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成果を見える化しないと挫折する

体重計を買った。

「いや、それだけ?」と思われるかもしれないが、この小さな行動が、仕事にも人生にも効く大事な気づきに繋がった。

今日はその話をしたい。

人生で一度も腹筋が割れたことがない

私は1年半ほど、キックボクシングのジムに通っている。

プロを目指しているわけではない。フィットネス目的だ。健康維持と体力向上のために通っている。

あとは、昔から格闘技が好きだったという単純な理由もある。K-1の魔裟斗選手やブアカーオ選手が全盛期だった頃、テレビにかじりついて観ていた世代だ。

週に1〜2回、シャドーボクシング、ミット打ち、サンドバッグ、筋トレなどを行う。1回あたり1時間半から2時間くらいジムにいる。結構追い込んでいるほうだと思う。

消費カロリーも高いし、体力もついてきた実感はある。体もちょっとずつ絞られてきている感覚があった。

しかし、密かに抱いていた願望がある。

「腹筋を割りたい」である。

私は、人生で一度も腹筋が割れたことがない。別に太っていたわけではない。身長185cm、体重70kg前後。BMIは正常値で、むしろ痩せ型だ。

それなのに、皮下脂肪がなかなか取れない。シックスパックがほど遠く感じてしまう。

1年以上トレーニングを続けて、体は変わってきている気はする。しかし「気がする」止まりだ。

なぜか。測っていなかったからだ。

恥ずかしい話だが、我が家に体重計がなかった。トレーニングに通っているのに、体重も体脂肪率も正確に把握していなかった。

本当に舐めている。トレーニングしている人からしたら「は?」だろう。

体重計を置いた瞬間、景色が変わった

最近ようやく、オムロンの体重計を買って自宅に設置した。

4,000円弱のものだ。高価なものではない。

なぜ今まで買わなかったのか。

理由は「めんどくさい」。ただそれだけだ。

早速測ってみると、体重は70kg前後。体脂肪率は14〜15%あたりを推移している。

トレーニングを本格的にやっている人に聞いたところ、腹筋が割れ始めるのは体脂肪率12%あたりからだそうだ。10%を切ると、いわゆるバキバキのシックスパックが見える。

ということは、あと3%ほど体脂肪を落とす必要がある。体重にすると約2kg分だ。

この数字が分かった瞬間、気持ちが明確に変わった。

「あと2kgの脂肪を落とせばいいのか」

闇雲に走っている感覚がなくなった。現在地が分かると、ゴールまでの距離が見える。距離が見えると、やるべきことが具体的になる。モチベーションが湧いてくる。

今までは「なんとなく体が絞れてきた気がする」だった。

体重計を置いてからは「あと2kg分の体脂肪を落とせばいい」になった。

この差は、思っている以上に大きい。

しかも、日々測定していると、どのタイミングで体重や体脂肪が増減するのか傾向が見えてくる。

傾向が見えると、行動の選択が変わる。数字がなければ、この判断はできない。

4,000円弱の体重計が「意識」と「行動の質」を変えてくれた。もっと早く買えばよかったと心底思っている。

「空振り」が一番つらい

ボクシングの世界では、よくこう言われる。

空振りが一番疲れる。

パンチを打っても相手に当たらない。手応えがない。ダメージを与えている感覚がない。この状態がメンタルに一番くる。

逆に、パンチが当たっている実感があれば、疲れていても踏ん張れる。「効いている」という手応えが、次の一発を打つエネルギーになる。

これは仕事でもまったく同じだ。

私は本業でSNS運用をしている。

現状のKPI(重要な指標)はフォロワー数だ。

出勤するたびに、数値を記録している。

どの投稿でどれだけフォロワーが増えたか。どの切り口が伸びやすいか。

この数字が見えているから「この施策でこれだけ増えた。じゃあ、次はこの方向に寄せてみよう」と判断できる。手応えがあるから、次の一手を打てる。

もしこの数字がなかったら。

毎日投稿しているのに、成果が見えない。伸びているのかどうかも分からない。ただ打ち続けているだけ。空振りの連続だ。

これではモチベーションが続くわけがない。

成果を見える化する。たったそれだけのことで、続けられるかどうかが大きく変わる。

「なんとなく」で走り続けるのは、思っている以上に危険

振り返ると、私は「なんとなく」で走っていた期間が長すぎた。

キックボクシングも1年以上、体重計なしでやっていた。体が変わってきている「気がする」だけで、具体的な数字は持っていなかった。

この「なんとなく」という状態が、実は一番危険だ。

なんとなくやっているだけでは、改善のしようがない。

改善できなければ、成果は出ない。延々と繰り返しているのに成果が見えないと、モチベーションが下がる。そして「自分には向いていないのかもしれない」と諦めてしまう。

挫折する人の多くは「なんとなくやっている」というパターンが多いように思う。

本当は、ただ成果が見えていなかっただけで、やっていること自体は間違っていなかったかもしれない。

私も今まで散々挫折してきた人間だから、偉そうなことはいえない。しかし、成果が見えなくて諦めてしまった人は、世界中に溢れている。

これは、本当にもったいないことだと思う。

すべての土台は「地味な作業」

多くの人は、派手なことを好む。

きらびやかな成果、目に見える大きな変化、分かりやすい結果。

しかし、派手な成果の裏側は、想像以上に地味だ。

トップアスリートだって、練習している様子はとても地味だ。改善するべきポイントを意識しながら、地道に反復練習を行っている。

結局、地味なことがすべての土台を作っているわけだ。

ただ、地味なことを続けるのは、想像以上につらい。めげそうになる。

そんな状況を乗り越えるためには、成果の見える化が大切なのだと思う。

体重を毎日測る。フォロワー数を毎日記録する。行動目標を手帳に書いて、できた日にシールを貼る。

どれも地味だ。格好いいことはひとつもない。

でも、この地味な作業が「空振り感」を消してくれる。手応えを生んでくれる。続ける理由を作ってくれる。

もし今、なにかに取り組んでいるのに手応えが感じられないなら、まず成果を数値化してみてほしい。

体重計を買うような、小さなことでいい。

現在地が分かるだけで、走り方は変わる。闇雲に打ち続ける空振りから、手応えのある一発に変わるはずだ。

体重計でもいい。手帳でもいい。スプレッドシートでもいい。

ツールはなんでもいい。大事なのは「今、自分がどこにいるのか」を数字で知ることだ。

現在地が分かれば、ゴールまでの距離が見える。距離が見えれば、やるべきことが見える。やるべきことが見えれば、動ける。

見える化は、モチベーションを維持するための仕組みであると同時に、冷静な判断を下すための土台でもある。

頭のなかで「なんとなく」を抱え続けるのではなく、数字として外に出す。それだけで、頭のなかのノイズがひとつ減る。

圧倒的に地味だ。

しかし、この地味な一歩がすべてを変えてくれる。

ふくきた|才気道 家元

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