ボイトレ4か月で気づいた。技術と心理は別の問題だった
ボイトレを始めたのは4月の半ばだった。声が小さいという自覚があって、それを直すために通い始めた。あれから4か月が経った。
結論から言うと、声は出るようになった。レッスンの中では、以前とは比べものにならない大きさの声が出る。呼吸の使い方も、姿勢も、口の開け方も一通り教わった。技術としての発声は、たしかに身についたと思う。
でも、日常会話では声が小さくなってしまう。
技術は身についたのに、使えていない
始めた当初の私は、こう考えていた。声の出し方さえ覚えれば、日常会話でも自然と大きな声が出るようになるだろう、と。基本さえ押さえれば、あとは勝手に応用されるものだと思っていた。
案外そうならなかった。レッスン室では出るのに、日常会話や人との雑談では、以前と同じくらいの声量に戻る。意識すれば少しは出るが、意識し続けないと出ない。
つまり、今の私に足りなかったのは技術ではなかったということだ。技術はもう手元にある。使えていないだけだ。だとすると原因は心理側にある。
小学生のときの記憶が、まだ残っている
少し自分の話をしたい。私は小学生のとき、人前に出ると泣いてしまうということを何度も経験した。発表の場面でも、注目される場面でも、そうなった。
その経験のせいで、声を出したり人と関わったりすることが怖いと感じるようになった。今も、その感覚は消えていない。FIREして4年が経ち、読書生活を2年半続け、東京に出てきた今でも残っている。
学習性無力感という言葉がある。逃げられない状態で電気ショックを与え続けられた犬は、そのあと柵をまたげば逃げられる場所に移されても、逃げようとしない。座ったまま耐えてしまう。
何をしても変わらないと学んでしまった体は、変えられる状況になっても動かない。私に起きているのも、たぶん同じ形だと思う。ボイトレで柵はもう低くなっている。それでも私は、またごうとしていない。
心理的な壁の崩し方を考えた
では、どうすればこの壁を崩せるのか。
私が今のところ考えているのは、心理的に抵抗があることに積極的にトライすることだ。やってみて、自分にもできた、という経験を積む。その積み重ねでしか自信はつかないのだろうと思う。
だから9月から歌の練習を始めることにした。歌は声の表現や感情表現にもつながるので、別のスキルも学べるのがいい。歌うのは好きだが、かなり下手だ。人前で歌うのは抵抗があってできない。だからこそ、その壁を崩せたら心理的なハードルが下がるのではないかと思っている。
来月からの目的を設定し直した
来月、契約を続けるかどうかの時期が来る。考えた末、続けることにした。ただし目的は設定し直す。新しい目的は、先生と同じくらいの声が出せるようになることだ。
レッスンはカメラで録画されているので、先生の声と自分の声を並べて聞き返せる。これが効いた。
話している最中は、自分の声が小さいことに気づけない。自分の声は頭の中にも響くので、外に出ている量より大きく聞こえてしまうのだと思う。映像を見るまで、先生とこれほど差があるとは思っていなかった。
「声が出るようになった」というのは、結局のところ過去の自分との比較だった。たしかに以前よりは出るようになった。でも先生の声と自分の声を並べて聞き返すと、まだまだ大きな差がある。比べる相手を変えると、見えてくるものが変わる。
心理的な壁は、経験でしか崩せない
4か月やって、いちばん腑に落ちたのはこれだ。私が避けてきたのは大きな声そのものではなく、そこにくっついてくる心理的な壁のほうだった。
学習性無力感は、経験でできた壁だ。だとしたら、崩れるのも経験によってしかない。「やっても変わらなかった」を「やってみたら平気だった」で上書きしていくしかない。
発声の練習であればそこそこ大きな声が出せるようになってきた。でも雑談形式の練習になると、まだ声が小さくなってしまう。平気になった場所の先に、まだ壁がある。
だから歌の練習を混ぜることで、心理的に抵抗があることのレベルを一段上げていく。
声の出し方を覚えれば、あとは自然と日常でも使えるようになると思っていた。でもそうではなかった。技術と心理は別の問題だったのだ。それがこの4か月で一番大きな気づきだった。抵抗を感じる場所が、少しずつ移ってきている。来月からは、そのレベルを一段上げるつもりで通う。
皆さんは、頭ではわかっているのに体が動かないという経験はありますか? ぜひコメントで教えてください。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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