見出し画像

理想 VS 現実

家づくりで本当に大切なこと
一級建築士、700棟引渡、700フォロワーのぱにがれです。
家づくりには理想がある。
工事着工前にすべての打合せが完了していることだ。
図面は確定。
仕様も確定。
色も確定。
設備も確定。
お客様も理解している。
営業も理解している。
設計も理解している。
現場監督も理解している。
あとは図面通りに作るだけである。
実はこれが最も揉めない。
最も品質が高い。
そして最もお客様満足度も高い。
変更がないからではない。
みんなが同じゴールを見ているからだ。
では現実はどうか。
設計は忙しい。
営業も忙しい。
会社は着工を急ぐ。
そしてこうなる。

「とりあえず着工しましょう」


後で決める。
後で考える。
後で打合せする。
結果どうなるか。
工事中に図面確定。
変更発生。
さらに変更。
打合せ不足による認識違い。
現場で発覚するミス。
壊してやり直し。
追加費用。
工程遅延。
そしてなぜか現場監督が謝る。
もちろん住宅はオーダーメイド商品だ。
工事が始まってからお客様の考えが変わることもある。
それは仕方ない。
しかし、最初から決めるべきことを決めないまま進めるのは違う。
それは柔軟性ではない。
単なる先送りである。
私はこのことを体感として理解している。
若い頃、ブラック企業で設計をしていた。
現場監督もやった。
だから分かる。
工事前に決め切る方が楽なのだ。
監督が楽なのではない。
設計自身が楽になる。
打合せで決める。
図面に反映する。
確認する。
着工する。
それだけで変更は減る。
手戻りも減る。
電話も減る。
クレームも減る。
結果として、
設計も楽になる。
監督も楽になる。
職人も楽になる。
お客様も幸せになる。
だから私はホワイト企業に転職してからも言い続けた。
若い設計に。

「楽しようぜ」


前で苦労しよう。
後ろは楽になるから。
しかし
15年経った今も何も変わらない。
何一つ変わらない。
設計は忙しい。
営業は急ぐ。
後で決める。
工事が始まる。
図面が変わる。
現場が止まる。
職人が困る。
監督が謝る。
理想は分かっている。
正解も分かっている。
それでも現実は変わらない。


ぱにがれ課長の結論。


住宅で発生する多くのトラブルは施工不良ではない。
決定不足である。
決めるべき時に決める。
確認すべき時に確認する。
それが最も安く、
最も早く、
最も品質の高い家づくりにつながる。
私は今でも理想の方が正しいと思っている。
だが
明日も現場では、
今日決めるべきだったことの代償を払う。

明日はまた壊しだ。


いいなと思ったら応援しよう!

700棟|現場監督|一級建築士|ぱにがれ 現場は、正解が見えにくい判断の連続です。 この記録が、どこかの現場で 「一度立ち止まる材料」になれば幸いです。 応援としてチップをいただけると、続ける力になります。