第126話:ウメばあちゃんの『新作日本昔ばなし』!『にらめっこの神さま』
語りかけ
リクちゃん、にらめっこってやったことあるかい?
ほっぺをふくらませたり、変な顔をしたりして、相手を笑わせたら勝ち──そんな遊びじゃね。
けんどもし、にらめっこに夢中な神さまがおったとしたら……さて、どんなことになったやろうか?
むかし話
むかーしむかしのことじゃった。
山の奥に、「にらめっこの神さま」と呼ばれる小さな神さまがおった。
神さまはたいそう負けずぎらいで、人間に勝つのが大好き。
山に来た子どもたちに「にらめっこしよう」と声をかけ、どんな顔をしても決して笑わなかった。
子どもたちは「この神さまには勝てん」と泣き顔で帰っていった。
ところがある日、村からやってきた子どもたちはちがった。
どんなに変顔をしても笑わせられず、負けが続いても、彼らは口をそろえてケラケラ笑い出したんじゃ。
「わたしたち、負けても楽しい!」
「神さま、もっと一緒に遊ぼうよ!」
神さまはびっくりした。
「負けたのに、どうしてそんなに嬉しそうなんじゃ?」
子どもたちは答えた。
「だってにらめっこは、勝ち負けより、笑った顔がいちばんおもしろいから!」
その瞬間、神さまの心の奥がふわっとほどけた。
気づけば、自分も思わず吹き出しておった。
「わっはっはっは!」
山にこだまするほどの大笑い。
その日から神さまは、勝ち負けにこだわらず、ただ一緒に笑うことを楽しむようになった。
笑いは勝ち負けを越え、人の心をあたためる力になる──
にらめっこの神さまも、とうとうそれを知ったんじゃ。
めでたし、めでたし。
子供たちへ
ほらね、リクちゃん。
笑いちゅうのは、勝った負けたよりも、心をつなぐ魔法なんじゃよ。
リクちゃんの笑顔も、きっとまわりをあったかくするよ。
締め
そいぎ、今日はこのへんにしとこうかね。
(終)
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