”Morning Shot” 一発屋の墓場から這い上がれ――徳間書店「第1回ネクストブレイク作家賞」が突きつける、プロ作家の残酷な再起戦
「昔一度売れた」程度の過去の栄光を捨て、喉笛を噛み切りにこい。
一発屋の墓場から這い上がれ――徳間書店「第1回ネクストブレイク作家賞」が突きつける、プロ作家の残酷な再起戦
「元・期待の新人」のプライドを粉砕し、電子出版の泥舟で生き残りを賭けるサバイバル

かつて華々しくデビューを飾り、選評で持ち上げられ、いっぱしの「作家先生」面をしていた連中が、二作目・三作目で音もなく消えていく。出版界の路地裏には、そうした「元・新人賞作家」の屍が山積みになっているのが現実だ。
徳間書店文芸編集部がぶち上げた「第1回ネクストブレイク作家賞」の募集要項を見て、胸の奥底が焼けるような苦笑いが漏れた。「ネクストブレイク」などと耳触りのいい横文字で糊塗しているが、要するにこれは、他社で使い捨てにされたり、筆が止まって忘れ去られたりした「プロの落伍者たち」への敗者復活戦の召集令状だ。
応募資格が実に容赦なく、かつ生々しい。「小説を商業出版したことがあるプロ作家」「新人賞受賞歴のある方」「商業誌での連載・寄稿経験者」。同人誌や自費出版のアマチュアは足切りだ。一度でもプロのリングに上がり、市場の洗礼を浴びて血を流した者だけを名指しで呼び出している。
賞の提示も極めてシビアだ。「担当編集のサポート&電子出版確約」。何百万円という派手な賞金がもらえるわけでもなければ、いきなり紙の単行本が全国の書店に平積みされる保証もない。まずは担当がついて、電子で出してもらえるだけ。かつて紙の本を出したプライドが邪魔をするような手合いなら、この条件を見ただけで臍(へそ)を曲げるだろう。だが、今の出版市場で「再挑戦の打席」を用意してもらえることがどれほど泥臭く、切実な蜘蛛の糸か、干された経験のある書き手なら痛いほど分かるはずだ。
求められているのは、完全未発表のエンタメ長篇プロット(A4で5枚以内)と、冒頭原稿20枚。全編書き下ろしの原稿を持ち込ませるのではなく、構成力と出だしの筆力だけで「商品価値」を値踏みする。編集者側も無駄な時間は使わないという、徹底したプロの品定めだ。
締め切りは2026年9月30日。
「昔はチヤホヤされた」「版元の営業力が足りなかった」などと愚痴をこぼしながら腐っている暇があるなら、そのみっともない自尊心をドブに捨てて応募フォーマットを埋めてみろ。過去の栄光に縋り付くゾンビのまま消えるか、電子の荒野からもう一度爪を立てて這い上がるか。ここにあるのは、崖っぷちに立たされた物書きたちの、剥き出しの延命闘争だ。
〈了〉
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