📺昭和のトリビア:🟠スーパーボールすくい ― 弾むボールに、子どもの目も弾んだ夜
金魚すくいの隣で光っていた、もう一つの水面
縁日の夜。
提灯の赤い光が水面に揺れて、焼きそばの匂いと、綿あめの甘い匂いが混ざる。
金魚すくいの水槽の隣に、色とりどりのスーパーボールが浮かんでいました。
赤、青、黄色、透明、ラメ入り。
水の上でゆらゆら揺れるだけなのに、なぜか宝石みたいに見える。
ポイを持つ指先は、ちょっと緊張する。
金魚より気楽そうに見えるのに、いざやると意外とむずかしい。
昭和の縁日には、そういう「簡単そうで熱くなる遊び」がありました。
スーパーボールが面白いのは、“沈まない金魚すくい”だったから
金魚すくいは、生き物をすくう緊張感があります。
破れたら終わり。動く金魚を追いかける焦りもある。
一方、スーパーボールすくいは、生き物ではないぶん気軽。
でも、だから簡単かというとそうでもない。
スーパーボールは丸くて水をはじくように逃げる。
ポイの上に乗ったと思っても、ころんと転がる。
欲を出して大きいボールを狙うと、紙が一気に破れる。
しかも、あのボールはゴムの反発でよく弾む。
すくったあとも終わりじゃなくて、家に帰ってから床や路地で弾ませて遊べる。
縁日の遊びでありながら、持ち帰ったあとも続く。
ここがスーパーボールすくいの強さでした。
「大きいの狙うか、小さいのを数で稼ぐか」で性格が出る
スーパーボールすくいは、やる前から作戦が分かれます。
「小さいのをたくさん取る」
「いや、大きいの一個狙う」
「ラメ入りだけ欲しい」
子どもなりに、かなり真剣です。
慎重な子は、端に浮いている小さいボールをそっとすくう。
勝負師タイプは、中央の大きなボールへ一直線。
そして、だいたいポイが破れて「あー!」となる。
それを見ていた友だちが、後ろから言うんです。
「欲張るからや」
でも、欲張った子ほど楽しそうなんですよね。
取れた数よりも、狙いに行ったこと自体が思い出になる。
家に帰ってから、畳や廊下で弾ませて、思ったより跳ねて、障子やふすまに当てて怒られる。
スーパーボールは、縁日の余韻を家まで連れて帰る小さな弾丸でした。
今もあるけど、昭和の縁日では“色をすくう遊び”だった
今でもスーパーボールすくいはあります。
でも昭和の縁日では、あの水槽の光り方が特別でした。
テレビゲームでもなく、電池で動くおもちゃでもない。
水に浮かぶ色を、薄い紙一枚ですくう。
それだけなのに、子どもは本気になる。
すくったボールを手の中で転がすと、まだ水の冷たさが残っている。
その感触まで含めて、縁日の夜でした。
スーパーボールは、弾むおもちゃやけど、
本当に弾んでいたのは、あの夜の子どもの心だったのかもしれません。
昭和の風景を懐かしく掘り起こすシリーズです。スキ・フォローしてもらえると嬉しいです。
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