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MARCHの田辺さんと一緒に2025-26年のアジア映画を語ろう れぽ

メモを取りながら聞いておりましたので、
覚書程度ですが記録しておこうと思います。

※メモと記憶が頼りの内容です。間違っている可能性をご了承ください。
また、一部「これオフレコで」という発言もありました。
そちらは記憶をもとに省いているつもりですが、「それオフレコ部分!」ってことがあれば
ご遠慮なくご指摘ください!!

トークイベントの会場はスコーレ2階。
小ぢんまりとした場所で、最前列から一歩先に田辺さんがいらっしゃいました。
ご本人も「近ッ!」って驚いていらっしゃいましたね。

田辺さんは「圧を皆さんがあまり感じないように」って深く椅子に腰かけてらっしゃって。
気遣いの人だー!!!!って思いました。

実はこのトークイベント。本当は予定になくて。
このあとに上映される「鯨が消えた入り江」アンコール上映およびBlu-ray発売記念のトークショーが本来の田辺さんの目的なんですよね。
ただ、せっかく名古屋にいらっしゃるんだし、と支配人の坪井さんが強引にねじ込んだそうです(笑)
内容についても、鯨の話をするんじゃなくて別のことをしたいなということで、アジア映画の振り返りをしたいということに。
田辺「謎の企画ここに極まれり」
そもそも配給会社の人間がこうやって人の前でお話しするのもなんだし、他社さんの作品まで!
って笑って田辺さんに坪井さんが「これが名古屋っぽいんですよぉ」って笑ってたんだけど

名古屋ってそうなんでしたっけ?(笑) by三重県人

坪井「田辺さん、別に他社さんのことをけなしていくわけじゃないですから」
田辺「そ、そうですね!」

坪井「去年は鯨で忙しかったでしょ。映画みれてますか?」
という質問にたいして、いつも田辺さん年間200本ぐらい映画をご覧になるんですって。
それが去年は忙しくて100本ぐらいって仰ってたかな。
忙しくてもそれだけ観たんだ?!

坪井「アジア映画をたくさんご覧になるほうだった?」
田辺「そんなに沢山観るほうでもなかったですね。(たしかここは邦画と洋画で半分ずつぐらいと言ってた気がする。インド映画も有名なのしか見てないとか)アジア映画は韓国台湾ぐらい」

坪井「今までご覧になった中でのアジア映画のベストって何ですか?」
田辺「ベストっていうことじゃないけど、もう一度観たいなっていうのは『藍色夏恋』
一度見ただけど印象に残っている映画なんだそうです。

これはあまり詳しく書かないほうがいいかと思うので割愛しますが。
配信がない理由とかも坪井さんがご説明されてました。
権利の問題っていろいろあるのねぇ。
今後配信の可能性はあるかもね、と。
あと韓国映画の『子猫をお願い』も挙げてらっしゃいました。

で田辺さん唐突に
「シネマスコーレさんと同い年なんですよ」と言い出して。
お客さんが思わず笑う、なんて場面が。

さて、ここから坪井さん&田辺さんのトークが本格的に始まります。
事前に打ち合わせをしていたようで、そのリストをもとにトークが進んでいきます。

(ホワイトボードに田辺「様」と書かれてしまう)
坪井「みんな大好きトワイライトかというとそうじゃないんですよね(笑)」
田辺「ええ」


【田辺さん①】シャドウズエッジ


観た人~!!って客席がけっこう手があがってました。
私も観ました!

