【ゲームレビュー】ManeaterーーこのゲームはB級なのかA級なのか
ゲーム名:Maneater
プラットフォーム:Steam Switchなど
発売日:2021年5月25日
開発元:Tripwire Interactive
サメサメパニックホラーの皮を被ったバカゲー風味のアクションゲーム
【いきもの収録項目数】
全20
動物3 魚15 水0 ハ両2 鳥0 虫0 古生0
てってって、てってって、しゃーく。みなさんはサメ映画をどのくらい見たことがあるだろうか。ある程度の年齢の人は「『JAWS』なら金曜ロードショーで見た」と言うのではないだろうか。最近も米津玄師がサメに乗って話題になったり、ついでにマクドナルドのJAWSコラボのハッピーセットがそのサメライドに似ているからと高値で取引されたりと、なにかとみんなサメが好きなのではないだろうか。図鑑でもサメ単独で一冊出ることが珍しくない。
人気のサメだが、これが映画になると、なぜか一気にコミカルになる。B級映画=サメ映画みたいな図式もできるくらいに、サメ映画はパニックホラーの中でも笑いが出てしまう部類だ。真面目に作っているはずなのに、なんか面白い。低予算でも作れてしまうから低予算さが面白いし、予算めっちゃ使っていてもサメが変な能力を持っていることが多く、変な感じがして面白い。同じ映画でもゴジラは怖くもかっこいい存在なのに、サメはなぜかこう、コミカルになってしまう。真面目にやっているし、人にとって脅威であるのだが、なんでかこう、コミカルだ。
そのコミカルさをこのゲームは受け継いでいる。サメ映画のゲーム版だ。ストーリーを簡単に言うと、母を殺されて人間に復讐を企むように見えるオオメジロザメが、過酷な自然の中で成長し、海の覇者となり、ついでに母を殺した人間とも戦っちゃうという話だ。プレイヤーはサメを操作するのだが、サメがどう思っているかというモノローグは一切出てこない。プレイヤーは小さなサメが様々ないきものを食べてサメを大きくし、能力を育てて強いものを倒す。強いものを食べ、大きくなる。その延長線に母殺しの人間がいるだけで、サメは決して積極的に復讐のために大きくなっているのではない、と僕は考える。

このゲームがコミカルに思える最初の要因は、翻訳の雑さだった。サメを狩る荒々しい漁師が荒々しい口調の中に、謎の丁寧語で話していたり、シャチがオクラになっていたり、アザラシが密閉になっていたり。翻訳のミスというものは、基本的にはよくわからないカタカナ語になることが多かったり、翻訳の反映ミスが出たりするものだが、真面目に翻訳しているのに中高生の翻訳っぽい、場面に合わない翻訳や誤訳が出ることが面白い。

しかし、残念なことに、このゲームが人気になると日本語のローカライズがしっかりされてしまい、もともとの面白かった和訳がなくなってしまった。英語では真面目にやっているのだから、真面目な訳がつくほうが日英で違いが出ないのだが、なんとも残念。『デストロイオールヒューマンズ』みたいだよね。
いきものとしてはあまり多くない。というのも、名前が出ているいきもの(食べられるいきもの)があまり多くないし、ボスもそんなにぽんぽんいるわけではない。図鑑もないので、動き回る脅威を避けながら写真を取らなければならないのでとても大変だった。いきもののグラフィックとしては結構しっかりしていて、眺めていると面白い。

主人公のオオメジロザメはサメの中でも悪食で何でも食べる。海につながっている河口でも深海でも動き回ることができ、時には腐った食べ物であっても食べるそうだ。ゲームの中のオオメジロザメも、しっかりとなんでも食べる。ウミガメであってもボリボリと。
ちなみに、人間を多く襲っているいきものという点では、実はサメはそんなに上位にいかない。蚊やツェツェバエのように病気を引き起こす虫が強い。いきもの自身のちからで言うと、毒のあるヘビやワニのほうが人にとって脅威だ。獣害事件としてもサメは上位にこない。サメからしたら風評被害であるが、ゲーム世界であればサメの脅威は跳ね上がるのだろう。もしものときには気をつけておきたい。
翻訳が直ってしまって味わいは変わってしまったが、ゲームとしてはしっかりと面白いので、サメになりて〜という気持ちになったとき、頂点捕食者になってみたいときにはぜひプレイしてみてください。
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