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秋影も 爪伸びるをも 我知らず

朝夕の家々の片影が、知らぬ間に伸びている。同じ時間、同じ道を通っていると、まだ暑さが残る昼間にも、秋の気配が静かにこちら側に伸びて来ていることに、ふと気づく。

右足の親指の爪が、布団に引っかかるようになった。以前、山を下る際に、つま先が靴の中で圧迫されて、親指が内出血を起こしている。しかし、その赤黒く変形した爪の下から、新しい爪が伸びてきたのだ。古い爪を押し上げるように、これもまた静かに生えてきていた。それが、時折布団に引っかかっていたのだ。

秋影も爪も、私の知らないところで着実に伸びている。私が知らない、意図しない動きが、私の周りだけでなく、私の中にも蠢いている。

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