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建築思考でバーチャル空間の可能性を探る。物理空間と情報空間を等価に扱うバーチャル空間デザイナーの仕事

こんにちは。Fujitoです。

私は現在、建築設計の経験をベースに、VRやAR、3DCGなどを使ったバーチャル空間の企画・設計・制作をしています。

「バーチャル空間デザイナー」と名乗り、2021年頃から活動してきました。

ただ、この仕事について説明しようとすると、いまだに一言ではなかなか伝えきれません。

VRChatのワールドをつくることもあれば、都市空間で体験するARコンテンツを制作することもあります。クライアントワークとして空間を設計する一方、自分たちでアプリケーションや作品をつくることもあります。

バーチャル空間だけではなく、建築設計事務所の役員としてフィジカルな建築にも取り組んでいます。

一見すると、いろいろなことをしているように見えるかもしれません。

しかし、自分の中ではすべてがつながっています。

私が設計したいのは、建物や3Dモデルそのものだけではありません。

その場所で人がどのように移動し、何を見て、誰と関わり、どのような時間を過ごすのか。

ユーザーのふるまいの場と、そこで起こる体験を空間としてデザインすることです。


それが、私の活動に共通している考え方です。

この記事では、私が考えるバーチャル空間デザイナーの仕事と、建築、XR、クリエイター活動を横断する現在の活動について、改めてまとめてみたいと思います!




バーチャル空間デザイナーって何?

「バーチャル空間デザイナー」は、まだ一般的な定義が確立されている職業ではありません。

以前の私は、自分が勝手に言っている職業ですと説明していましたが、活動を続ける中で、自分なりの定義は少しずつ見えてきました。

私が考えるバーチャル空間デザイナーとは、VRやARなどの情報空間において、空間を軸にそこで起こる体験まで設計する仕事で人の行動や感覚まで含めて設計することが、バーチャル空間デザインだと考えています。


バーチャル空間デザイナーとしての仕事

現在は「xRaftnauts/クラフトノーツ」という、XRやバーチャル空間に特化した空間デザインスタジオを運営しています。

建築設計の経験をベースに、バーチャル空間の企画・設計・制作、VRChatのワールド制作、都市ARコンテンツなどに取り組んでいます。


これまでには、次のようなワールドや空間の制作に携わってきました。

ワールド制作:aetherium void [Echo of Ray]
ワールド制作:sanrioVfes2025 出展作品「妖怪となかなおり」by exxp
ワールド制作:国立科学博物館 電子楽器の創造展

世界観を伝えることが重要な空間もあれば、展示内容を理解しやすくすることが重要な空間もあります。

人が集まってコミュニケーションする場所では、見た目の美しさだけではなく、人同士の距離や滞在場所、移動のしやすさも考えなければなりません。

私は建築設計で培ってきた、条件を整理しながら空間全体を組み立てる考え方を、バーチャル空間の制作にも生かしています。

一方で、バーチャル空間には、建築にはない表現やインタラクションがあります。

そのため、建築の手法をそのまま持ち込むのではなく、バーチャルだからこそ生まれる体験を探しながら設計することを大切にしています。


クリエイターとして、自分たちからつくる

次に紹介したいのは、クリエイター活動です。
例えば一級建築士によるクリエイティブユニット「FujitoMatsubara」というチームで「Bazariba」というARアプリケーションを制作しています。


またBOOTHでVRC向けのワールドを販売していたり、


TNXRという都市XR実装コミュニティで展示をして、XRの社会実装を意識した活動もしています。

主に自分から何かを生み出すようなことをXRのクリエイター活動として位置付けているような形です。

とにかく試してみるという精神で、自分のスキルを日々磨いています。


フィジカルな建築設計も、もう一つの本業

バーチャル空間やXRの活動を続ける一方で、2024年からは建築設計事務所を法人化し、改めてフィジカルな建築設計にも取り組んでいます。

建築設計事務所はチームで経営しており、教育施設や商業施設、オフィスなど、さまざまなクライアントの空間を設計しています。

Slow Art Center NAGOYA
エステサロン


「建築とバーチャルの、どちらが本業なのですか?」と聞かれることがあります。

自分としては、どちらも本業だと考えています。いくつかの本業を持っている、という感覚に近いかもしれません。建築、バーチャル空間、クリエイター活動でも物理空間と情報空間を等価なデザイン対象として扱っています。


物理空間と情報空間を分けずに考える

私たちは日常の中で、すでに物理空間と情報空間の両方を行き来しています。

現実の場所にいながらスマートフォンで情報を見たり、遠くにいる人と話したり、地図やナビゲーションを使って移動したりしています。VRでは、身体は現実の部屋にありながら、知覚や意識は別の空間へ移ります。

