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「これAI画像じゃない?」と思った瞬間に、人は冷める。

先日、他社のページを見ていて、手が止まりました。

服を着ている写真。
構図も光も綺麗で、パッと見は何の問題もありません。
でも数秒後に気づきました。縫い目の線が、途中で消えている。

その瞬間、私の中でその商品への興味が一段下がりました。
商品が悪いわけではありません。
ただ、「この会社は商品を撮っていないんだな」と思ってしまった。

ECを長くやっていると、この温度の下がり方は自分の中でかなりはっきり分かります。


「温度が違う」の正体は、たぶん破綻の蓄積

AI画像はもう十分に綺麗です。
昔のように一目で分かるものではありません。

それでも、のウェアという商材だと、まだ違和感が出やすい箇所があります。

・毛並みの流れが、体の向きと合っていない
・ファスナーやマジックテープが途中で消える、または左右で形が違う
・縫い目やステッチが直線のまま関節を回り込む
・前脚の関節の曲がる向きが微妙に犬と違う

一つひとつは些細です。
でも人間の目は、意識する前にこれを拾ってしまう。
それが「なんか変」の正体なんだと思っています。

つまり「温度が違う」というのは感覚論ではなく、破綻の蓄積を無意識に検出しているだけなのかもしれません。

そして厄介なのは、この違和感が商品そのものへの疑いに変わることです。「画像が本物じゃないなら、この商品説明も本当?」。
ここまで行くと、もう戻ってきません。


弊社にも、AIを使う場所と使わない場所がある

誤解のないように書くと、弊社でもAI画像は使っています。
何なら私の記事は、画像生成のプロンプト練習で全部AIを使っています

ただし、会社で使用する時は線を引いています。

使わない場所は、商品そのものが写る画像です。
商品カット、着用画像、素材のアップ。
ここは全て実写です。

使う場所は、商品が写らない説明コンテンツです。
「こんな悩みありませんか?」のような導入部分や、撮影が現実的に不可能なシーン。犬を10頭並べて撮ることも、真冬の雪山へ行くこともできません。ここは迷わずAIを使います。

判断基準は一つだけです。
その画像を根拠にお客様が買うかどうか。
買う判断の根拠になる画像は、実写以外あり得ない。
それ以外は効率を取る。それだけです。


「AIがあるからWEBデザイナーは不要」への違和感

最近よく聞きます。
「AIがあるからWEBデザイナーはいらない」と。

作業スピードだけを見れば、その通りだと思います。
バナーもHTMLも一瞬です。
実際、弊社でも簡単なバナーは私がAIで作ってしまうことがあります。

でも、実際に自分でやってみて分かったことがあります。
AIは「作れる」けれど、「決められない」。

このページで最初に伝えるべきことは何か。
どの情報を削るか。
どこで買う気になるか。
ここが決まっていない状態でAIに投げると、綺麗だけど何も伝わらないページが大量に出てきます。

デザイナーの仕事が「作ること」だと思っている人は、不要論に行き着くのだと思います。
でも実際に価値があるのは、その前段の判断です。
そこは今のところ、まだ人がやっています。


それでも私は、商品ページに実写を使い続ける

AIはこれからも進化します。
数年後には、さっきの縫い目の破綻もなくなっているでしょう。

それでも私は、商品ページだけは実写を使い続けると思っています。
理由は理念的な話ではなく、単純にお客様が買う場所だからです。

素材の質感。
実際に着せた時のシルエット。
犬種によって出る余り方。
このあたりは、そもそも「作る」ものではなく「記録する」ものです。
撮ってみて初めて分かることの方が多い。

AIは本当に便利です。
私も毎日使っています。
ただ、AIで作った画像は「こうあってほしい姿」で、
写真は「実際にこうだった姿」なんだと思います。

商品ページに必要なのは、たぶん後者です。

だからこれからも、任せる部分と、こだわる部分。
その線引きだけは自分で決めていきたいと思っています。


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