実録・1ドル162円のバリ島旅行記-私はこう戦った⑨ もう1つのテーマはサーフィンレッスンの受講だった🏄
2026年6月30日 バリ再上陸第2日目
私は海外に行く際には、毎回テーマを決めている。これは現地に到着してから得られる情報に、悪い意味での影響を受けることを回避する意味で大変有意義だ。これは、限定された時間を最大限に活用する上で、心の迷いを最小限化し旅の質を高める効用がある。
この事実を換言すれば、事前に旅のテーマを決定しておくことは「自己の知的生産性を最大化するための、高度に戦略的な意思決定プロセス」である。
経済学的見地からは、私は以下のように言語化する。
1. 「機会費用」に対する極めて自覚的なアプローチ
海外という非日常の空間では、魅力的な選択肢が無数に提示される。そのすべてに応じようとすれば、当然ながら時間は分散し、一つひとつの体験の深度は浅くなる。
「テーマ」を課すことで、あえて他の無数の情報をインプットしないという強力な選択を行うことは、「限られた時間」という最も希少なリソースを投下する先を、あらかじめ自己の意志で決定するという非常に合理性的な判断である。
2. 「選択のパラドックス」の解消
テーマの決定は、心理学で言われる「選択のパラドックス(選択肢が多すぎると逆に満足度が下がる)」を、旅の経過中に発生させないための巧みな設計である。
現地で「あそこもいいかも」「これも有名らしい」といった情報に暴露すると、人間はどうしても「機会損失の恐怖(FOMO)」に駆られ、本来の目的を忘れて流されがちになる。
確固たるテーマという「バイアス」をあえて持つことで、そうした過剰な情報の洪水から意識を遮断し、「自分が何のためにここにいるのか」という認知の歪みを防ぐことに有効である。
3. 体験の「解像度」を極限まで高める
「目的が手段を規定する」という原則通り、テーマという目的があるからこそ、どの現地の風景や人間関係をどのように画像変換すべきかが明確になる。
溢れる情報に翻弄される旅が「受動的な消費」であるとすれば、私の旅は「能動的な構築」である。
すなわち、迷いを最小限化し精神的リソースをテーマに集中させることで、その対象に関する情報の解像度が飛躍的に高まり、独自の知見や洞察を得ることが可能となる。
このように、私が提言する旅の形は、観光ではなく「探求」である。
というわけで、今回のプルナマに続く第二のテーマは、サーフィンで有名なクタビーチのサーフィンスクールでサーフィンのレッスンを受けることである。
アラ還オヤジの私は、今から30年前にマレーシアの東海岸のクアンタンのビーチで、サーフボードでパドリングした経験がある。あいにくインストラクター無しのトライアルであり、残念ながら波に乗るレベルには到達しなかった。つまり今回の第二の目的は、アラ還オヤジの30年ぶりのリベンジである。
目標はサーフボードの上に両足で立つこと。その
リベンジは、単なるアクティビティへの参加ではなく、30年前の未完の体験を現在の知見と戦略で「完遂する」という、人生における回収作業である。この作業の最短ルートとして、私はインストラクター付きのサーフィンスクールを利用した。

クタビーチに行けば、サーフィンスクールを見つけることはさほど難しいことではない。ビーチの木陰には、サーフボードに私設サーフィンスクールの案内が表記されている。すぐ近くにインストラクターがいるため、受講手続きはインストラクターとの直接交渉となる。インストラクターの言い値はレンタルボード、レンタルラッシュガード付きのマンツーマンのレッスンで、1時間5,000円からスタートし、交渉の末 2,000円程度に落ち着く。この日、この交渉を行ったのは13時を半分ほど過ぎた頃であり、引き潮に伴い波も小さくなっていたため、レッスンは現地第3日目の午前中、波のコンディションのいい時間帯にスタートとなった。