ARでは、目の前の物理空間に情報や3DCGが重なります。これからは、物理的な現実だけを「リアル」と呼ぶことが、少しずつ難しくなっていくのではないかと考えています。

物理空間と情報空間は、どちらか一方がもう一方を置き換えるものではありません。それぞれに異なる特徴や制約があり、異なる体験を生み出します。

そして両者が関係し合うことで、これまでになかったリアリティが生まれる可能性があります。私は、その新しいリアリティを空間という視点から設計したいと考えています。

バーチャル空間をつくることだけが目的ではありません。フィジカルとバーチャルのあいだに、どのような体験をつくれるのか。

そこで人の行動や感覚、コミュニケーションがどのように変わるのか。それを実際の仕事や作品を通して考え続けています。


建築設計から、XRの世界へ

私はもともと、建築設計事務所で働く建築意匠設計者でした。

社会人になってから約9年間、タイプの異なる二つの建築設計事務所を経験しています。

一社目では、大規模な公共施設や教育・文化施設を中心に設計し、二社目では、デザインコンサルティングと建築設計を横断するような仕事に携わっていました。どちらの事務所でも、意匠設計者として建築の企画や設計に取り組んでいました。

そして2020年にXRに出会い、2021年には、XRをどうしてもやりたくて、仕事をやめて独立したわけです。

VRやARに触れる中で、これまで建築で考えていた空間設計を、物理的な建物とは異なる場所でも実践できることに気づきました。

現実には存在しない空間をつくることができる。離れた場所にいる人たちが、同じ空間へ集まることができる。完成後も更新しながら、空間や体験を変えていくことができる。

ただ、建築を辞めてバーチャルへ移った、という感覚ではありません。当時から、建築とバーチャルの両方を続けたいと考えていました。私にとって建築とXRは、まったく別のものではなく、どちらも人と空間の関係を考えるための領域だったからです。



好きな事とプライベート

趣味は建築巡りや散歩、旅行です。最近は以前ほど旅行に行けていませんが、VRChatでさまざまなワールドを巡ることも好きです。

空いた時間には、Blender、Unity、Substance Painter、Unreal Engine、Houdiniなどのツールを勉強しています。XRや3DCGの世界には、技術も表現も、まだ知らないことがたくさんあります。

周囲には本当にすごい方が多く、日々学ぶことばかりです。ただ、分からないことが多いからこそ、試したいことも次々に出てきます。

好きなことを仕事にしているタイプなので、オンとオフの境界はあまりありません……。

また、私には小さな子どもがいます。子どもが生まれてから生活のリズムは大きく変わりました。基本的には在宅で仕事をしているため、日中から育児に参加しつつ、周囲の協力を得ながら現在の活動を続けています。


これからやっていきたいこと

私自身、好奇心が旺盛なので、実はかなりやりたいことがあります。ここでは、その一部をご紹介したいと思います。

◇ ワールド制作とアセット販売を増やす

VRChatなどで体験できるワールドの制作や、制作に活用できるアセットの販売を増やしていきたいと考えています。実際に多くの人に体験してもらえる機会をつくっていきたいです。

◇ XRの作品制作

VRやARの仕事を続けながら、自主的な作品制作にも取り組んでいきます。ハッカソンや展示などにも参加しながら、用途がまだ決まっていない技術や表現を試し、新しい体験の可能性を探っていきたいです。

◇ XRや空間デザインに関する情報発信

バーチャル空間デザインは、まだ十分に整理されていない領域です。制作方法だけではなく、建築との共通点や違い、空間体験の考え方、仕事としての進め方など、自分の経験をもとに発信していきたいと考えています。このnoteも、そのための場所として続けていきます。

◇ 空間を軸とした新しいリアリティの構築

これは、活動を始めた頃から変わらず抱いているテーマです。物理空間と情報空間を分けるのではなく、両方を空間デザインの対象として考えること。そして、その二つの関係から生まれる新しい体験やリアリティをつくること。少し抽象的な目標ではありますが、建築、XR、3DCG、作品制作など、現在行っているすべての活動は、ここにつながっています。


さいごに

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

改めてまとめてみると、本当にいろいろなことをしているようにも見えます。それでも自分の中では、

人のふるまいの場と、そこで起こる体験を空間としてデザインする

という一つの考えでつながっています。

バーチャル空間デザイナーという仕事も、まだ明確な形が決まっているわけではありません。だからこそ、実際につくりながら、その仕事や役割を自分なりに更新していきたいと思っています。

今後も、バーチャル空間デザイン、建築、XR、3DCGなどについて発信していく予定です。もしよろしければ、フォローや「スキ」を押していただけると泣いて喜びます!

少しでも私の活動や考えを知っていただけたら幸いです!



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