恐怖は、仕様。
押忍!空手家パパです。
初めての戦い、覚えていますか?
私は組み手の後、夜ドキドキして眠れませんでした。怖いのか楽しいのか、よくわからないけど目がギンギン。布団の中でモゾモゾしてたのを覚えてます。
ぜひあなたの最初の戦い、教えてください。
え?戦わない!?戦わないの?(゚д゚)!
と、言うわけで、今回は、ホラー回!(みんな戦うって思ってるおじさんがホラー)
空手や格闘技をやっている人なら誰もが一度はガチで悩む、ちょっとシリアスなテーマをお話しします。
ズバリ、「組手のとき、怖くて体がカチコチに固まって動けない問題」。
この記事は伝統的な解釈というより、現場で子どもたちを見てきた中で私なりに組み直した「空手家パパ版・一眼二足三胆四力」です。
マニアック解説はじまるよー!
では、本編。
恐怖心持ってない人いないですよね。これ実にやっかいなんです。
動きは硬くなるし、視野は狭くなる。普段練習していた動作なんて1ミリも出なくなる。
「ガチガチやねん😭」ってメンタルまで削られて、何ひとつ良いことがありません。
もし今、その恐怖の泥沼にハマって「自分は才能がないんじゃないか」と凹んでいる人がいたら、まずは大声で伝えたいです。
「安心してください。それ、ただの仕様です」
拳や蹴りが飛んできて、恐怖で身をすくめるのは動物として当たり前です。
指導現場ではよく「動け!」「単発で行くな!」なんて言われますが、カチコチの状態で無理やり戦わせても力みが増すだけだし、恐怖心がさらに強化されて負のスパイラルが加速するだけです。
まずは、逃げたい体に戦いを強要するのやめましょう。
「いや、むしろ戦え。メンタルの問題だがら場数踏め!慣れれば治る」
はい、確かにそう言う意見あります。ですが私は、「怖いまま場数だけ踏ませる」のは、あまり良い方法ではないと思っています。
習熟には順番があります。
武道の古い教えにある「一眼二足三胆四力」。
今回はこれを、私なりに『恐怖で固まる身体のほぐし方』として読み替えて話してみます。
■ 準備:まずは「固定観念」をゴミ箱にボッシュート
まず「戦うためのマニュアル」をぽいちょしましょう!
「脇を締めて拳をしっかり構える」「後ろ足で地面を強く蹴って速く動く」
これ、全部正しいんです。
正しいんですけど、恐怖で固まっている人が組手中に正解を意識した時点で、脳のメモリ100%で身体は完全に居付きます。(体ガチガチになる)
こういう技術は一人の時に自然にできるようになるまで練習するものであって、組手中に使うものではありません。
戦う前は全部忘れてください。
では、いよいよ4つのステップで身体の居付きをやっつけていきます!
■ ステップ1:【一眼(いちがん)】目の脱力
一番最初にして、最も重要なのが「目」です。
緊張したり怖くなったりすると、人間の視野は驚くほど狭くなります。「相手の攻撃を受けなきゃ!」と思えば思うほど、相手の拳だけ、あるいは肩だけをジーッと凝視してしまう。
これをやると目が完全にロックされて、逆に相手の全体の動きが一切察知できなくなります。
相手をよく見ろ!と言う指導は一点を見るのではありません。目の力を抜いて「相手をぼんやり見ること」です。
中心を凝視せず、目の周り(周辺視野)全体で、相手の輪郭をぼーっと捉える。そのためには、まず「目の脱力練習」が必要です。
体がどんなにビビっていても、怖くてもいい。目だけは頑張って見ようとせず、ぼーっと脱力して全体を眺める。これだけで、不思議なくらい急に相手の動きがスッと視界に飛び込んでくるようになります。
※こちらの目からビーム出てる記事でも詳しく話しているので、興味あればぜひ💁
■ ステップ2:【二足(にそく)】足を軽くする
目が通ったら、次は「足」です。
組手で強い人って、よく動くから攻撃が当たらないんですよね。
でも、固まっている人に「足を動かせ!」と言うと、ドタバタと常に動き回り続けようとして秒で疲れます。そうじゃないんです。
相手が突いてきた、何か仕掛けてきたその瞬間に、今の自分の位置から後ろでもいいけど、できたら「斜め前方」か「斜め後方」にスッと移動する。
相手が次の攻撃を出しにくいポジション(死角)へ滑り込むんです。
「足もカチコチなんですけどー」って思いますよね。
だから「後ろ足で床を蹴って飛び込む」みたいな足さばきの技術は忘れてください。
みなさん、普段の生活で普通に歩けてますよね? それ実は歩み足と言う足さばきの一種です!
