VIVANT第2話(通算12回)をみて、私は考察しているのか答え合わせをしてるのかを考えた。
※この記事は『VIVANT』第2シーズン初回(第11話)、第2回(第12話)の内容に触れています。まだ見ていない人はご注意ください。
VIVANT第2話を見た。
もちろん、引き込まれたのは間違いない。
第1話を見たとき、私は少し不安になっていた。
このまま乃木無双で進むのだろうかと思ったからだ。
もちろん乃木は強い。強いのは分かっている。
今さら「乃木ってこんなに強かったのか」と驚く段階でもない。
シーズン1を見た人間は、もう乃木がただの商社マンではないことを知っている。
そうなると、シーズン2はどうしても最初から強い主人公の話になる。
そう考えるとシーズン1は、ある意味で育成型だったのかもしれない。
最初は頼りない会社員のように見えて、少しずつ裏の顔が見えてくる。公安が出てきて、別班が出てきて、テントが出てきて、気づけばとんでもない大風呂敷の上に乗せられていた。
こちらは何を見せられているのか分からないまま、ずるずる引き込まれていった。
その「分からなさ」が効いていたのだと思う。
では、シーズン2はどうするのか。
第1話の時点では、そこが少し見えなかった。
乃木は最初から強い。ドラムも強い。世界観もすでに分かっている。別班もテントも知っている。
この状態で、またド派手に引っ張れるのだろうか。
もしかして、これはスパイものというより、最初から強い乃木が各地で無双する大型エンタメとして見るべきなのかと思っていた。
しかし第2話を見て、少し見方が変わった。
これは乃木無双だけで進むドラマではないのかもしれない。
少なくとも第2話では、シーズン1の裏側をめくるような流れが出てきていた。
アリの拷問、新庄の逃亡劇、そしてラストの長野専務。
知っている人物たちが、別の意味を持って戻ってくる。
「ああ、そこがそう繋がるのか」という感じがあった。
第1話では少し薄く感じていた謎解き要素が、若干戻ってきた気がする。
ただし、それはシーズン1のときと同じ謎ではない。
シーズン1は、先がどうなるか分からないドキドキだった。
シーズン2は、あれは何だったのかを確かめる答え合わせに近い。
シーズン1の答え合わせとしては効いている
第2話で見えてきたのは、シーズン1の裏側だった。
アリがまた出てくる。
正直、シーズン1のときは、拷問されて放逐されて終わりなのかと思っていた。あの扱いで退場した人物が、ここでまた動いてくる。
再度拷問されかけて可哀想ではあったが、その後、謎に乃木側の使い走りというか、協力者のような立ち位置で動き始める。
ただ再登場するだけではなく、シーズン1の裏側に関わっていたような形で戻ってきていたりもする。
この人をキーマンに使ってくるのか。
そう思った。
ただ、同時に少し浅くも感じる。
アリが仲間のように動くこと自体は引きがある。
引きはあるのだが、そこに至る感情や関係がどこまで積まれているのかは、なんとも微妙である。
いや、あのシーンだけで?
そんなに深かったっけ? 関係…。
みたいな気持ちもある。
いや、これも伏線なのかもしれない。
そう思わせるところが、またVIVANTである。
新庄もそうだ。
シーズン1から残っていた人物が、シーズン2で別の意味を持ち始めた。
とはいえ、色々と雑な感じもある。
例えば、新庄が何か納豆を食っているシーンが唐突に出てきていた。
あれを見たとき、絶対に何かあるだろうと思った。
そして、本当にあった。そんな風に繋げるのねと。何か雑い。
雑いのだが、細かいところが妙にコメディなのに、ちゃんと伏線として機能している。
ここは効いている。
なんてことない小道具だけども、後から「あれはそういうことでした」と出してくる。
こういう答え合わせは、やっぱり見てしまう。
そして第2話は最後に長野専務である。
長野専務が出てきたときは、さすがに笑った。
いや、あのおっさん、そっち側なのか。
シーズン1でも妙な存在感はあった。どこか本筋から外れているようで、完全に外れているとも言い切れない。
そういう人物が、ここでまた別の顔を見せる。
伏せカードオープン! 実はこの人は○○でした。
そんな感じである。
そこには確かに引力がある。
ただ、少しひねくれた見方をすると、これは考察なのか答え合わせなのか分からなくなる。
こちらは考察しているつもりで見る。
この人は怪しい。
この小道具は怪しい。
この行動には意味があるはず。
そう思いながら見ている。
しかし実際には、制作側が用意した答え合わせ会場に座らされているだけなのかもしれない。
「はい、そこは正解です」
「そこはまだ開けません」
