年次が浅かった頃に知りたかったシリーズ③~「指示を出した」ではなく「指示が通った」までを見る。~
みなさんこんにちは、数学meganeです。
今年の夏も酷暑が続いておりますが、体調の方は崩されていないでしょうか?
私はというと、外の部活動担当ということもあり、体が焦げパンと化しております。(笑)
先日、前任校の先生にお会いしたときにも「黒くなりすぎて、一瞬誰か分からなかった。」と言われる始末です。
幸い、熱中症等にはならずに元気に過ごせているので良かったです。
部活動指導も大変かと思いますが、体調には気を付けてください。
ところで、今回は「年次が浅かった頃に知りたかったシリーズ」の第3弾と称しまして「指示を出した後」についての記事を書きたいと思います。
突然ですが、みなさんは授業をしていて色々な指示を生徒に出しますよね?
「ノートを開きます。」
「教科書の○ページを開きます。」
「この問題をノートに写します。」
「まずは一人で考えます。」
これらはすべて、当たり前のように授業中に発されている指示だと思いますが、今回私が注目してほしいのは中身ではなく「その後」なんです。
どういうことか?
年次が浅かった頃の私の授業の一幕です。
いつものように、授業をスタートし、ノートを開いて書くように指示をしたときのことです。
その当時の私は、指示を出した後は必ず「板書」を行っていました。
ノートはみんな開いて書き始めているもの
全員が机に向かって書いているもの
そう考えていたので“全員”が活動していることを疑うことはありませんでした。
板書が終わり、机間指導に入った時、ある生徒の机の上を見て驚きました。
「え?まだノート出してないの?」
それも一人や二人ではなかったのです。
その時の私の気持ちは一言で言うと、「なんで?」でした。
なぜなら、「ノートを開いて書いていること」は当たり前だと思っていたからです。
でも、当たり前ではなかったのです。
色々な生徒がいることをそこで知りました。
ぼーっとして指示を聞いていなかったり、違うことを考えていたり、外を眺めていたり、そもそも何をすればいいのか分からなかったり、本当に千差万別です。
ただ一つ言えることは「指示を出した後」にどれだけ生徒のことを「見ること」ができるかだったんです。
では、実際にどんなことをするのか、具体的にお話ししていきます。
結論から言うと、「指示を出した後」は必ず「教室を見渡して、机間指導をする。」
ただこれだけです。
「え、それだけ?」と思った方もいるかもしれませんが、実はこれがとてつもなく大きな効果を生むのです。
そもそも指示されたことができていない生徒はどんなことを考えていると思いますか?
わざと「指示通りに動かないようにしてやろう!」と考えている生徒は少ないと思います。
しかし、自分が何もやっていないことを、誰も声をかけに来てくれなかったりすると、どうなってしまうか。
まあ見られてないし、いいか。
何も言われないし、大丈夫だろう。
こういう誤学習をさせてしまっている可能性があります。
だからこそ「この先生は見てくれているな」と思わせられているかどうかが重要なんです。
指示を出した後、多くの先生方は何をしますか。
おそらく「板書」をしたり「自分のこと」に力を注いだりしているのではないでしょうか?
特に年次が浅い先生方は、周りを見る余裕もなかなかないと思いますので、ついつい授業を成立させなければいけないという気持ちに引っ張られることも多いと思います。
だからこそ、意識して「指示を出した後」に「教室を見渡して机間指導を行う」ことを取り入れてほしいのです。
机間指導をして、別に注意する必要はありません。
ただ一言、
「ノート開こうか。」
「大丈夫?」
「何するか分かった?」
というような言葉がけをするだけなんです。
しかし、中にはそれでも準備が遅い生徒もいます。
待つことも大切ですが、待ちすぎてしまい、みんなとのスタートがズレてしまうと、それだけでモチベーションダウンにつながってしまいます。
そういうときには次の二つの方法が私にとっては効果的でした。
①準備物を黙って教師が準備する。
②「え~、まだ開いてないの?先生、ずっと近くにいようかな~」などのようなことを冗談っぽく言う。
個人的には②が通用しない生徒に①を適用するというような感じです。
その時々に応じて使い分けるようにしていますが、このような地味な指導の積み重ねが授業の進み方を大きく変えていきます。
そして、気が付けば、そんなことをしなくても、指示を出したら必ずしっかり動いてくれるようになってきます。
監視しているわけではありません。
教師として、“全員”に質の高い教育を提供するために必要な環境を整える立派な指導技術だと私は考えています。
授業改善というと、
「どんな発問をするか」
「どんな教材を使うか」
「どんな課題を設定するか」
といったことに目が向きがちです。
もちろん、それらはとても大切です。
私自身も毎日のように考えています。
でも、どれだけ素晴らしい課題を用意しても、
ノートを開いていない。
教科書を開いていない。
何をすればいいか分かっていない。
そんな生徒が何人もいる状態では、その課題にたどり着くことすらできません。
だからこそ、授業の中のもっと小さな部分にも目を向けたい。
「ノートを開きます。」
その一言の後、たった数秒の教師の動きを意識してできるかどうかです。
黒板を向くのか。
生徒を見るのか。
その違いだけでも、教室の空気は変わっていくと思っています。
実際、私がこのことを意識し始めてからは、以前と比べて、注意する場面はかなり減りました。
もちろん、0になったというと言い過ぎかもしれませんが、限りなくそこに近づけることはできます。
私自身、まだまだ未熟な部分が多いので、できてない部分もありますが、日々の積み重ねです。
授業中、教師はたくさんの指示を出します。
だからこそ、「ちゃんと言ったから。」で終わらせないようにしたいと思っています。
教師の仕事は、言葉を発するところまでではありません。
その言葉を受けて、生徒が実際に動き始めるところまでを見る。
そのために、指示を出したあと、まず生徒を見ます。
必要なら歩きます。
そして、短く声をかけます。
「ノートね。」
「ここ開こう。」
「始めようか。」
それだけです。
でも、その小さな積み重ねによって、
「先生は見てくれている。」
「困っていたら来てくれる。」
「指示が出たら動こう。」
そんな空気が少しずつ教室に生まれていくのだと思います。
「指示を出した」で終わらない。
「指示が通った」まで見届ける。
派手さはありませんが、これも私が授業の中で大切にしている「微細な指導」の一つです。
明日の授業で指示を出したあと、すぐに黒板を向くのをほんの数秒だけ待ってみてください。
そして、一度教室全体を見てみてください。
もしかすると、今まで見えていなかった生徒の姿が見えてくるかもしれません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
このnoteでは、
・授業でそのまま使える教材・授業展開
・思考力を育てる問題
・実際の授業実践、指導のコツ
を中心に発信していきます。
忙しい中でも「これなら使える」と思ってもらえるような、現場目線の即戦力になるような教材を届けたいと思っています。
