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第4話 「ママとしての覚悟」

20時を過ぎても、お客様は4人だけ。

それでもボスママのおかげで、その後満席になり、オープン初日は無事に終わることができた。

だけど…

店を閉めた後の私は不安でいっぱいだった。

「これからどうしよう…」

「本当にお客様は来てくれるのだろうか…」

そんなことばかり考えていた。

2日目に来てくださったのは、お酒屋さんのオーナーやBARのマスターなど関係者の方々。

ありがたかった。

オープンしたばかりの店に足を運んでくださるだけで心強かった。

私は自分に言い聞かせた。

「大丈夫!うまくいく。うまくいく。」

そして腹を括った。

もう後には引けない。

中洲の BARで修行したジントニック


オープンハガキを出した友人たちにメールを送りまくった。

すると、

「オープン初日は忙しいだろうと思って、落ち着いてから行くつもりだったよ。」

そんな返事も返ってきた。

なるほど。

そうだよねー。
ハガキに7席の小さなお店です。
と書いたもんなぁ…

それから少しずつお客様が来てくださるようになった。

ボスママから紹介されたお客様も来てくださり、スロースタートながら常連さんも増えていった。

そんなある日のこと。

たまたま1席だけ空いていたカウンターに、ビルで飲んでいたお客様が入って来られた。

その席に座り、他のお客様と

「はじめまして。」

と自己紹介から会話が始まる。

和やかな時間だった。

そして、お会計の時間。

伝票を見ると4,500円。

すると、そのお客様が言った。

「ママ、俺このビルの常連やし、この店もオープンから来よるやろう。3,000円にしてよ。まけてよ。」

その場にいたお客様達が、一斉に私を見た。

私は少し間を置いて答えた。

「〇〇さん、今日はいつもより少し飲み過ぎたかな。」

「楽しかったみたいだからね。」

「でも、あなただけ特別にはできんとよ。」

「あなたにおまけしたら、ここにいる皆さんにもおまけしないといけなくなるでしょう。」

「そしたらお店、潰れるけん。」

すると、その〇〇さんは

「じゃあいいよ。俺もう来んけん。」

そう言って1万円札を出された。

私は笑いながら、

「ちゃんと持ってらっしゃるじゃないですか。」

と言ってお釣りを渡した。

その方はそれ以来、来店されなかった。

〇〇さんが帰られた後、常連さん達が言った。

「ママ、今のお客さん誰?」

「もし3,000円にしてたら、俺達全員3,000円だよな。」

「もちろんよ。」

私がそう答えると、

「じゃあさ、俺たちが他で飲み過ぎて、お金がないから2,000円で飲ませてって電話したらどうする?」

と聞かれた。

私は少し考えた。

2,000円か…。

どうせ他で飲んでるし、そんなに食べれないでしょう。

事前に電話してくれたなら、いいかなぁ。

そう答えると、

「俺達は、そんなせこいことしないよ!」

と、みんなで大笑い。

私も笑いながら、

内心はドキドキしていた。

オープンして間もない頃。

これがお店を試す最初の洗礼だったのかもしれない。

商売って、勉強だなぁと思った。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

オープンしたばかりの頃は、毎日が勉強でした。

次回も、Chouetteでの出来事を綴っていきたいと思います。
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