」カテゴリにも、司法試験・予備試験・法科大学院は載っていません。
旧ページはURLを直接入力すれば表示されますが、掲載されている合格目標年度は2023年・2022年・2021年・2020年で止まっています。
「TAC/Wセミナーは老舗の司法試験予備校」と現在形で書いている記事があれば、その記事は更新されていません。なお、正式な募集停止の時期は私の側では確認できませんでした。
河合塾KALSの法科大学院入試対策
現在KALSが提供しているのは医学部学士編入、臨床心理・公認心理師、税理士科目免除大学院、国内MBA・MOT、文系大学院、大学編入、心理資格で、法科大学院・司法試験は現行のラインナップにありません。終了時期は未確認です。
法科大学院全国統一適性試験
日弁連法務研究財団が実施していた適性試験は、2018年実施(2019年入学者向け)を最後に廃止されました。これに伴い、各予備校の「適性試験対策講座」もすべて終了しています。伊藤塾のサイトには旧ページが残っていますが、現行の講座ではありません。
古い記事や古い体験談を読むときは、この点に注意してください。
LECの「難関法科大学院コース」
販売終了と第三者の記事にありますが、LEC公式での確認は取れていません(未確認)。LECのロー入試対策自体は継続しています。
7. よくある失敗
調べていて、繰り返し目についたものを挙げます。
① 合格実績の数字を額面どおりに比べる
冒頭に書いたとおりです。3社の数字を足すと合格者数の1.58倍になります。分母と定義を確認せずに並べても意味がありません。
② 「率」という言葉を信じる
分母が合格者全員なら、それは率ではなく占有率です。「◯◯名中◯◯名」という書き方があったら、前の数字が何かを必ず見てください。
③ 総額に答練・模試を入れ忘れる
辰已の基礎講座は答練が別売りです。他社でも、直前期に模試を追加で買うのが普通です。コース料金+10万〜20万円を見込んでおくと、資金計画がずれません。
④ 大学生協を経由せずに申し込む
伊藤塾の入塾料免除、辰已の入学金免除+5%引きは、公式サイトから申し込むと使えません。大学生であれば、申し込む前に生協を確認してください。
⑤ 添削の有無と主体を確認しない
「添削あり」でも、人がやるのかAIがやるのかで別物です。加藤ゼミナールのようにパックに添削が付いていない社もあります。自分が「書いたものを見てもらう」ことを求めているなら、ここは最優先の確認項目です。
⑥ 撤退したサービスの情報を読んでいる
TAC/Wセミナー、河合塾KALS、適性試験対策。古い記事は残り続けます。その記事の更新日を確認してください。
⑦ 個別指導・添削だけを買う選択肢を知らない
100万円のコースか、何もしないか、の二択ではありません。添削1通3,850円から、模試9,000円から始められます。
8. どう選ぶか
私の考えを、条件を切って書きます。
初学者で、予備試験ルートを本気で狙い、資金に余裕がある場合
伊藤塾かアガルートのフルカリキュラムが現実的です。両社とも添削が標準で入っていて、量が多い(伊藤塾は答練23回+過去問添削72問、アガルートのフルは206通)。アガルートは合格したらフルの税抜価格が全額返ってくる制度があるので、条件を満たせるなら実質負担は下がります。
資金を抑えたいが、人による添削は欲しい場合
資格スクエアの合格フルパッケージ(877,800円、人による添削275通)が、この条件では選択肢になります。割引が常時複数あるので、実際の支払額は定価とかなり違う可能性があります。
すでに基礎はあり、演習と情報だけ欲しい場合
辰已の答練の単科購入、または加藤ゼミナールのパックです。辰已は「基本編のみ」で買えるので、必要な部分だけ足せます。
資金が厳しい場合
スタディング(予備試験合格コース総合 148,000円)で講義を確保し、添削は外部で単発購入するという組み合わせが成り立ちます。スタディングにはAI添削しかないので、人に見てもらう部分を be a lawyer(3,850円/通)やスクール東京(5,500円/回)で補う形です。合計しても他社のコース1本より安く収まります。
ロー入試が目的の場合
フルカリキュラムなら伊藤塾・アガルート・辰已・加藤ゼミナール・LECの5社。ただし志望校が決まっているなら、LSTimesの学校別模試(東大ロー編9,000円)やBEXAの藤澤講師のステートメント講義のほうが、費用対効果は高い可能性があります。ステートメントや面接は、汎用のカリキュラムでは詰めきれない部分です。
大学生の場合
先に自分の大学を確認してください。中央大学の法職講座、日本大学の司法科研究室(他学部生・卒業生も30,000円/年)、立命館大学のエクステンション(答案作成ゼミ無料)のような組織があります。そのうえで、予備校を使うなら大学生協経由にしてください。
9. 申し込む前にやること
□ その講座に答案添削が含まれているか、含まれるなら人がやるのかAIか、何通か
□ 答練・模試が別売りか。別売りなら総額はいくらになるか
□ 現在の割引の適用条件(乗換割、学割、生協割、家族割、紹介割)と併用の可否
□ 大学生協を経由すべきか(経由しないと使えない割引がある)
□ 合格実績の数字の分母は何か
□ 視聴期限・受講期限はいつまでか(加藤ゼミナールは2028年9月末、スタディングは版により2028年1月末/10月末)
□ 返金・キャンセルの条件(伊藤塾は開講後の解約で受講料の20%・上限15,000円を控除、入塾料は返金不可。資格スクエアと加藤ゼミナールは原則返品不可)
□ 合格特典の条件(アガルートはZoomでの顔出しインタビュー、加藤ゼミナールは合格証明書の提出、スタディングは体験談の記入)
□ 無料体験を実際に見たか(アガルート約13時間、資格スクエア全61講義、伊藤塾・加藤ゼミナール・スタディングも無料体験あり)
最後の項目が一番大事です。どの社も無料で相当量の講義を公開しています。講師との相性は、比較記事を100本読むより、1本の講義を見たほうが分かります。
ぜひ自分に合った予備校を探してみてください
