【半年で電通大編入試に受かる方法(なんてない)】前編 | 2027年度 電気通信大学 編入体験記
力を尽して狭き門より入れ
はじめに
こんにちは、さしすせそうよです。
この度、電気通信大学(以下電通大)に合格したので、備忘録も兼ねて体験記を記そうと思います。
有料級に詳しく書いたので、高専生・大学生問わずお役に立てると確信しております。
たくさん感謝してくださいね。
中編、後編はこちら→
※ 手っ取り早く編入の雰囲気をつかみたい方は、前編でなく中編から読むことをオススメします❕
プロフィール
出身高専:岐阜高専 電気情報工学科 情報コース
学年順位
1年次:平均評定9.33、席次6/43
2年次:平均評定8.88、席次9/45
3年次:平均評定8.53、席次11/44
4年次:平均評定9.04、席次7/37
資格:TOEIC(4年次・2026年1月取得)735点(L400/R335)
基本的に授業は真面目に受けていました。試験に関しては、気が向いたら2週間前から、やる気が出なかったら前日に一夜漬けで思い出すタイプだったのでそこまでいい成績はとれてませんでした。後悔はないです。
数学、物理に関してそこまで苦手意識はなく、定期テストもそれなりにとれてました。
また、3年生の頃は毎日32kmを自転車通学してたため毎日へとへとで勉強どころでなく、結果として成績が下がりました。これが尾をひいて電通大や農工大の推薦がとれなかったため、5年生の春休みに学力へと切り替えました。あと1つ席次が高ければ農工大の推薦の基準を満たしてましたし、実際狙ってました。
人生うまくいかないことだってあるよね。
なぜ編入をしようと思ったか
もともと大学進学に興味があり、3年生のころから大学編入の情報や過去問を集めていました。
4年生の夏、1週間ほど東京に滞在する機会があり、娯楽・商業施設の充実度合に驚かされました。散歩してるだけで地元の100倍楽しいんですよ。
また、同時期に大学院大学への体験入学に参加したこともこれを後押ししました。
電通大を第1志望にしたのは、
行きたい研究室があった
名前がかっこよかった
東京にあった
ぎりぎり合格できそうだった
受験科目に専門がない
からです。
5を挙げた理由は、数学・物理に比べて専門科目があまり得意でなかったからです。あと、専門まで勉強してると時間が足りないと思ったのもあります。
受験校と結果
電気通信大学 I類:合格💮
東京都立大学 システムデザイン学部 情報科学科:合格💮
岐阜大学 工学部 電気・電子情報学科 応用物理コース:合格💮
岐阜高専 専攻科:合格💮
電通大の試験科目とその範囲は、
数学(微積 + 線形代数)
物理(力学 + 電磁気 + 熱力学 + 波動 + 現代物理学)
英語(長文和訳 + 英作文)
です。
併願校を選ぶ際には、その大学の出題内容が電通大の勉強範囲を超えてないかを意識しました。都立大の情報科学科は数学とTOEIC、岐大の応用物理コースは数学(微積 + 線形代数)と物理(力学 + 電磁気)、TOEIC(730点で満点)なのでドンピシャです。
出題範囲が似ている農工大は、口頭試問で専門科目が問われるため併願校としませんでした。ただ内容は簡単らしいという噂があるので、あなたはよく調べてから決めてください。
戦略
過去の先輩方の体験記を参考に、使う参考書やその進捗を比べて危機感を持ちつつ勉強しました。勉強を始めるのが遅かったので、かなり危機感を持っていました。
↑ 勉強スケジュールが参考になりました。
↑ 過去問の頻出分野や当日の雰囲気が参考になりました。
これら以外にも電通大だけで20本くらい読んでます。
また、毎日復習を欠かさずに行うようにしていました。具体的には、前日の勉強内容を翌日朝に1時間ほどかけて復習していました。定着に役立ったのではないかと思います。
そして、5年生になってからは高専の授業を全くきかずに、すべて編入勉強にあてていました。加えて、課題が苦しくなく中間試験がない授業を選択していました。
あと、勉強時間を増やすために娯楽を制限していました。
Youtubeなどのアプリをブロックし、寝る前のご褒美の時間以外使えないようにしていました。さらに、お酒も飲まないようにしていました。
使用した参考書・サイト
