子どもに習い事を辞めたいと言われたら親はどうするか?
我が家には、娘が三人います。
小学4年の長女、小学2年の次女、2歳の三女です。
私は育児休業を二回取りました。
それでも、子どものことで迷わなくなったわけではありません。
今日は、質問箱に届いた相談から書きます。
子どもに「辞めたい」と言われて、最初の一言に迷ったことがある方に読んでいただきたいです。
この記事で書くのは、続けさせるか辞めさせるかの基準ではありません。
「辞めたい」という言葉の中身を、どうやって確かめるかという話です。
■ 質問箱に届いた相談
習いごとをはじめて3ヶ月で辞めたいと言われたら、どう対応しますか
もう一つの習い事は楽しいと、2年ほど続けて頑張っています
答えを書いているうちに、自分の中でずっとぼんやりしていたものに輪郭がつきました。
その流れで、記事にします。
◯ 「なんで辞めたいの?」とは聞かない
私なら、まず何が嫌なのかを本人に聞きます。
ただ、「なんで辞めたいの?」とは聞きません。
理由を聞かれると、子どもは理由を作ってしまうと思うからです。
大人でも同じだと思います。
「なんで?」と問われた瞬間に、その場で説明できそうな何かを探してしまう。
本当の気持ちではなくても、相手が納得しそうな言葉のほうを選んでしまう。
だから、場面で聞きます。
「どんなときに、辞めたいって思った?」
行く前なのか、帰り道なのか。
特定の子といるときなのか、先生に何か言われたときなのか。
ここが分からないと、続けるも辞めるも決められません。
◯ 2年続いている、という事実
相談を読んでいて、いちばん気になったのはここでした。
もう一つの習い事が、2年続いている。
続かない子ではありません。
好きなものには、ちゃんと熱中できる子だと思います。
飽きっぽいのでも、根性がないのでもなく、合わなかっただけかもしれません。
それなら、辞めるのはただの軌道修正です。
■ ここから、私の話です
小学生のころ、私はサッカーを習っていました。
自分でやりたいと言ったわけではありません。
太っているから、という理由で、親が決めました。
何度も辞めたいと言いました。
そのたびに返ってきたのは、こういう言葉でした。
「せっかく始めたのに、もったいない」
「まだ痩せてないでしょ」
結局、卒業まで続けました。
6年間です。
痩せませんでした。
サッカーも、好きにはなりませんでした。
◯ 誰の不安を、薄めていたのか
あのとき親が見ていたのは、たぶん私ではなく、私の体型でした。
心配してくれていたのは分かります。
このままだとこの子がしんどい思いをする、という親心だったと思います。
でも私にとってあの6年間は、自分の時間ではありませんでした。
親の心配を薄めるための時間だったと、今は思っています。
自分が親になって分かったのは、これが特別ひどい話ではないということです。
「せっかく続けてきたのに」
「すぐ辞める子になってほしくない」
どちらも、主語が親です。
■ 我が家で、同じことが起きました
長女は、週に4日習い事に行っています。
次女は、週に6日です。
くもん、合気道、ダンス、スイミング、ガールスカウト。
予定が入っていないのは、火曜日だけです。
その次女から、「スイミング辞めたい」と相談されたことがありました。
そのとき私が最初に言った言葉は、「どうして?」でした。
質問箱で、それは聞かないほうがいいと書いた、まさにその言葉です。
家の中では、こういう言葉も出ました。
「もったいない」
「せっかく始めたのに」
「災害のときに泳げないと危ないよ」
理由を探しはじめていたのは、子どもではなく私たちのほうでした。
◯ 辞めたかったのは、スイミングではなかった
そこで、聞き方を変えました。
「どんなときに、辞めたいって思った?」
返ってきた答えは、こうです。
「クロールの息つぎが、うまくできないから」
それなら、と思ってもう一つ聞きました。
息つぎが上手にできるんだったら、スイミングは面白い?
答えは、イエスでした。
次女はスイミングを辞めたかったのではありません。
息つぎができないから、スイミングを辞めたかった。
同じ「辞めたい」でも、中身がまったく違います。
前者なら、辞める話になります。
後者は、息つぎの話です。
だから、次女と一緒にコーチのところへ相談に行きました。
改善の方法を教えてもらい、練習のときに見てもらえるようお願いしました。
その場に本人がいたことは、あとから効いてきたと思います。
自分の困りごとが、自分のいる場所で話されて、やることが決まった。
親が裏で手を回して、いつのまにか環境が変わっていたのとは違います。
それから次女は、楽しそうに毎週通っています。
コーチに会うのが楽しみらしく、「今日コーチに会えるよ」と言って出かけていきます。
■ 同じ「続ける」でも、中身が違う
息つぎが完全にできるようになったわけではありません。
毎月のテストで、クロール25メートルにいまだに合格できていません。
だから今でも、「やっぱり辞めたい」と言う日は何度もあります。
私たちは、辞めたいなら辞めていいと思っています。
でも次女は、もう少し続けてみる、と言います。
だから今は、その意思を尊重して見守っています。
私も6年間続けました。
次女も続けています。
言葉にすると同じですが、決めた人が違います。
私の6年間は、親の不安を薄めるための時間でした。
次女の毎週は、本人が「もう少し」と言って選び直している時間です。
私には、自分の時間を使うときに、頭の中で申請書を書いてしまう癖があります。
ひとりで出かけるだけなのに、理由を用意して、誰かの許可を探してしまう。
子どもの習い事も同じで、申請も承認も親がやってしまえます。
でも本当は、本人のサインがあるかどうかだけの話でした。
そして最初の一言を変えるだけで、そのサインは取り戻せます。
「どんなときに、辞めたいって思った?」
これなら、子どもの側から話が始まります。
質問をくださった方へ。
おかげで、置きっぱなしにしていた問いを、久しぶりに正面から考えることができました。
ありがとうございました。
お子さんが「辞めたい」と言ったとき、辞めたいのは習い事そのものでしょうか。
それとも、その中のどこか一箇所でしょうか。
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