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「先輩はもっと仕事してもらわないといけないね」と言ってた後輩

ブラック企業時代の、ある後輩の話です。

ここではAさんとします。

AさんはITエンジニアとしての経験があり、即戦力として入社してきた人でした。

噂では、会社の偉い人たちはAさんにマネジメント能力も期待して採用したらしいです。

要するに、普通のメンバーというより、将来的には上のポジションを任せるつもりだったようです。

そんなAさんは、私より10歳以上年上でした。

今回は、そんなAさんと出張先でご飯を食べていたときに言われた、ちょっと印象に残っている言葉について書いていきたいと思います。

「彼にはもっと仕事してもらわないといけないね」

Aさんが入社して3〜4カ月くらい経った頃、私とAさんの2人で泊まりの出張に行く機会がありました。

仕事が終わった夜、せっかくなのでホテルの近くでご飯でも食べようという話になり、2人で食事に行きました。

仕事の話をしたり、会社の話をしたり、いろいろ話していたと思います。

その中で、別の後輩の話になりました。

その後輩は、社歴としては私とAさんの間くらい。

年齢もAさんより下でしたが、仕事はかなりできる人でした。

そこで私は、

「彼は優秀だから、もっと仕事してくれると嬉しいですね」

くらいの軽口を言ったんです。

するとAさんが、

「そうね。彼にはもっと仕事してもらわないといけないね」

と言いました。

これを聞いたとき、ちょっと面食らいました。

いや、なんというか。

「もっと仕事してもらわないといけないね」って、完全にその人を評価する側の言い方だなあ、と。

しかもAさんは、その時点では会社で一番の後輩です。

もちろん年齢は私よりかなり上ですし、話に出た後輩よりも年上でしたが、社歴でいえば一番下。

それなのに、先輩の仕事量について「もっと仕事してもらわないといけない」と言っている。

さらに、私に対してタメ口でした。

私は別に、タメ口で話されること自体はそこまで気にしません。

ただ、その言葉の内容と合わせると、なんとなく引っかかったんです。

「あなたがその人を評価する立場なの?」

そんなことを思ったのを覚えています。

マネジメントを期待されていたからなのか

もしかすると、Aさん自身は自分がそういう立場になると思っていたのかもしれません。

入社前から、会社の上の人たちからマネジメント能力を期待されていたという話も聞いていました。

だから、単なる一メンバーとして入社したという感覚ではなかったのかもしれません。

「自分は将来的に人を管理する側の人間なんだ」

そんな意識があったのかもしれない。

もちろん本人に聞いたわけではないので、本当のところは分かりません。

ただ、当時の私は「そういうことなのかな」と思いました。

それでも、今のポジションで、先輩の前で先輩の仕事ぶりを評価するような言い方をするのは、ちょっと違うんじゃないかと思っていました。

私は上下関係をものすごく気にするタイプではありません。

年齢が上だから偉いとも思っていないし、後輩だから何も言ってはいけないとも思っていません。

ただ、少なくともその会社に入ってまだ数カ月の人が、先輩の仕事について「もっとやってもらわないと」と言うのは、完全に上から見てるなあと思いました。

じゃあ、Aさんは仕事ができたのか

ここで気になるのが、

「そんなことを言うくらいだから、Aさんは仕事ができたのか?」

という話です。

これが、別にそんなに凄い人でもなかったんです。

仕事がバリバリできるという感じでもない。

仕事がうまくいかないこともあったし、自分の判断で暴走してしまうことがかなり多い。

少なくとも私は、Aさんを見て「この人すごいな」と思った記憶はあまりありません。

そして、最初に聞いていたようなマネジメントのポジションに就くこともありませんでした。

結局、一人のメンバーとして、そのまま業務を続けていました。

もちろん、マネジメント能力があるかどうかは、仕事ができるかどうかだけで決まるものではありません。

なので「仕事ができなかったから管理職になれなかった」と言いたいわけではありません。

ただ、あのときの「彼にはもっと仕事してもらわないといけないね」という言葉を思い出すと、どうしても説得力の無さを感じずにはいられませんでした。

私も余計なことを言わなければよかった

今になって考えると、私も余計なことを言わなければよかったなと思います。

今回の話は、

「彼は優秀だから、もっと仕事してくれると嬉しいですね」

という私の軽口がきっかけだったわけです。

私がそんなことを言わなければ、Aさんからあの言葉を聞くこともありませんでした。

当時はAさんの返しに「なんだこの人」と思いましたが、そもそも私も人の仕事量について評価するようなことを言っていたわけです。

そこは自分も反省しています。

ただ、あの出来事から一つ学んだことがあります。

説得力のない立場で、偉そうなことを言うのはやめよう。

仕事ができる人が言えば、それなりに説得力がある言葉でも、そうじゃない人が言うと「いや、あなたが言うの?」となってしまう。

Aさんを見ていて、それを強く感じました。

別に、仕事ができない人は何も言ってはいけないという話ではありません。

私だって完璧に仕事ができるわけではありません。

だからこそ、自分が人の仕事ぶりを評価するときは、少しくらい自分のことも振り返ったほうがいい。

あのときのAさんの言葉は、今でもたまに思い出します。

そして思い出すたびに、私自身も人のことを偉そうに評価していないか、少し気をつけようと思っています。

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