参考書は自由に書き込めるよう、ほぼすべて購入するかPDF化(自炊)しました。なぜなら、直接書き込みたかったからです。
1周目に難しい箇所の補足を書き込んでおけば、2周目以降の理解が圧倒的に速くなります。めっちゃオススメです。
※マセマ熱力学だけ図書館のものを使用しました。
数学
編入数学徹底研究
おすすめ度:★★★★★
おそらく全編入生がはじめに手に取るのは本書だと思います。初見で解き切るのはなかなか難しく、効率厨のあなたは理解を後回しにして、問題を速く解くことを優先してしまうかもしれません。
ここからは私の推理にはなってしまうんですけど、徹底研究によらず参考書は1周目ですべて理解すべきだと思います。1周目で理解を飛ばした箇所は、2周目でも簡単に理解できません。丁寧に進めることで結果として周回速度は上がると思います。
わからなかったら、わんみんさんの動画見ましょう。
ちなみに全部はやっていません。編入までの時間に余裕があると思うなら全部やった方がいいです。
なぜなら志望校なんて簡単に変わるからです。全章解いておくことで直前期でも悠々と舵を切れます。まあ私はやってないですけど。
01章 微分法
02章 不定積分
03章 定積分
04章 定積分の応用
4-1、4-2、章末大問1のみ
05章 級数
5-6、5-7、章末大問4のみ
06章 偏微分
07章 重積分
08章 微分方程式
09章 行列
10章 行列式
11章 ベクトル空間と線形写像
12章 固有値とその応用
13章 内積
13-1、13-3、章末大問1、2、3 (1) (2) のみ
18章 ベクトル解析
18-1、章末大問1のみ
編入数学過去問特訓
おすすめ度:★★★★☆
色んな大学の編入試験の過去問を解ける演習書。徹底研究の習熟度を確認するために使用しました。
本書は各章内で次のように問題が編成されています。
例題
(A)基本問題
(B)標準問題
(C)発展問題
私は例題とA問、B問を解きました。それなりに解けたので1周しかしてません。
また、4章と5章に関してはC問まで解きましたが、ここまで解く必要があるのかは疑問です(理解を深めるいい練習になったけど)。C問中の電通大の過去問だけを解けばいいと思います。
第1章 1変数の微分積分
第2章 多変数の微分積分
第3章 微分方程式
第4章 行列と行列式
第5章 ベクトル空間と線形写像
第6章 固有値とその応用
大学編入試験問題 数学/徹底演習
おすすめ度:★★☆☆☆
電通大対策では特に使っていません。演習量が多いので、徹底研究や過去問特訓では解き足りないときにいいかもです。
軽井沢数学 IC 数学教育研究所 大学編入学試験問題(電通大数学)
おすすめ度:★★★☆☆
https://usuikaruizawaic.com/s_d/d_tokyodentudai.pdf
過去問演習と同時に始めました。当時苦手であった、重積分や三重積分の問題だけを解いていました。古いですが、電通大の過去問から出題されているのでおすすめです。
高専の教科書
おすすめ度:★★★★☆
徹底研究の各章を解く前に、復習として読んでいました。該当箇所の問題を解けるようにしておくだけで、徹底研究を解いた時の定着・納得度合いが増します。基礎は大事ってことです。特に線形代数はすべてのページ内容を空で言えるようにしていました。
また、新微分積分ⅡのP.147「テイラーの定理(2変数関数の場合)」は絶対にやっておきましょう。電通大の頻出事項ですが、徹底研究や過去問特訓に問題が載ってないからです。
微分作用素を覚えて、マクローリン展開だけできるようにしておけばいいと思います。
復習する時間に比べて得るものが大きいので、高専生なら超おすすめです。ただ、大学生の方は無理にこれを使わなくても、マセマやヨビノリで十分だと思います。たぶん。
うさぎでもわかる解析 Part19 2変数マクローリン展開・テイラー展開
おすすめ度:★★★★☆
2変数のマクローリン、テイラー展開の問題がたくさんあります。微分作用素を使わずに解く方法を教えてくれるのでめっちゃいいです。
ウォリス積分
おすすめ度:★★★★☆
電通大の定積分には、ウォリス積分の形をしたものが多く現れるので絶対暗記しましょう。ウォリス積分によらず使えそうな公式は暗記しまくりましょう。もちろん理解を疎かにするべきではありませんが、公式を暗記するだけで問題を解く速度が上がり、結果として見直しに時間を割けます。