坪井「なぜ?」
田辺「43歳ですが、多分に漏れずジャッキー世代なんですよね。ポリスストーリーとか」
(近所の壁よじ登ったりしてた少年だったらしい。わかる、私や弟もやってた)
「とはいえ、最近はずいぶんご無沙汰していたので。鯨のおかげでX(twitter)みてても、アジア映画がよく流れてくる。公開直後からすごい盛り上がっているのをみていたので、予告をみて面白そう。行ってみたらまあ~面白かった!」
坪井「面白かったポイントはどこ?」
田辺「格闘シーンで流れてる劇伴がかっこいいんですよ。悲壮感のあるマイナー調の音楽がジャッキー、それ以外の格闘シーンの裏でずっと流れてた。それが、ジャッキーが年を重ねてもなおこれだけの格闘シーンを見せてくれていることがあってものすごい泣いてしまって。まだこれだけ見せてくれるんだ!って」
坪井「上映時間が長いけど、それを感じさせないっていうか。田辺さんはもちろんご存じかと思いますが、2回目のリメイクなわけじゃないですか。映画をナナメから見る人からするとこれはもうコスりすぎじゃないかって思ったんですよ。あくまでもネタは一緒なわけだし。でもうまくいってるんだよね。レオン・カーウェイが意外だった。アンディやアーロンとかと一緒でずーっと演じてきた役者さんだったわけでしょ。ここで(ファンに)発見されるというのは」
田辺「しかもアクション俳優ってわけじゃないんですよね」
坪井「そうなんです。レオン・カーウェイの名前を覚えたのが『愛人/ラマン』というフランス映画で。こんな人いるんだって思って。ジョン・ローンと一緒で(今調べたんだけどかっこいい人だなーー!!)この人すごいなって思って香港の作品をみたらバカな役をしていたりして。中国や香港ではずーっと活躍してこられた方だからここで、この年齢で注目されると映画の力ってすごいですよね」
田辺「レオン・カーウェイがナイフで三十人ぐらいの人とやりあうシーンあるじゃないですか。あれの説得力ってすごいですよね。やりかねない。そりゃ無理だろとはならない。ちらっというセリフがいいんですよね『息子たちの笑いものだな』っていう。あ、ネタバレにはならないですよね?これは大丈夫ですよね?」
坪井「ああ、まだ大丈夫」
田辺「それも哀愁なんですよね。トワをやられたクロックさんの配給なんで似てるなぁと思うのはルイス・クーがトワイライトで(日本人に)発見されて、レオン・カーウェイがシャドウズエッジで発見された。それこそ、トワイライトを見た人がテレンスや若い役者さんにいった。こっち(シャドウズエッジ)も一緒なんですよね。ジャッキーチームの若手とレオン・カーウェイの息子たちにハマっていくっていうのは。誉め言葉なんですけど、こういうところはクロックさんニクいですよね。(ここでしきりにネタバレを気にする坪井さん)もう名古屋でやってないから……最初の犯罪をおかすところで」
田辺「あのパルクールいいですよね」
坪井「あれがクロックさんの作戦というか、ちゃんとアジア映画見てる人のトワイライトとかを見てる人じゃないとこの良さは気づかない……(ここで最初の「内緒にしてくださいね」が発動!)」
内容は伏せるんですけどwwww
田辺さんが「思った以上に実名出すんですねwww」って苦笑してた。
ズバリ言ってたもんな、坪井さんwww
ここで坪井さんが『パンダプラン』を挙げてました。

【坪井さん①】パンダプラン

どうも田辺さんはこの作品まだ観てないらしく。
坪井「僕、どっちかっていうと『パンダプラン』のほうが好きなんですよ。なんか完成しすぎちゃっていて。ジャッキー映画で、抜け穴がたくさんあって、歩こうと思ってるのにすぐ穴にハマるっていうか。あのユルさ。昔のジャッキー映画ぽいのは、たぶんジャッキー自身も意識してやってると思うんですけど。70歳を超えていまだに自分の役を演じるんだ、って」
(ここでまたオフレコ部分がwww)
田辺「勉強になりますねぇ~」

坪井「僕、パンダプランでもシャドウズエッジと同じこと(応援上映があったりのこと)が起きてもいいんじゃないかって思うんですよ。人は死なないし」
田辺「ジャッキーとパンダですからね」
坪井「シャドウズエッジは難しいんですよ。人は死ぬし、乱暴なシーンはあるし。でも映画の強さがあるとこうなるんだなというのは日本はとても分かりやすいなと」
田辺「ああ、シャドウズエッジのパンフレット買われた方います?パンフ開くとまずジャッキーとレオン・カーフェイがにらみ合ってるのがドーンとあるんです。で、ページめくると両チームが相乱れて火花散らしてるんですよ。何をみせたいかよくわかるんですよね。パンフレットの作りが
鯨の天宇と阿翔のと(向かい合ってるカット)一緒なんですよ!!!!!!
ここで坪井さんが苦笑してた。びっくりしました。いきなり田辺さんアクセル踏むんだもんwww
坪井「トワイライトのパンフもそうですが、売れるパンフをちゃんと作ろうとしてるのはクロックさんもマーチさんも一緒なんですよね。『愛がきこえる』もそうですけど、お客さんが買って帰って満足する。(オフレコ)社さんじゃないですけど、ありゃいいんだろうになるとね。インド映画になると頑張るんですけど流れ作業みたいになってるところもあるから。そこに愛情を注ぐとね。(オフレコにしたほうがいいご意見)