片足が前に出た状態で前足、後ろ足と交互に細かく歩いてもそれは足さばきです。日常の延長線上にあります。
足を軽くするためには、大事なのは姿勢を整えること、「頭のてっぺんをピッと糸で上に引っ張られている姿勢」を力みなく作ること。
慣れると足元のこわばりが消え、驚くほど軽やかに位置を変えられるようになります。
こわばりが消えたら、相手との遠い間合いから、小さくちょっとずつ左右に行ったり、態勢を低くしたり、はたまた思いっきり踏み込んだりといろいろ試して見てください。
間合いが近くなり手が届く範囲でも軽やかに足が動けば、もっと戦いが楽になります。
■ ステップ3:【三胆(さんたん)】心が軽くなってから、場数を踏む
目と足元、つまり「視線と姿勢」の2つが整ってくると、不思議なことが起きます。
さっきまであれだけ速くて怖くて気がついたら殴られたり蹴られたりする相手の動きが、何となく見えます。
当たる前にだいたい防げますし、当たる瞬間も、うわっしくじった!と見えるようになります。
そうなって初めて、ここで「胆力(メンタル)」が自然と生まれます。
気合いで無理やり心を強くするのではなく、相手の動きが見えるから、怖くなくなる。勝手に心が軽くなるんです。
「あ、どんな攻撃でも予兆は見える。避ければ当たらない。もし軽くもらっても、案外なんとかなる」という安心感が心に満ちてくる。
指導現場でよく言われる「場数を踏め(たくさん組手をしろ)」というアドバイスは、実はこのステップ3に到達して初めて、本当の意味で生きてきます。
心がカチコチのまま100回組手をやっても恐怖心が天元突破するだけですが、目と姿勢を整えて「怖くない状態」を作ってからなら、場数を踏めば踏むほど、それはすべてあなたの経験値になります。
ここで「ちょっと楽しい」と思えたら、もう入り口に立ってます。ようこそ、変態の巣窟、格闘界へ。
■ ステップ4:【四力(しりき)】ここで初めて相手との「交流」が生まれる
よく組手で勝てないと「お前の得意技を作れ」とか「こういう戦略で戦え」と指導されますが、伝統の教えの通り(本家とは違うけど)技や戦略なんて一番最後の4番目でいいんです。
目が固まり、足が居着き、心がビビっている状態で「得意技」を出そうとしたって、当たるわけがありません。
まずは自分の身体を整えて相手をよく見えるようにし、自然な安心感の中で場数を踏んでいく(一眼、二足、三胆)。
この土台が整って、4番目の「力」まで行くと、ようやく相手との本当の「交流(コミュニケーション)」が生まれます。
恐怖で殴り合う修羅場ではなく、「どうやったら当たるか、逆にどうすれば防げるか」をお互いの身体を使って対話する、最高にエキサイティングな実験室に変わるんです。
相手の癖が見えるようになってカウンターが自然と出たり、技が決まった瞬間、相手に対して「あ、今のタイミング凄く勉強になるな、ありがとう」という感謝の気持ちを持って、お互いに上達できるようになります。
そして異様に仲良くなります(昔の不良の喧嘩して仲良くなる効果?)
ここまで来たら、もう格闘技は一生やめられません。空手サイコー!!
■ 終わり
長々と偉そうに話してしまいましたが、恐怖で固まるのはあなたの心が弱いからではありません。ただの「順番のバグ」です。
技を当てようとするのをやめて、まずは目と足元をフッと緩めて整えましょう。
組手の稽古に入る前に、まずは一人でこの「目と姿勢の脱力」を整えて、そこから攻撃側・防御側に別れた限定組手などで徐々に安心感を積み上げていくのが、実は一番の近道だったりします。
誰だって最初は怖いし、私だって今でも普通にビビります。
でも、身体の構造と手順さえ理解すれば、本能のバグは自分の手で楽しく整えることができます。
まずは、目をぼーっとさせる稽古やりましょう!
押忍!