覚えた公式の数は、そのまま試験での武器の数になるということです。
大学1年生もバッチリ分かる線形代数入門
おすすめ度:★★☆☆☆
徹底研究の11章要項を読んでも分からなかったので読みました。超絶わかりやすいのでおすすめです。ただこれを読まなくても解けるとは思います。
線形代数全般で分からないことがあるときに読んでました。
線形代数のエッセンス
おすすめ度:★☆☆☆☆
線形代数を"見る"ことができる動画群。
本科2年の頃からたびたび視聴しては、線形代数への理解を深めていました。
これを視聴すると、
線形代数が大好きになる(個人の感想)
いくつかの公式を暗記せずにイメージで理解できる
徹底研究9章大問4、10章大問1が直感的に解ける
ようになりますが、電通大レベルの編入試験で得点に直結することは少ないと思います。
ただ、線形代数をイメージしながら問題を解く癖がついたのは、間違いなくこの動画の影響によるものです。試験本番で初見の難問(大問2)が解けたのも、もしかしたらこれのおかげかもしれません。
線形代数がほんとに分らんくてつらいよ~って方はおすすめです。
複素関数論
おすすめ度:☆☆☆☆☆
2027年度から複素関数論は試験対象外となりました。高専の授業を含めて半年間勉強してたので余裕でメンブレしました、ハハハ。
たぶん、中編で述べる勉強時間(徹底研究と過去問特訓)に計20時間ほど含まれています。

物理
弱点克服 大学生の初等力学 改訂版
おすすめ度:★★★★★
解説が丁寧で超わかりやすい至極の一品。電通大や岐大ならこれ一冊で十分。
絶対買いましょう。私はもちろん全問解きました。
まーじで時間ないなら頻出分野だけでもいいかもです。ただ、傾向が変わったら詰みます。
基礎 物理学演習I
おすすめ度:★★★☆☆
減衰振動のグラフの作図が分からなかったので、P.45、46だけやりました。過去問でたまに出題されるのでこの2ページはやる価値ありです。
他は電通大には過剰だったり、大学生の初等力学と重複してたりしたので手を付けていません。
弱点克服 大学生の電磁気学
おすすめ度:★★★★★
絶版のため法外な値段で取引されている本書。旧帝とかじゃない限りこれ一冊で電磁気は十分だと思います。絶対に手に入れるべきです。
私は学校の図書館にあったものを使ってました。
例によって例のごとく全問解きました。しかし、時間がなく併願校では電磁気を使わないなら、頻出分野だけでもいいかもしれません。
誤植が多いですが、ボリューミーな正誤表があるのでまだ何とか舞えます。
SCRIBEDやAnna`s ArchiveでPDFが無断転載されています。犯罪なのでやめましょう。
あと、なんか新版がでるっぽいです。読んでないんでアレなんですけど、著者と章立てが変わってるので編入対策として使えるかは未知数です。
読んだらレビューしたいと思います。
マセマ熱力学
おすすめ度:★★★★★
びっくりするぐらい解説が分かりやすいです。本書の学習体験は勉強というよりは授乳に近く、読者は口を開けてるだけで勝手に知識が入ってきます。
改訂3と大学基礎物理の内容はほぼ同じです。しかし改訂3に載ってて大学基礎物理には載ってない内容もあるので、ふつうに改訂7を使いましょう。
ほんとは図書館で新しい改訂7を借りたかったんですけど、東大志望の友達(以下東大君)に借りられてたのでしかたなく2冊使ってました。
勉強方法としては、
問題を解く
公式の導出をノートにまとめなおす
の2点をおこなっていました。特に2に関しては、参考書を読んだ後にその内容をノートにまとめることで定着度合いを確認していました。熱力学の問題は式変形が多いのでいい訓練になると思います。
加えて、マセマの熱力学は分かりやすいですが、電通大の対策にはいらない箇所も多く、あとから見返しづらいです。2をすることで、自分専用のお手頃対策プリントができていくので超おすすめです。

全部理解する必要はなく、次の内容をやっていれば十分戦えると思います。
ボイル・シャルルの法則
理想気体の内部エネルギー
熱力学第1法則
ファン・デル・ワールスの状態方程式
臨界温度・圧力・体積
