日記│ユナイテッドアローズとミスドの前を通ると、胸がキューンとする
6月某日
1年の半分がもうすぐ終わるなんて信じられないと、毎年6月になると言っている気がする。もちろん今年も言う。
6月某日
4歳の姪っ子が「かわいいだけじゃだめですか?」とアイドルの歌を口ずさんでいたので、「いいですよ」と返したら、「え?いいの?」とキョトンとしていた。
6月某日
創作大賞に向けて、過去に書いた「ユナイテッドアローズ」のnoteを加筆修正している。雨の日も晴れの日も台風の日もユナイテッドアローズのことを考えているので、ここ最近お店の前を通ると、胸がキューンとして、昔ここでバイトしてました、みたいな気持ちになる。
6月某日
「台風でお客さんがいなかったから、ミスドのもっちゅりんが買えたよ〜」という喜びの声をSNSで見かける。
もっちゅりん。
その名はもちろん知っているが、あまりの人気にまだ実物を見たことはない。そんな幻のようなドーナツが販売されていることを、高校生の私が知ったら、きっと驚くだろう。
私は高校時代にミスドでバイトをしていた。高1〜高3の学生がたくさんいて、ドーナツを売ったり、食器を洗ったり、はしゃいだり、怒られたり、掃除したり、「また明日ね」と手を振ったり、もうひとつの学校みたいに過ごしていた。
私がバイトしていた当時、ミスドでは100円セールが開催されていた。お客さんがひっきりなしに訪れ、店は大忙しだった。その代わり、私が働いていた店舗では、休憩中に好きなドーナツをひとつ食べていいという、嬉しい特典があった。
ハニーチュロ。ココナッツチョコレート。エンゼルクリーム。フレンチクルーラー。ダブルチョコレート。シュガーレイズド。エンゼルフレンチ。
どれも魅力的すぎてなかなか選べない。
一緒にバイトに入っていた先輩に「どれにしますか?」と聞いたら、「私はダイエットしてるから食べないよ」と笑顔で返された。その意識の高さに頭がクラクラして倒れそうになりつつも、私の持つトングはしっかりとハニーチュロを掴んでいた。
大晦日にバイトに入った時は、残ったドーナツを店長が包んで、帰りに持たせてくれた。食べきれない量だったので、休みだったバイト仲間の家へ届けたこともある。
誰かが大学受験でバイトを辞めるときは、寄せ書きとお守りを贈った。学校が終わってから、こっそりみんなで集まって、勉学の神様へ祈願しに行ったのだ。合格祝いはサイゼリヤで盛大に行われた。
大学進学とともに、ひとり、またひとりとミスドを卒業していく。それでも夏休みになると集まって、サファリパークへ行ったり、花火を見たり、100円セールよりもにぎやかな夏を過ごした。
そんな私たちも、結婚したり転勤したりで、今は全国各地で暮らしている。もう同じ店でドーナツを食べることはない。それでもグループLINEに「ミスドファミリー」と名前をつけて、「元気?」と声を掛け合ったり、もっちゅりん食べたよと速報を流したり、今度は友人の子どもの合格を祈ったりしている。
ミスドの前を通ると、胸がキューンとして、昔ここでバイトして良かったな、という気持ちになる。
