『長女、初恋の終焉』
安定していたエンジン音とスピードが変化したように感じられたので、座席横の小窓から外を覗く。
出発した頃より空の青色は濃さを増しているようだ、眼下の雲に目をやれば進行方向側は橙色に変わり始めていて、斜め後ろには小さく機影も映っている。
成田発、マカオ行き。
8年前に初演を迎えたミュージカル魔女の宅急便は、今回の公演で海を越える。
昨年末、『2025年も魔女宅のお誘いが来ました、今回はマカオ公演もあるみたいです。』とマネージャーからの報告。
『マカオ!?なんでマカオ?』
『なんかマカオの芸術祭の招待作品になったみたいです。』
『えー!すげー!』
『どうされますか?』
『絶対やるでしょ!!』
『わかりました、そうお返事させていただきます。』
『いや〜、でもマカオかぁ〜行ったことないわ〜。えっちょっと待ってどれくらいの期間行くんやろ?』
『多分1週間くらいじゃないですかね?まだ確定はしてないみたいですけど。』
『1週間かぁ。』
その夜。
『また来年も魔女宅誘ってくれはったわ』
『えー!良かったじゃん!!』
『うん。』
『お姉ちゃん、パパがまたフクオさんやるんだって!』
『えー!ずるいー!』
『ずるいて何やねん!』
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