マクスウェルの規則
モル比熱
定圧・定積モル比熱
マイヤーの関係式
比熱比
ポアソンの関係式
理想気体の公式
カルノー・サイクル
熱効率η
作業物質が理想気体のカルノー・サイクル
ブレイトン・サイクルまたはオットー・サイクル
否定¬
熱力学第2法則
カルノーの定理
エントロピー
クラジウスの不等式
エントロピー増大の法則
波動方程式
おすすめ度:★★☆☆☆
$$
\frac{\partial^2 u}{\partial t^2} = v^2 \frac{\partial^2 u}{\partial x^2}
$$
という式だけ覚えました。
入射波と反射波
おすすめ度:★★☆☆☆
過去問で出たので、この記事だけ読みました。
現代物理学
おすすめ度:❓❓❓❓❓
やってません。山を張ったというよりかは、単に対策する時間がありませんでした。ここ15年くらいの過去問では見たことないので優先度合いは低いでしょう。
英語
COCET2600
おすすめ度:★★★☆☆
著者が岐阜高専にいたので使ってました。理系単語が多く、電通大の長文によく合っていたと思います。
ただ、試験当日にはだいぶ忘れてたので、本書がどこまで役立ったかは謎です。
正直、単語帳は大学受験用のものだったら何使ってもいいと思います。
TOEIC用参考書
おすすめ度:★☆☆☆☆
TOEICの点数をあげるために使いました。電通大ではいりませんが、多くの大学の編入試の英語はTOEICで代替されるので、なるべく早く終わらせておくことをお勧めします。私は4年生の5月の時点で680点で、それ以降は特に勉強していません。
ちなみにTOEIC全般は後述する勉強時間には含めていません。
【英文解釈】リーディングの練習法【評論文】
おすすめ度:★★★★☆
複雑な文を訳すために見ました。おすすめです。
長文読解
おすすめ度:❓❓❓❓❓
ほとんどやってません。本番はTOEICの残りカスで解きました。
個人の感覚として、電通大の英語の長文読解はそこまで英語力が求められてないと思います。この主張を理解するには問題内容を知る必要があります。
例えば令和6年の問題を見てみるとよいでしょう。著作権が怖いので問題文は載せません。
内容は長文の和訳穴埋めです。どの年度でも、文章の展開順序と和訳の順序は一致しています。したがって全文を理解する必要はありません。あらかじめ和訳で本文の主張を把握し、該当する英文を探していけば解ける問題です。
つまり、要約のような高度なテクニックは不要です。該当する英文を探す能力と、その一文だけを正確に訳す力、そして基礎的な単語力があれば十分に対応できます。
ちなみに、穴埋めに問われる英文は、文構造が簡単な場合が多いです。
もちろん(高専生からしたら)長文自体の難易度は高いかもです。ただ上記の考察より、当日のパフォーマンスで何とかなるのではと思い、特に対策していません。これで事故っても文句は言わないでください。
英作文
おすすめ度:★★★★☆
このサイトを読みました。That's all.
過去問
電通大
おすすめ度:★★★★★
13年分解きました。
試験本番を想定してB4の白紙ルーズリーフに解答していました。
丸つけは、Geminiに作成してもらった解答で行いました。間違えた箇所のみ、解説を見つつ自分なりにまとめなおしました。とても時間がかかりますが、理解が深まるので超おすすめです。
誰かの参考になるかもなので、近日中に公開したいと考えています。
電通大はどの年でも出る問題は似通ってます。基礎の参考書を一通り終えたら、なるべく早いうちに過去問演習に取り掛かるのがおすすめです。
あと、合格ボーダーは7割らしいです。
岐大
おすすめ度:☆☆☆☆☆
電通大の2週間前に岐大の編入試があったので解いていました。電通大志望の人はやる必要ないです。
以上、使用した参考書・サイトでした。
これから受験を迎える方に伝えたいのは、とにかく早いうちに勉強と情報収集を始めてほしいということです。早ければ早いほど合格が確実になりますし、これらは同時進行で行うべきです。
どの大学を受けるにしても数学は絶対に必要になるので、はじめのうちは徹底研究を無心で進めていけば間違いないと思います。
続く中編では具体的なスケジュールについて、これでもかと深堀りしていきます。
