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絶対孤独になれないサイゴン川のカフェ、そしてベトナムの洗礼

2000年11月2日午後。

ホテル マジェスティックで荷解きをし、シャワーを浴びて、明日のメコン川クルーズを申し込むためにホテル一階のコンシェルジュへ。
50USドルと少し高いが、他に日本人が2人だけという、ほぼお抱え運転手付きツアーのようなので良しとする。

午後3時半ぐらいに散歩に出てみた。ガイドブックに従い、中心部の通りであるドンコイ→レロイ→パスターという順で歩いてみる。

レックスホテル

ドンコイ通りはわりと整然とし過ぎていて、ぐちゃぐちゃ感やカオスを想像していた私としては期待ハズレ。おそらくホーチミンの銀座みたいな場所なんだろう。洒落たブティックやレストラン、航空会社のオフィスなどが軒を連ねる。

ドンコイ通り

レロイ通りを左に折れる。すると、きた〜、バイクバイクバイク!すげ〜、まるでイナゴの大群みたいだ。車の数はバイクの1/100程度ちゃう?その排気ガスのとんでもなさは毒ガス状態なのだ。でも実は期待してたのはこういうのなのだが。

ともあれ、今度はパスター通りを左へ。小さな通りに入ったり、露店や市場などを覗いたりしてるうちにgot lost。今どこにいるのかわからなくなっちゃったけど、とにかくお腹が空いたので、道端のバインミー屋台に寄る。中身はハム(パテ?)ときゅうりしかなさそうだったので「きゅうりいらん」とジェスチャーで言うと、やっぱり具はハムだけになってしまった。それにヌクマムをかけて出来上がり。
本当は持ち帰り専門なのだがそこで食べさせてもらう。
「バリッ」とひと口噛んでみる。確かにフランスパンは美味しいけど、パリパリし過ぎでパン屑が飛び散る。ハムも調味料も違和感はないが感動的に美味しいとも言い難い。

屋台のバインミー

そこで半分だけ食べてから、自分のいる位置を確認した私はサイゴン川方面に歩き出す。さて、あと道路を渡ればサイゴン川というところで、ベトナムの洗礼が待っていた。

道を渡ることができないのだ。

ここに来るまでにもすでに体験はしていたのだが、この街には①信号が少ない②横断歩道はあっても誰も止まってくれない③交通量が多過ぎて道を渡るための途切れ目がない。
慣れない旅行者にとっては、この大通りを渡るのは至難の技、というか命がけだ。

10分ほど立ち尽くした末にわっとわかった。

「止まってくれるのを待つんじゃなくて自分で止めるのだ」ということが。

もちろん止まってくれないバイクもいたのでめちゃくちゃ怖かったが、なんとか渡れた。

安堵の思いに浸りながらサイゴン川べりを少し散策。決して美しい川とは言えないが、市民の憩いの場らしい。結構人が多くスナックなどを売る屋台も出ていた。

歩き疲れたので川沿いのカフェに入る。バインミーを手に持ったまま入ったので、他のベトナム人客に奇異な目で見られたが全く気にせず「アイスコーヒーちょうだい。このバインミーここで食べていい?」と聞くと、美人ではないが愛想の良いウェイトレスが「もちろんいいわよ」と言ってくれた。

サイゴン川の夕べ

私はサイゴン川ビューの席にドッカと腰を下ろし、ベトナムコーヒー(カフェ・スアダー)を飲みながらさっき買ったバインミーを頬張る。川風が心地よく、とても良い気分。そして全然暑くない。

サイゴン川でカフェ・スアダー

でも、この街ではなかなか1人でくつろぐのは難しいようだ。ガム売りの少女、花売りの少女、スナック売りの老婆、宝くじ売りの少年、物乞い、が入れ替わり立ち替わり入ってきては私にひっつく。店側も黙認しているようだ。

彼らを追っ払ったらと思ったら、今度はウェイトレスのお姉さんが私のテーブルの向かいにデンと座って話しはじめた。とほほ........まあ愛想がいいから許そう。

彼女「日本人?」
私「そう」
彼女「日本のどこから?」
私「大阪」
彼女「ホーチミンは初めて?」
私「そうだよ」
彼女「じゃ、シクロとかバイタクシー、そして物乞いに気をつけてね」
私「うん、ありがとう」
彼女「私いくつに見える?」
私「17ぐらい?」
彼女「やだ〜、うっそー!22歳よぉ〜」
私「へぇ〜、全然もっと若く見えるね〜」

彼女が他の客に呼ばれて離席した、というか会話が終わったと思ってたのに、また戻ってきた。

彼女「ホーチミンにはいつまで?」
私「明後日」
彼女「それからどこ行くの?」
私「ハノイ。行ったことある?」
彼女「ないの。ずっとホーチミンよ。おまけに9時から11時まで仕事でボーイフレンドもいないの。」
私「へぇ〜」  

そこへ、ガム売りの少女再登場‼️今度は日本語のレッスンを少しさせられる。

こんなやりとりをしばらくしてカフェを出ようとするとさっきのウェイトレスが寄ってくる。

彼女「また明日来てくれるよね?」
私「Maybe」

1人にはさせてもらえなかったがまあ楽しかった。明日は来ないけど(笑)

さてホテルに戻るにはもう一度大通りを渡らないといけない。カフェにいる間にラッシュアワーになっていたようでさっきより明らかに交通量が増えている。とてもバイクや車を止める勇気が出ず、すでに20分渡れずにじっといている。

果たして私は無事にホテルに帰れるのだろうか。



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