【田辺さん②】赤い糸

坪井「これって初見だったんですか?」
田辺「長い間存在は知っていました。ただ、そこに台湾映画同好会の(ここお名前出してらっしゃったんですが、メモとれてなかった)方がトークつきの上映会をやってらっしゃったんですよ。ちょうどいい機会だからと観に行ったら面白かったんです」
坪井「エンタメの、台湾映画の極致ですよね。ギデンズ・コーという方は元々エンタメ好きな方ではあったと思うけれど、これは完成形ですよね」
田辺「凝縮された形だと思って。雑な言い方にはなるけれど、エモいわけですよ。なぜエモいのかな、自分なりに考えてみたんですけど。僕3本ぐらいしか見てないんですけど、どの作品にも視点の切り替えというんですか。あの時実はこうでした、っていう表現がある。主人公視点で進んでいたものが途中から視点が変わって、こっちからはこう見えてたみたいな。切り替わるのがうまい、というか。ご本人もトレードマークだと思ってらっしゃると思うんだけれど。あの時そうだった、っていうところに気付くわけじゃないですか。青春みたいな、あの時には気づけなかったことに時間をおいて気づいてしまうが、それはもう取り戻せないんだみたいな……実際の人生において取り戻せないもののメタファというか。この構造があるから、常にエモいんじゃないか、って。
坪井「役者チームとの仲の良さというのもありますね。信頼しないと、監督って役者さんとの関わりってすごく大事で、(ギデンズは)それをわかってる。同じ役者さんがやっていても違いが出る。ギデンズ・コーは上手いと思うんですよね。
田辺「確かに……。役者さんを信頼して愛している感じがするんですよね」
坪井「それの極致がコレ(赤い糸)だと思う。愛されて映画祭などに出てきて、うちでも上映したけれど……でもそれはまだわかってるひとしか観にきていなかった。ヒットはしたけど2週間で終わってしまった。だから、その後なんですよね。24年に公開して、25年に火がついて、某社のおかげですよね……(ここたぶんオフレコにしたほうがいいと思うので伏せます。配信や円盤化っていろいろ難しい事情があるんだねとしか……)」
坪井「この作品のすごさっていうのは……映像ももちろんいいんですけど、うちの最終上映が期限が切れる頃で、あそこの折り合い方振り切り方ってすごかったと思いませんか?」
田辺「あると思います」
坪井「終わりに近づくにつれて、だんだん上映する館が増えていったんですよ。だから、全然知らない人もこれ見とかなきゃいけないんじゃないか、ってなった。心理戦は面白いですよね」
田辺「映画そのもののの面白さと、二人のど根性物語が平行して進んでいくかんじが面白いと思います」
坪井「この後どうしていくんでしょうねぇ。もう一回権利取り直してみたいな話が」
田辺「全然いけると思います」
坪井「今権利取り直したら、うちも1か月ぐらい上映したいと思いますけどね。これ、2時間ちょっとですけど時間感じさせないんですよね」
田辺「中盤の展開をわかった上で序盤をみると異なる見方ができる。何度も見返したくなる映画ですよね」
坪井「久しぶりですね、映画館でしか観られないという状況にお客さんが飢えたというのは。例えば鯨もそうですけど、どこかでずっとやってくれてるっていうイメージが皆さんあると思うんですよ。名古屋でやってなくてもほかの地域で鯨がやってるトワイライトがやってるって。でも『赤い糸』の場合は期限がきちゃったんで。あの「期限」がひとつ山場になった。確か30日の回はいずれも完売しちゃって。すごかったのがうちで観た後に東京まで追いかけていくっていう人がいらっしゃって。大阪で観て、うちで観て、たしか東京だか大阪が最終で。最後の『赤い糸』にいくっていう。最後の時間ですよね。それぐらいこの映画っていうのは内容面白くなかったら当然起こりえないんですけど。鯨にも言えることだと思うんです。普通映画って、お客さんは観て満足して終わっていくものなので。それ以降は別の世界を歩んでいくんですよね。観た記憶を背負ってどこかでいい映画があったよ、って言って。でも、鯨もトワイライトも赤い糸も、当然シャドウズエッジもですけど、お客さんが巻き込まれて行って、どこか各地へでも観に行きたいと思うし、ロケ地とかも含めてなんですけど。昨年この3本は本当にすごかったと思います」
田辺「なんにも考えてなかったんですけど……(笑)真面目なお話をすると、一応前職も映画配給会社にいまして、10年近く映画業界にいるんですよね。あえてこういう言い方しますが、映画が消費されるスピードが速すぎて、こんな短くていいんだろうかっていう思いがあったんです。作る側は2年3年、時にはそれ以上の時間をかけて作って、たくさんのお金や資源を費やして作って。それがたった一週間二週間でお客さん入らなかったからさようならっていうのでいいんだろうかって。私自身も好きになった作品は何度も観返すほうなので、もっとゆっくり届けていきたいなっていうのは会社を作ったときの理念の一つではありました」
坪井「思ったその通りに鯨はなっているわけですから、トワイライトと赤い糸を含めて3本、シャドウズエッジいれて4本。皆さんのアジア映画に対する見方はね、元からアジア映画好きな人は見ていたけれど、アジア映画を観てなかった人たちがハマってくれたのはこの4本だと思う。(田辺さんが)『赤い糸』をあげてくるのはさすがだなぁと思います」