「この人は実はこうでした」
そんなふうにカードをめくられている感じがある。
それは続編としては正しいのかもしれない。
シーズン1で広げたものを、シーズン2で回収していく。
前作で置いていた違和感や人物を、別の意味で再配置していく。
続編でしかできない面白さである。
ただ、それはシーズン1のような新しい驚きではない。
初めて大風呂敷を広げられたときの、「何だこれは」という感覚とは違う。
すでに知っている世界の裏側を見せられている。
それが効いている一方で、少し食い足りなくもある。
何を見せたいのか、まだ見えない
一方で、第2話もスパイ劇として見ると、やっぱり引っかかるところだらけではある。
乃木とドラムの密入国。
Nシステムから隠れろという流れ。
変装の雑さ。
あれでよく騙せるな、という感じがどうしても出てくる。
もちろんドラマである。
全部を現実の捜査や諜報活動と比べても仕方がない。
仕方がないのだが、さすがに「それで通るのか」と思う場面はある。
いくら別班が用意したとは言え、それなりの都市のホテルなんかに泊まったら、普通はそこから足がつくのではないか。
それよりも、キプロスで乃木とドラムが動いて、アリとも合流して、一緒に行動していたなら、調べれば何か出てきそうなものである。
チョッキーという謎キャラも出てきたが、新庄さんの調査のさせ方も甘すぎるし、勘が鈍すぎるんじゃないかと。
いや、新庄にも事情があるのだろう。こちらがまだ知らない情報もあるのだろう。後から何か出てくるのかもしれない。
しかし見ている側としては、スパイ戦の緊張感よりも、イベント進行の都合を感じてしまう瞬間がある。
そういえば、新庄逃亡の秘密が分かる切っ掛けとなった線状降水帯もそうだった。
第1回に出てきた線状降水帯のニュース。
何か関係していそうな気配はあった。
今回、静岡の空港がリストに出てきた瞬間に、あれ?と思った。
そして結局、線状降水帯がトリガーになり、静岡の空港へ戻ってくる。
うん。怪しいとは思っていたけどね。そう来たのね。
引っ張られるのだが、同時に強引でもある。
このあたりの雑さは、VIVANTらしさなのかもしれない。
シーズン1も、よく考えれば大風呂敷を広げたわりに、細かいところで気になる部分はあった気がする。
私が神格化しすぎているだけなのかもしれない。
あれもあれで、かなり力技の大型エンタメだった。
そして、新キャラも出てくる。
たとえば先ほど触れたチョッキーである。
今後の盤面に大いに絡んでくる人物なのだろう。そうでなければ困る。
ただ、初見の印象としては、タイだからこういうキャラクターを置きました、という記号にも見えてしまう。
これが後で効いてくるならいい。
むしろ、効いてきたら手のひらを返す準備はある。
ただ、今の時点ではまだ分からない。
チョッキーのキャラクターを面白おかしく見せたいのか。
新しい土地の空気を見せたいのか。
シーズン1の答え合わせをしたいのか。
新しい敵を見せたいのか。
まだ、どれなのかが掴みきれない。
シーズン1なら、その掴みきれなさが魅力だった。
シーズン2では、その掴みきれなさが少し引っかかりになる。
ここが難しい。つまらないわけではない。
むしろ第2話は、私は第1話より引き込まれた。
アリがまた拷問されて、新庄の逃亡方法が分かって、長野専務のカードが開く。シーズン1の裏側が徐々に見えてくる感じには、やっぱり引力がある。
ただ、その引力は、先がどうなるか分からないドキドキとは少し違う。
どちらかといえば、前に置かれた問題の解答欄を一つずつ見せられているようなものだ。
答え合わせとしては効いている。
でも、答え合わせだけで2クール持つのか。
そこはまだ分からない。
今の私が引っかかっているのはそこだと思う。
VIVANTに求めていたのは、シーズン1の継承だった。
大風呂敷を広げて、ド派手に引き込んで、先がどうなるか分からないまま走らせる力。
第2話では、その代わりに「シーズン1の裏側をめくる力」が見えてきた。
それはそれで見てしまう。
ただ、それが本当に求めていたものだったのかは、まだ分からない。
結局、私はこれはどうなんだ?なんて言いながら見ている。
変装が雑だとか、密入国がざるだとか、チョッキーは浅くないかとか、新庄の変装もざる過ぎるとか、いろいろ言っている。
それでも見てしまう。
長野専務のカードを切られたら、次回も見るしかない。
考察しているのか。
答え合わせさせられているのか。
その区別がつかないまま、私は次のカードを待っている。
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