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嵐の夜は、いつも静かにやってくる。——Smokey Robinson『A Quiet Storm』

その夜、彼女は「もう遅いから」と言いながら、コートを脱いだ。ソファに腰を下ろし、グラスを受け取って、一口飲んだ。針を落とした。「Quiet Storm」の7分48秒が流れ始めると、彼女は何も言わなくなった。嵐は、いつも静かにやってくる。

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1975年3月26日、Tamla Recordsよりリリース。Smokey Robinsonの3rdソロアルバム。全7曲36分38秒。全曲Smokey Robinson自身がプロデュースした。ロマンティックなテーマ、遅いテンポ、滑らかで抑制されたボーカル——この作品が後に「クワイエットストーム」という深夜のラジオフォーマットを生み出し、40年以上にわたって世界中の深夜に流れ続けた。

Smokey Robinsonという音楽家
1940年2月19日、デトロイト生まれ。本名William Robinson Jr.。Motownレーベルの創設者Berry Gordyに次ぐ、同レーベルの最重要人物。The Miraclesを率いて数々のヒットを生み出した後、1973年にソロ活動を開始。本作でようやくソロとしての真の声を見つけた。その声は高く、柔らかく、絹のように滑らかで、触れると傷つきそうなほど繊細だ。

『A Quiet Storm』という一枚
レーベル:Tamla(Motown)。全7曲、36分38秒。「スムースでブラックで、ゆるやかにファンキー。低く、ゆっくりと、しなやかに——大人の聴衆のために作られた音楽」とは、このアルバムの本質を最も正確に言い表した言葉だ。

——嵐の夜は、いつも静かにやってくる。
表題曲「Quiet Storm」は7分48秒。急がない。どこにも行かない。ただそこに存在することを許す7分間だ。「The Agony and the Ecstasy」は痛みと恍惚が同じ場所に住んでいることを知っている者だけが書ける曲。「Baby That’s Backatcha」はBillboardソウルチャート1位、アルバム中唯一踊れるトラックだが、それでもどこか夜の匂いがする。Michael Jacksonも録音した「Happy」は7分13秒の長尺で、幸福とは何かをゆっくりと問い続ける。「Love Letters」はシンセが泣くように鳴り、「Coincidentally」が36分の夜をそっと閉じる。

どんな夜に聴いてほしいか
秋の深夜、誰かが帰らなかった夜に。あるいは、帰ってほしくなかった夜に。嵐は静かにやってくる。気づいた時にはもう、部屋の温度が変わっている。

TRACKLIST
1 Quiet Storm
2 The Agony And The Ecstasy
3 Baby That’s Backatcha
4 Wedding Song
5 Happy (Love Theme From “Lady Sings The Blues”)
6 Love Letters
7 Coincidentally

嵐の夜は、いつも静かにやってくる。
幻音社


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