【坪井さん②】鬼才への道


坪井「(赤い糸の話から)これに連なって、『鬼才への道』っていうね」
田辺「はい、昨日みましたよ!」
坪井「簡単にいうと……ワン・ジンさんという(赤い糸との)繋がりがあって、チェン・ボーリンと」
田辺「チェン・ボーリン出てましたねぇ」
坪井「そう、ネットフリックスで出て……鯨と同じパターンなんですよね」
田辺「全然詳しくはなかったんですけど、そうみたいですね」
坪井「劇場公開していたときに観にいけなかったんですが、ネットフリックスでやってますよ、ネットフリックスが先ですよって教えてもらって。同じ台湾映画なんですけど、すごかったでしょう?」
田辺「面白かったですよ」
坪井「ほんとこれ、言っちゃいけないけど……バカですよね(笑)よく、幽霊株式会社っていうか、幽霊になれれば冥界に行かなくて済むから。あっち(赤い糸)は運命ですけど、こっちはバカですよね(笑)」
田辺「なんか、3分のコントとかでやるような内容を2時間みっちりやるっていうか」
坪井「ほんとそうですよね」
田辺「ディテールが」
坪井「幽霊側の想いがすごくよくわかるんですよね。ちゃんと脅かすことができる人はお給料もあがっていくんですけど、できない人は我々人間と一緒でひどいことになっていく。新人幽霊の物語があって、チェン・ボーリンとかの人間模様もあったりとかして。『赤い糸』は24年で、盛り上がったのは昨年ですけど、この2本が昨年あったというのはすごかった。台湾映画のパワーってすごい」
田辺「これ観てて、なんか『ネットフリックスさんの字幕が凄い』って話になって」
坪井「見比べることができるっていうか、鯨もそうなんですよね?」
田辺「鯨はネトフリ版と劇場でかけてるもので字幕が違うのはわかってるんですが」
坪井「鬼才も違う」
田辺「たぶん鬼才も作り分けてるとは思うんですけど、劇場で観られてないのでわからないんです。ネトフリ版の字幕がいい、んですよ」
坪井「マジですか~」
田辺「オツカレサマ、って劇場ではどうなってたんですか?」
坪井「(笑)ああ!そうそう」
田辺「オツカレサマのツが憑依の お憑かれ様ってなってて!」
坪井「なってた、なってた!」
田辺「ちゃんと仕事してるぅぅぅ!!!って思って」
坪井「僕も配信で観ちゃったから劇場でなってたかはわからないんだけど」
田辺「ネットフリックスさんの字幕、どなたがやられているか存じ上げないんですけど。一部ではネットフリックスさんの字幕は評判が悪かったりするときもあるじゃないですか」
坪井「そうなんですよね」
田辺「でもこれはよかった」
坪井「ネトフリの字幕が評判悪い理由は、(作品を)買いすぎちゃって、(訳する人が)足りてないんですよね。いろんな人を雇った結果、表現がわかる人とわからない人の差が。で、この作品はわかる人がやってるからお憑かれ様ってなってるっていう。あ、これも対比ですね。(赤い糸)はもう観られない作品だけどこっち(鬼才)は今も観られるっていうね」

