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私が「私」を取り戻すまで


夫を亡くしたのは、40代前半のことでした。

それまでの私は、妻であり、母であることが、自分の存在意義のすべてだったように思います。
娘の小学校受験に付き添い、家族の生活を整え、夫の会社を支える。
そのために一日一日を使っていました。

誰かのために生きることに、迷いはありませんでした。
でも、夫がこの世からいなくなった瞬間、
その「誰かのために」の土台が、音を立てて崩れました。

正直に言うと、最初の心細さは強烈でした。
人は、悲しみの中でも呼吸を続け、日常を積み重ねていくうちに自然に自分を治し癒していくものなのだと、
身をもって知りました。


転機が訪れたのは、娘が結婚し、家を出ていったときです。
母としての役目にひと区切りがつき、家の中に一人残された私は、はじめて「これから何のために生きるのか」と自分に問いかけました。

誰かの妻でも、誰かの母でもない、「私自身」の存在意義を探す時間の始まりでした。
そこで思い出したのが、子どもの頃から持っていた、自分の感覚——霊感でした。

もともと視えるタイプだったこの力を、独学でタロットという形に落とし込み、霊感占い師としての一歩を踏み出しました。

顔も出さず、SNSのライブ配信で鑑定を重ねる日々。最初は不安もありましたが、ありがたいことに比較的早くお客様がついてくださり、今ではリピーターの方々に支えられています。

振り返って思うのは、存在意義とは、最初から用意されているものではなく、失って、探して、選び直していくものだということです。

8歳から父子家庭で育った私にとって、家族の形は一度ならず変わってきました。
妻として、母として生きた時間も、未亡人になってから占い師として生き直している今も、どちらも紛れもなく「私」です。

誰かの人生に寄り添い、道を示す仕事を選んだのは、偶然ではないのかもしれません。
かつて自分自身が、寄る辺を失い、道を探していたからこそ、今、同じように立ち止まっている誰かの隣に立てるのだと思っています。

存在意義は、変わっていい。
むしろ、変わっていくからこそ、
人生は続いていくのだと、今の私は思っています。


ここまで読んでくださり誠に感謝いたします。
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