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酸辣湯ブームを待っている。

巷では、麻辣湯が流行っている。
中国発祥の、ピリ辛スープ。
おいしいのはもちろんだが、自分で具を選べるエンターテイメント性が、流行に拍車をかけているのではないかと思う。

むろん、私は食べたことがない。

食べ物の流行と言うのは、気が付くと始まっていて、いつの間にか去っている。
マリトッツォやドバイチョコも、まだ食べていない。
それどころか、アサイーボウルも食べたことがないし、タピオカだって1回しか飲んでいない。
こういうのにちゃんとついていけていたころが、私にもあったのかどうかすら怪しい。

私は中華料理が好きだ。
以前、友人が北京に住んでいたころ、毎年のように中国に行っていた時期がある。
1週間ほどの滞在で、友人が仕事をしている間はマッサージやショッピングに行き、仕事が終わると一緒に夕食を食べに行く。
北京ダック、火鍋、麻辣鍋。
本当にいろいろなお店に連れて行ってもらった。

私がメニューで見つけたら、必ず頼むものがある。
酸辣湯だ。

ちょっと辛くて、ちょっと酸っぱくて、溶き卵と細切りの具材が入った、とろみのあるスープ。
刺激が強すぎず、毎日食べられる、いや毎日食べたい味だ。
丼で。
中国に滞在中は、ほぼ毎日食べていたし、今でも中華料理屋さんで見つけると必ず食べる。

以前、ドミニカ共和国に旅行に行ったとき、チャイナタウンでランチをした。
そこで酸辣湯を見つけて、迷わず注文した。
そして出てきたものは、似て非なるものだった。
なんと言ったらいいのだろう。
まるで、中国に行ったことのない中華系ドミニカ人が、中国にいる親戚から、
「酸辣湯というスープがあるよ。酸っぱくて辛くて、とってもおいしいんだ」
と聞き、その情報だけを頼りに作ったような味だった。

確かに酸っぱい。そして辛い。
けれど、酸辣湯ではない。

そして、普通においしいのだ。

遠い国にある、店の名前すら覚えていない中華料理店。
おそらく、もう二度と味わうことはできないだろう。

幻の酸辣湯だ。

もし酸辣湯ブームが来たら、私はここぞとばかり店に通うだろうか。
そこはわからない。

でも、あのおいしさは、もっと広く知られるべきだと思う。

話は変わるが、中国に滞在するたび、毎日外食をたらふく食べていても、帰国後に体重が増えることはなかった。

さすが長い歴史を持つ中国の料理。
ちゃんと消化され、身体にいいんだなと思っていた。

次の年も、その次の年も。

完全に、中華料理への信頼ができていた。
ある年、私は調子に乗った。

毎日、炒飯を食べたのだ。

いいお店の炒飯は、すごくおいしい。
そうでないお店のも、ちゃんとおいしい。

友人にも、
「ヨーコは炒飯娘だもんね」
などと言われていた。

そして帰国。
……大変太りました。

私の個人的な意見ではあるが、中華料理は身体にいい。
痩せる、とは言わない。
でも、ちゃんとエネルギーに変わる気がする。
なので、酸辣湯をはじめとする中華料理のブームは大歓迎だ。

ただし、炒飯。
これは取り扱い注意である。


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