【田辺さん③】ツーリストファミリー


田辺「自分が弱いところから……」
坪井「名古屋終わっちゃったんじゃないですか、もう?」
ここでお客さんから終了情報が投げられてて、坪井さんがすぐ終わるって愚痴ってましたが。そして、空港のほうではやってるよ~と追加情報が。
田辺さんは名古屋の事情なんて知らないので、セントレア?ってぽかんとされてて。小牧のほうの空港併設の施設に映画館入ってるんですよね。
坪井「お客さんちゃんと入ってる映画は長くやってもらわないと!いつまでも(オフレコ!)やってるんじゃないぞってね。(話題を戻して)どうですか?」
田辺「ざっと説明すると、スリランカに住んでいる家族がインドの南のほうに移民というか難民と言っていいんだと思うんですが、移動すると不法移民なので目立たず地味に暮らさなきゃいけない。移民の人たちが多く住むエリアに住むことにするんです。移民だらけなので目立たなくてすむだろうと。ただ、住民とすごい仲良くなってしまって、全然隠れられなくなってしまう、というお話。私、インド映画は詳しくなくて。『RRR』とか『きっと、うまくいく』とか大ヒット作しか観てないぐらいの……そういう私がみても普通に面白い作品だったというか。『鬼才~』から続きますけど、バカだなぁ~~って。喜怒哀楽のローテーションが異常なんですよ」
坪井「ああ~いいですねぇ!」
田辺「怒、から始まるんです。で、哀、楽、喜という順番で常に高速回転していくお話なんですよ。まず『なんなんだ!!』って怒って、『でもその裏にはこんなことが』って、じゃあみんなで『踊ろう!』って。感情の入れ替えが激しすぎて。さっきまですごく悲しんでたのに、今すっごいダンスしてるって。でも、それだけの映画でもないんです。ちゃんと南インドのカースト制とか格差社会についても、スリランカがいまどういう状態におかれているかも語られている。
(ここで一つ別の作品のお話があがってたんですが、タイトルメモできてません……)
坪井「ちょうど皆さんが見たいというタイミングでね……ほかの場所ではやってるけど名古屋市内では終わっているという(不満げ)。インド映画に対する映画館側の人の思いを変えられる一本だと思うんですね。インド映画を知らなくて、でも映画の評判を聞きつけた人が楽しめる一本だと思います。だから東京で連日満席になってる。インド映画ファンだけでは、そこまではいかない。『プシュパ』みてて思うんですよ、4時間ぐらいあって大エンタメなんですよね。でも飽きさせない。ただ、大歓迎で日本に迎え入れられたのに興行にのっていかないというのは、難しいところなんですよね。誰に届けたいのか、をうまくやっていかないと。買い手の都合もあるだろうから難しいけど、わりと小ぢんまりやったら成功したかもしれない。
『ツーリストファミリー』の場合は、シネコンとかミニシアターとどっちも行けると思う。これがインド映画だとみてわかる人がいる。見てわからなくて評判がいいからってみて、これインド映画だったか~って後から若ある人もいる。そうやってハマってインド映画のファンになる人もいたりして。トワイライトと同じく、知らずに見に行ってって。インド映画のイメージってどうしても活劇を想像しがちで、でもこの映画は違うんですよね。同じようにダンスシーンもあるんだけれども。どうですか、うまく(ダンスから)ドラマ部分へ展開がうまいとかそういうのは?」
田辺「展開のうまさというか……。喜怒哀楽のエンジンをより強くするための装置になっている気がする。特に楽の部分。社会悪とか人生辛いなとかが続くとお客さんも辛くなってくるんだけど、そこにダンスが、踊ることって祈りだと思うんですけど、そこに入ってくると……よく考えられている仕組みだなあと思います」
坪井「3時間なかったですよね?」
田辺「2時間ですね。だから見やすい」
坪井「見やすいなぁ。聞くとみたくなりますね、空港に……」
田辺「空港行ってください(笑)そのまま旅立ったりして」
坪井「ほんとにツーリストファミリーね(笑)」

