🟩 木曜連載|受け継がれてきた暮らし🌿 第26話|形には理由がある。
徳島を歩きながら、あらためて感じたことがあります。
昔から受け継がれてきたものには、どれも「形」があります。
神社の鳥居。
しめ縄。
茅の輪。
藍染の模様。
そして、精麻で作られた結び。
どれも美しく見えます。
でも、その形は、ただ美しいから残ったのでしょうか。
私は、そうではないように思います。
例えば、しめ縄。
縄を張ることで、「ここから先は少し特別な場所ですよ」という境界を表します。
茅の輪は、人がくぐることで節目を迎え、新しい気持ちで日常へ戻るための形です。
どちらも、ただ飾るためではなく、人の暮らしの中で役割を持ってきました。

畑でも同じことを感じます。
畝を立てる。
種をまく。
支柱を立てる。
一つひとつの形には理由があります。
見た目を整えるためではありません。
植物が育ちやすく、人が手を入れやすくするための知恵です。
形は、暮らしの中から生まれてきたのです。

精麻の紐もそうでした。
最初は一本一本ばらばらだった繊維を撚り、一本の紐にしていきます。
結びにも、それぞれ意味があります。
強く結ぶため。
ほどけにくくするため。
贈るため。
身につけるため。
それぞれの形には、暮らしの中で育まれてきた理由があります。
私たちは、形を見ることはできます。
でも、その形が生まれた理由を考える機会は、あまり多くありません。
だからこそ、神社や畑、手仕事を通して昔の暮らしに触れると、
「なぜ、この形になったのだろう。」
そんな問いが自然と生まれてきます。
形は、誰かが考えた答えです。
そして、その答えが長い年月をかけて受け継がれてきたからこそ、今も私たちの前に残っています。
これからも、一つひとつの形に込められた理由をたどりながら、「受け継がれてきた暮らし」を見つめていきたいと思います。
表紙の画像は精麻のドリームキャッチャー。
なんだか吸いこまれるような不思議な魅力があります。
🌿 お知らせ
精麻のワークショップや、手撚りの精麻紐の販売も行っています。
興味のある方はプロフィールからご覧ください。
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