イイネ4の記事
よくわからないタイトルだった。
でも、なんとなく気になった。
昭和感ただようというか、謎めいてるというか。
ふと目をひかれた。ただそれだけの理由。
内容的には、その人の生い立ち、過去の思い出、
その時の感想が並んでいた。
ただそれだけだった。
でも、その記事を読み終わったとき──
私の頬には、涙が伝っていた。
胸はギュッと締め付けられたように苦しかった。
とても素晴らしいと思ったのだ。
「感動をありがとう」と思い、
きっとたくさんの共感を得た記事なのだろうと思って、
イイネの欄を見た。
……私は驚愕した。
なんと、イイネがたったの「4」だった。
そんな馬鹿な?と思った。
この素晴らしい記事に、イイネがたった4しかついていない。
その時、私は気づいた。
日本の、この世界の“本質”のようなものを。
小さき声は埋もれ、
本当に価値のあるものは、誰の目にも止まらない。
声の大きいものが正義となり、
それが“世界の当たり前”になっている。
バズる、伸びると流行りに振り回されている。
──真に恐ろしいことである。
人の価値観は十人十色、といえども。
「喜怒哀楽」という感情は、世界共通のものなのではないか…。
そんなふうに、考えさせられた。
たった1つの記事を読んだ、
たったひとりの夜の、
ささやかな一幕だった。