【田辺さん④】団地少女(フラットガールズ)


田辺「フラットガールズはさすがに皆様ご覧になってないです、ね?これ  公開してない  んで(笑)」
会場から笑いがwww
坪井「いじわるですか(笑)どこでみたんです?」
田辺「大阪でやってる、大阪アジア映画祭で「団地少女」ってタイトルで公開されてたんですよ」
坪井「ああ!あった!」
田辺「これ、タイ映画なんですよ。訳したら確かに団地少女ではあるんだけど、うーん。乱暴に言うとガールズフッドっていうか。団地に住んでる思春期をそろそろ抜けるかなという少女たちが主人公。一人は団地に住んではいるけれど、そろそろ団地から引っ越すかなぐらいの暮らしに余裕がある家。もう一人は団地でも最下層に位置するぐらいのカツカツの生活をしている。でもこちらは見た目がよく、勉強もよくできる。この二人が物語が進むにつれて世の中にもまれて友情も引き裂かれて、という。ネタバレになってしまうかも?「フロリダプロジェクト」という作品と似ている。シビアな現実の果てにマジカルな突破点があるというような」
坪井「これは、狙って観に行った?」
田辺「これは今の会社を作ってすぐぐらいで、配給作品を探しているときにアジア映画祭があるなぁとビジュアルがすごく気になったんですよ。なんだぁ、団地少女って?って。これGDHって会社の映画で、一番有名なのは「バッドジーニアス」ですかね。タイの「A24(アメリカの企業)」と呼ばれてるみたい」
坪井「ああ、わかりやすい」
田辺「最近だと「親友かよ」とか、イケてるタイの映画だということがわかりまして。サンプルを取り寄せて観たんです」
坪井「タイ映画って、少し前はタイホラー、トニー・ジャーがあって。あと「アタックナンバーハーフ」、さっきでた「バッドジーニアス」でまた流れが変わるんですよね。当然タイでも映画って昔から作られてきたけれど、日本が買い付け始めたのってあの頃からで」
田辺「日本にとってのタイ映画ってそれこそ「ピンポン」が出てきてポップカルチャー度が一気に増したみたいなのが、「バッドジーニアス」だったと思う。その会社の映画というので」
坪井「「親友かよ」も同じ会社なんですねぇ。で、どうしたんですか?」
田辺「買いたいな、と思ったんですが(笑)これ、配信さんの魔の手が。(ここからオフレコだったと思う)」

【坪井さん③】これからの私たち - All Shall Be Well


坪井「「これからの私たち」ってあの」
田辺「みましたよ~~~、あの(会場に向かって)ご覧になられました?」
坪井「全国で4か所ぐらいでしかやってないんですよね。フォギーさんっていってずっとアジア映画を買い付けてきてらっしゃって、一年に1~2作品ぐらいなんだけど。二人のおばあちゃんのレズビアンカップルが、伴侶の方が亡くなって残された方々が遺産のことだったりリアルに描かれている。これ香港の映画なんですが「ソクソク」という作品を作った監督さんが作っている。そっちはおじさんのゲイのカップルのお話なんです。とてもよくできているんだけど、うちでも三週間上演したけどポテンヒットだった。もっといって欲しかった。いい映画でたくさんの人に見てほしい。今のLGBTの問題がどんな壁が立ちはだかってるか。評価は高いです。劇場で観てほしい。映画館としての使命感があると思う。どうでした?」
田辺「すごい、よかったですね。自分の解像度の低いところだったなと。日本でも起こりうることだと思うんですよ。生活を共にしている同性カップルの死別で、日本でも起こる。このままで我々の社会はいいのか?と思いましたし、映画ならではの目線が交錯する、という。舞台ではなく映像作品ならではの表現方法だと。誰が誰を見ていて、というのを見守る」
坪井「視線の映画ですね。誰がどこ見てるか、我々がどうこの映画を見ているのかということでもある。役者さんがうまかったですね。重鎮もいらっしゃるし。リアルな問題なので、あまりリアルに描き過ぎてもいけない。でも映画なので、ちょうどいい描き方をしている。「トワイライト~」と「これからの私たち」は同じ香港の映画で、予算とかも全然違うんだけどこういう映画をやれるのが香港の面白さだなと思っていて。それを考えるとこの映画もっと出てきてくれるといいなと思うんですけど。じわじわと来てほしい」

