第6話19歳、難病になる
高校を留年しながらも、私は前を向こうとしていた。
決して順風満帆ではなかったけれど、それでも「いつか普通の幸せを手に入れたい」と思っていた。
人並みの暮らしがしたかった。
安心して眠れる家が欲しかった。
心から笑える日々が欲しかった。
そんな未来を夢見ながら、必死に生きていた。
けれど、私の身体はもう限界を迎えていた。
ある日から、少しずつ体調がおかしくなり始めた。
最初は疲れだと思っていた。
働きすぎだからだろう。
寝れば治るだろう。
そう思っていた。
でも違った。
身体は悲鳴を上げていた。
長い間積み重なったストレス。
幼い頃から続いた緊張の日々。
将来への不安。
生活の重圧。
誰にも頼れない孤独。
気づかないうちに、心だけではなく身体までも傷ついていた。
病院で告げられた診断。
私は19歳で難病になった。
頭が真っ白になった。
なぜ私なんだろう。
やっと少し前を向けると思ったのに。
どうしてまた。
そんな思いが何度も頭をよぎった。
周りの同世代は未来へ向かって歩いていた。
進学する人。
就職する人。
恋愛を楽しむ人。
私は病院の待合室に座っていた。
同じ19歳なのに、まるで別の世界にいるようだった。
先の見えない治療。
不安な毎日。
思うように動かない身体。
今まで頑張れば何とかなると思っていた。
でも、頑張るだけではどうにもならないことがあると初めて知った。
悔しかった。
苦しかった。
何度も泣いた。
何度も心が折れそうになった。
それでも時間は流れていく。
治療に専念しながら、私は高校卒業を諦めなかった。
時間はかかった。
同級生より何年も遅れた。
それでも諦めたくなかった。
「あの高校だけは卒業したい」
その思いだけは消えなかった。
そして4年の歳月をかけて、私は卒業の日を迎える。
卒業証書を手にした時、嬉しさと同じくらい安堵があった。
やっとここまで来た。
ようやく一つ乗り越えた。
そんな気持ちだった。
そしてその頃、私の隣には付き合っていた男性がいた。
私は思っていた。
これからは幸せになれる。
普通の家庭を築ける。
愛される家族を作れる。
これまで失ったものを、これから取り戻せる。
そう信じていた。
未来に希望を抱いていた。
まだ知らなかった。
人生は再び、大きな試練を用意していることを。
To be continued…
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