空き巣!
さて 皆さん
皆さんの中に「空き巣」の被害を受けた
ことがある!という方は いらっしゃる
でしょうか?
どうして こんな話を 始めたかというと …
今でも 時々 空き巣に入られた日のことを
思い出すことがあるからなんです
とは言え 僕がまだ高校生だった頃のこと
なので かなり昔の話にはなるんですけど
今回は そのお話をさせて頂きますので
もし宜しければ 少しだけお時間を頂け
ないでしょうか?
※ ※ ※
僕が入学することになった高校は 自宅から
通うことが出来ないぐらい 遠い町にあった
親の脛を齧りまくっていた僕は なるべく
親の負担を減らすため 高校まで自転車で
通える物件の中で 一番安いアパートに住む
ことにした
その部屋の玄関の「扉」は 左右にスライド
させて開閉するタイプで “4桁のダイヤル錠 ”
が取り付けられていた
(もうこの段階で 被害に遇いそうな感じが
十分伝わってくるでしょ? 笑 )
高校2年の11月末 その日は 日曜日だった
僕は近所の総菜店で 安売り中のコロッケ
を何個か買い 15分ほどして部屋の前まで
戻ってみると …
ちゃんと掛けた筈の ダイヤル錠の様子が
何か少し変わってることに気が付いた!
ダイヤル錠の「逆U字のフック」が解除
された状態で斜めに傾き 扉にかろうじて
ぶら下っていたのだ
僕は それを見た瞬間 … 背筋がゾッとした
開けられたダイヤル錠を 摘まみ上げて
玄関の扉をゆっくり開けて 部屋の中に
誰もいないことを確かめるが…
勉強机の一番大きな引き出しが 途中まで
引っ張り出されているのが見えた!
ぎゃぁぁぁあああ …
それはもうどうしようもない悲劇的な
状況だった
引き出しの中に 親から送られた茶色の
現金封筒が見えたので 僕は慌てて
その封筒の中を覗き込む!
前日 届いた3万円の中から1万円だけを
取り出して 財布に入れ … 残りの2万円は
現金封筒に入れたままにしてたのに
… 封筒は空っぽだった
仕方なく 公衆電話から親に連絡し すぐに
警察へも通報した
そして 刑事さんに聞かれるまま 被害の状況
を話したところ 刑事さんは …
「盗られたお金は すぐ使われることが多い
だから お金は戻らないと思った方が良い!
だが 我々が必ず捕まえて 犯人には 服役で
罪を償って貰うからそのつもりでいて欲し
い 」 … とのことだった
しかし いくら犯人には服役で と言われても
お金は戻らないという言葉は ショックだった
両親が息子のために 懸命に工面してくれた
お金を 見す見す空き巣に盗られてしまうとは …
この時ほど情けないと思ったことは無かった
だが実は この時 僕は 現金だけ被害にあった
訳ではなかった
… もう一つ 盗られた物があったのだ
それは街角の薄暗い場所に置かれた 自動
販売機で売られていた グラビア女優の
写真集だった
その価格は3千9百円! 何故か書店では
販売されず 自販機でしか買えなかった
だから人目に付きにくい夜中に 決死の覚悟
で その自販機に忍び寄り 周囲に誰も居なく
なった瞬間を見計らって 大慌てでお金を
投入して ようやく入手にした お宝だった
この写真集は 当時の高校生にとって 極めて
デンジャラスな内容を含んだ一級品だった!
そして更にその写真集には 最強と言っても
過言ではない「袋とじ」というプレミアムな
“おまけ” まで 付いていた
しかし これは 特別な日まで とっておこう!
と心に決めてハサミは入れず 未開封のまま
残してあった
そんな物まで盗まれたと素直に言えない僕は
刑事さんには 現金だけ被害にあったと嘘を
ついてしまった
現金は戻る見込みが無いと言われて ショック
だったけど 「袋とじ」を見ないうちに盗られた
ことも 僕には お金と同じぐらい悔しかった
そして…
事件の日から 半年ほど経ったある日のこと
あの刑事さんが 例の犯人を逮捕した!と教え
てくれた
犯人は 警察署内で “ 空巣の寛太(仮名)”
と呼ばれていた 空き巣で有名な 常習犯だった
そうだ
犯人は 200件に及ぶ犯行のうち ダイヤル錠を
開けて 犯行に及んだのは3件のみだったため
犯行内容は よく覚えていたらしい
ダイヤル錠を使う人間は大抵 4桁全ての番号
を別々にではなく 4つのダイヤル全てを同時
に1つ~3つ 左右のどちらかに回して 施錠
することが多い
だから 開ける時も4つのダイヤル全てを一緒に
回せば 大体 開くんだよ!と言ったそうだ
けれど … 犯人は お金と共に グラビア写真集
を盗ったことを なぜ自供しなかったんだろう?
いや本当は犯人が自供してたのに 刑事さんが
僕に言わなかっただけなのかも知れない …
でも 今となっては もう真実は分からない
薮の中だ
ただ … 写真集の代金だって もとを正せば
両親が生活費を削って 送ってくれたお金
だった
あの日のことを思い出す度 救いようのない
ドラ息子だったと 今でも後悔の気持ちで
胸がいっぱいになってしまうのだ
(おしまい)
この【エッセイ】は …
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