【田辺さん⑤】ラブインザビッグシティ


ここで、田辺さんが何の映画を挙げたのか度忘れするという
タイトル長いですよ、とか「ら」から始まりますよ、とかヒント出してた(笑)
そして「これ観られたかた~」と会場に聞くとなんと、今まで出た映画全部観てらっしゃる方がいたようです。
田辺「そういえば「これからの私たち」に通じるし、シスターフッドではないですが性別を問題としないつながりを描くという意味では「フラットガールズ」に通じるものもあるのかもしれませんが。ビッグシティというのはソウルのことなんですけど、そこで暮らす20代の男(ゲイ)、女の子は韓国社会から求められてる女性像からは外れているタイプの子。この二人が友情を育んでいく映画。映画の特に後半で、登場人物が走るシーンが2通りあるなと思っていて一つは自分のために走ってる主人公。もう一つは誰かのために走ってる主人公で、後者のほうが好きなんです。他者のための全力疾走が映えた作品でした」
坪井「今まで自分たちが考えていた韓国映画の配給さんの流れではないところから出てきた映画だと思ってて。どちらかというと今までの韓国映画の売り方をしていないとうまいと」
田辺「確かに」
坪井「K社さんもT社(念のためイニシャル表記しときます)も、韓国映画を売るときに役者さんを前面に出すじゃないですか。でも、このタイトル聞いた時に韓国だとは思わなかった。予告をみて韓国なんだって」
田辺「うまいですよねぇ。少し違うかもしれないけど「パストライブス」を思わせる作品」
坪井「これは配信どうなんですかね?」
田辺「ぼちぼち?そろそろやるか、やらないか」
坪井「新しい韓国映画の流れが来ている。今までは韓国映画に特化した配給会社がやってきていたけれど新しい、今までの売り方ではない見てみたら韓国映画だったんだ、っていう作品の面白さで見せてくるのはうまいですね」

ここで予定時刻の1時間ぐらいになっちゃって締める流れになって。
坪井さんがあと2作品挙げてたのは「スタントマン武替道」「愛がきこえる」だったんですけど、ここでまた「何挙げてたっけ~」って坪井さんがわからなく流れが。
なんだっけ~って言ってたら「愛がきこえる」だったwwww
坪井「すいません、自社の映画でしたね!」
田辺「僕が見てるに決まってるじゃないですかねぇ~!!」

坪井「スタントマンは、簡単にいうとフィリップさんもテレンスさんもなんだけどずっと香港映画を見てきた人に「泣け」と言わんばかりの内容なんですよね」
田辺「そうなんですね」
坪井「正直、ネット上で老害だって言ってるやつは皆〇ねと思いながら(笑)言ってるやつ全員香港映画浴びさせるぞ、って。皆が頑張って怪我しながらも香港映画支えてきたかって。たまに映画ってずっと見てきた人に対してのプレゼントみたいな作品が出てくるんですよね。オープニングの「ポリスストーリー」のパロディというかオマージュのところから、継いでいく物語じゃないですか。役者の魅力もだしつつ、往年のファンもそうだよねって納得する。その人たち(スタントマン)がいたから、ジャッキーやサモハンも生まれてきたんだって。SNSを見た時にコノヤロウって思いましたね」
田辺「(笑)」
坪井「そんなこと言ってたら映画界の歴史は変わらない。あの人たちはケガした時のことも含めて考えてる。だからスタントマンなんですよね。それができるチームがあって、ジャッキーのチームサモハンのチームがあったわけじゃないですか。それをずっと見てきた人たちへのプレゼント」

坪井「でね、マーチさんの忘れちゃいけない「愛がきこえる」」
田辺「これ、どうご覧になりました?」
坪井「田辺さんの映画の選び方って、鯨は鯨だったんだけど「愛が聞こえる」も……怒られてしまうかもだけど、「アイアムサム」でいこうと思えばいけちゃうわけです」
田辺「ああ、はい」
坪井「同じこと、って言っちゃいけないんだけど。障害もってる父親と娘って。でもトレス臭がしないんですよ。もちろん重ねてみたひとはいたかもしれないけど。予告をみてそういう映画なんだって。タイトルからそこを想像させないおもしろさと、見た時にこういう場合……お父さんがろうあ者で、中国の映画でどうしていくかって、確実に(話の流れが)暗いところにいくわけじゃないですか。それに勝つぐらいエンタメしていく。最後お父さんと娘さんが引き離される話なのに、それだけで時間が持つ話なのに、中国映画らしいお笑い部分、周りの人たちの良い面悪い面、あの一発逆転感。これを見つけてきて配給したのは誰だ?ってなったら「あ、田辺さんだ!」って(笑)これ、役者さんだけの上手さだけじゃ……いや、もつ場合もあるんですけど、この作品の場合は監督の演出や……途中本物のろうあの方がでてくる役者さんたちのうまさとか、そこにこのタイトルがくるでしょ?原題じゃないですよね?」
田辺「原題はMUMU って静かな愛、言葉のない愛みたいな感じなんですよ」
坪井「鯨の次にこれを持ってきたマーチさんの本気度はすごい面白いものを見つけてきたなと思いました」
田辺「ありがとうございます。ちなみにシャドウズエッジの監督とこの作品の監督は同じ大学で。だからなんだっていわれると(笑)」
坪井「いやいや、現場仕切れる人ですよ。
(※ここ全然覚えてないけど、ろうあ者と我々との視点の違い、中国独特の文化を監督がうまく現場を回している。シャドウズエッジだとジャッキーみたいないい意味で煩い人がいて、監督をジャッキーが気に入っていないとできないと思う。だから同じ大学出身というのは納得する、みたいなことを言ってた気がします)」
そして、また名古屋の映画館問題について坪井さんが吠えてたwwwオフレコ~~~~♪
なお、「愛が聞こえる」について裏話があってそれを話したいと思って東京でトークショー組んだんだけど時間足りなくなって全部話せなかったんですって(笑)
坪井「ああ、ぜひうちが継いでいく形でぜひ」
田辺「30分ぐらいかかっちゃう(笑)」
坪井「ぜひぜひ。受けて立つんで」
田辺「僕もよくわかってなくて、シネコンさんにお願いしたんですけど。シネコンさんとミニシアターさんでスタンスが違うんで、そのあたりをちゃんと踏まえてどこにお願いするのか考えなきゃいけないって学びました」
坪井「スコーレみたいに後から上映する場合には、後から盛り上げる方法もあるので。鯨もそうですし。僕らもがんばるんで」

坪井「(予定を)10分割り込んじゃったんで、これ以上割り込むと鯨を見る人たちが鯨を見られなくなっちゃうんで(笑)」
田辺「みなさん、このあと鯨をご覧になる?」

坪井「田辺さん、今年期待してる作品ってあります?」
田辺「先々の映画ってよくわかってないんです。逆にこれっていう作品ありますか?この(ホワイトボードの)映画をみて、これを見たらいいんじゃないかっていうのは?」
坪井「そうですねぇ」
田辺「むしろお客さんでこれみたほうがいいよっていうのがあれば」
ここで客席からあがってたのが「レンタルファミリー」
坪井さんがあげたのが「風林火山」「96分」

最後にマーチさんのこれからの公開映画の案内がありました。

あ。ホワイトボードに書かれてた「田辺様の様だけ消しといてくれませんか」って言ってた。

トークショーすごく楽しかったです。
私は最近になってちょっと映画を見始めたぐらいのぺーぺーなので、映画界のことはぜーんぜん知らなかったんですが
(年に1回コナンは見ていたぐらい)配給会社とシネコン、ミニシアターのいろんな裏事情がきけたことによって、いろんなことに対する見る目がかわりそうだなって(笑)
あと、面白そうな映画がいっぱいあがってたので、みたくなりましたね~~。
やっぱりこういうものは「好きだ」と思う人からの生のレビューに勝るものはないと思ってるので。

※メモとなんとなくの記憶をもとに書かせてもらいましたので、特に後半はかなり端折っていますが(笑)当日の雰囲気をお届けできたら幸いです。
お二人のトークショー、またやってくれないかな……

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